大通峠〜空山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『西河内』を参照いただくようお願いいたします。

2002. 6.16.  日曜日  曇り  気温ふつう
空山にはMTBで一度登ったことがあります。正規のルートのピストンだったので 距離的にも物足りないし、あんまり乗れなかった記憶があります。ふと 地形図を眺めているとその空山は大通峠のすぐ西にある1081mピークから真南に延びる 尾根のほぼ南端に位置しているのがわかります。それなら、大通峠からその尾根を伝って 空山まで行けるのではないでしょうか?その疑問を解決するためにM氏を いつものように巻き込んで行ってみました。

なんの根拠もなくコース設定をしたわけではありません。天児屋山に登ろうと思って この大通峠から1081mピークには来たことがあります。その時に南尾根に向かって 踏み跡があったのも確認済み。空山に登ったときも北向けに踏み跡があったのも確認。 それなら途中にも踏み跡ぐらいあるだろうと想像したわけです。

ゴール地点となる『高保木の森』駐車場(北千種小学校のちょっと東)に車を止める。 9時15分スタート。ここからMTBでまずは大通峠まで舗装路のヒルクライムが待ちかまえている。 三室山登山口のちょっと手前に滝があるので、休憩をかねて見に行ってみる。この滝は 三本の流れがあるが、真ん中のそれは川底にある 穴に入った水がそこから噴水のように飛び出してくる面白い滝だった。

ここから峠まではちょうど1時間の舗装のヒルクライムになる。昔はとてつもなく ヒドいガタガタの未舗装林道だったが、今ではうそのように快適な道になっている。 傾斜も緩やかでM氏曰く「ロードで登りたいなあ」だとか・・。ロード御勝手に。
三室の滝舗装路の峠道

いつものようにM氏は単独でさっさと峠まで登ってしまい、私一人ちんたらとクランクを 回す。麓からこの峠付近を見たときはすごく遠くに思えたが、いつの間にか三室山が近くに見えて いるし、峠もだいぶん近づいている。汗びっしょりでへろへろ状態、倒れ込むように峠に着く。 10時40分。
大通峠から鳥取県方面を望む
峠には車一台おけるぐらいのスペースしかない。そして峠手前の左手には石仏、右手斜面には どこへ続くのか?(ひょっとしたら三室山?)取り付きがあるのを確認。 鳥取方向を眺めてみると、高倉の背後にくらます、ちょこっと頭を出している東山。 1199mピークの向こうには天児屋山があるはず。そして1081mピークへ登りはじめると氷ノ山も見えはじめた。

その1081mピークから明確に南向けに踏み跡がある。とりあえず下りなのでMTBに跨ってみる。 何の問題もなく乗車が出来る。こんな道が空山まで続いているのだろうか?ならすごいルートの大発見だ。
雑木の中の明確な道笹原ピークに出たぞ

伐採後の笹原ピークに出た。三室山から竹呂山、かんかけ峠、植松山と続く山稜が大きい。 目的地である空山もはっきり見えた。これまでの明確な道といい、この展望ピークといい、 出だしは良好である。

しかし道が良かったのはこのピークまでのこと。これ以降は悪路が続くことになる。 わずかな踏み跡をたどって行くのだが、どうにもこうにもMTBが邪魔になる。 歩きだけならさほどもこともないであろう。

急下りの尾根の途中からハイカーの手による赤テープが現れ始める。こんなとこ 来るなんてよほどの物好きとみえる。(MTBで来るやつはもっと物好きだ!!) 押すこともならず、肩に担ぐと木や枝に引っ掛かる。しかたなく腰の当たりの高さに 持ち上げて進むしかない。

946.7mの三角点ピークに行くにはちょっと注意が必要。わかりにくい分岐があり、それを 左に折れる。どういうわけか肝心のこの付近だけ赤テープがない。(なんのためにいままでの 道に付けているのか訳がわからん)スタート直後の笹原ピークで11時10分、 三角点にはちょうど1時間かかった。点名金谷、四等三角点。ここで30分かけてお昼休憩。
この辺はまだまし後山の左下にあるおごしきの
大馬鹿門を双眼鏡で確認

最出発するも道の状態は同じ。しかし峠からほとんどアップダウンがないので 疲労はさほどのことはない。ちょっと展望のある所に出る。霞の中、後山が見える。 M氏が双眼鏡でおごしき山の大馬鹿門を発見。肉眼ではまったく見えません。

924mピークに登り返したが相変わらずの道悪。この道ってとにかくよくつまずく。切り株、倒木、 ブッシュ・・・、みなさんもお気を付け遊ばせ。予定ではまもなく空山への登山道と合流する。 植林帯の右下を見るとそれらしいものが見えた。降りてみるとまさしく空山への登山道であった。 正規のルートはやっぱり楽やね。押すのはもちろん、担ぐのも周囲に邪魔がないので楽である。

空山には13時30分着。三等三角点、標高900.9m。頂上は刈り払われていてそこにはおごしき山と同じく 大馬鹿門の石柱がそびえ立っている。それに見とれていた訳ではないが、三角点の確認をしなかった。 たぶん石柱の土台周囲にあると思うのだが・・・。ここでコーヒータイムをする。

頂上には先着の男性二人のハイカーがいたが、正規の登山道で下山していった。我々はその登山道では 下山しません。さらに南に向かって前進します。四等三角点の点名大谷(標高680.7m)を経て 『高保木の森』駐車場でゴールです。
正規登山道は楽ちんやね南方向へ下山だ

大通峠から空山まではストレスのたまる道でしたが、この空山の高保木ルートはまさしく MTBのためのルートです。山頂から南にくっきりと踏み跡があるのですが、どこへ続いているのか 標識もないのでほとんどのハイカーは近寄ろうともしないようです。それが我々には 好都合というものです。

スリリングな大下りをクリアーすると、つづら折れの乗れない急斜面があります。 その後はまたまた乗り放題。右手は雑木と笹、左手は植林帯。ところがその植林帯の 地形が不思議な形状をしている。想像だが砂鉄を採取した後のこぬか地形と 呼ばれるものではないでしょうか?
左手の植林帯は不思議な地形ですU字溝をダウンする

693mピークを北に巻いてそこから南に曲がる。不思議な地形の植林帯、しかも薄暗いので 一人だとちょっと不気味かもしれない。地形図にある点線の峠道よりさらに南にある 鞍部には道標もあった。確実なルートを辿っているのは間違いない。そこから徐々に 登り返しがある。周囲はもうあの不思議な地形では無くなってくる。

15時、大きな道標のある分岐にやってくる。どうやら『高保木の森』の施設内に入ったようだ。 ここから大馬鹿門までは2000mとの表示がある。右手に降りると『どんぐりの小道』、正面に行くと 『尾根筋散策道』とある。地形図にはその散策道の先端に三角点がある。数100mほどの 距離なので行ってみる。

そこは展望はほとんどないが、テーブルやベンチの設置された憩える空間であった。点名大谷、 四等三角点、標高680.7m。その先は一気に下る道が続いており『赤松の林』と標識がある。 MTBでは乗れそうにないので、先ほどの分岐に戻り『どんぐりの小道』でダウンする。

道幅はそこそこあるが落ち葉の下に小岩があるのでハンドルが取られてあぶない。 『野鳥の小道』分岐を素通りしてそのまま一気に下ってしまう。するとそこは 北千種小学校の敷地裏であった。すぐ横には高保木たたら製鉄の遺跡もある。15時30分。 駐車場までは目と鼻の先であった。

駐車場にあるイラスト地図を確認したが、『どんぐりの小道』から『野鳥の小道』を辿ると この駐車場にダイレクトに降りられるようだ。今日もとんでもない大縦走が楽しめた。 ハイカー、MTBerのどちらにも楽しめるコースは、正規のルートで空山に登って この『高保木の森』ルートで下山するのがベストコースでしょう。

今回の大通峠〜空山の地図はこちら(約100k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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