三郡山〜大谷柴山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『綾部』を参照いただくようお願いいたします。

2002. 5. 2.  木曜日  曇り  気温ふつう
綾部にある三郡山には去年の11月にMTBで登りました。頂上はまったくおもしろみのない 所ですが、周辺にはシングルトラックが多く(地形図にないのもある)、MTBerと山道を 歩くのが好きな人には楽しめる所です。この山から西方向に延びている綾部市と三和町との 境界尾根には点線のルート(約2.7km)が書かれている。今回はこれをMTBで辿ってみようと いうものです。

スタート地点は前回と同じ綾部市上原町にある岩根山行者堂への参道前の空き地。 そこにある看板には翌日の五月三日が大祭になっている。聞くところによると 村人が200人ぐらいは集まるそうだ。安永六年(1777)に建立されてから 現在までも村民に守られているということです。 行者堂までの道は滑りやすい路面なのでMTBは杖代わりとなる。それでも下りではタイヤの グリップに助けられて全乗り出来るのでおためしあれ。10時スタート。
参道入り口にある道標参道は新緑のトンネル

入り口にあった写真の道標には『大はら ぎやうじや山』右サイドは『あやべ』となっている。 つまりこの道は行者堂へ登る参道であるとともに三和町大原への峠道でもある。 行者堂へ向かっているとその分岐に到達する。標識は左の行者堂にだけあるが右の踏み跡に入っていく。

さすがに誰も歩いていないだけあって歩きにくい所もある。390mピークの岩根山を 巻きながら南下を続ける。基本的に尾根づたいというより、ちょっと左手を巻くようにして道はある。 すこし整備をすればこれまたすばらしい遊歩道になるんですが・・・・。そのうちに 前回の下りに使ったコースと合流する。その時は気づかずに通り過ぎてしまったのだが、 やはりこの行者堂コースはハイスピードで下っていると見逃してしまう分岐だった。
平坦なので乗れます

分岐から三郡山までは上り基調ですがフラットな路面で幅も広く気持ちよく乗れる。頂上直下には例の 石仏と道標がある。峠道としては現在は使われていないのはもちろんなのだが、 関電の巡視路として整備されているのでヤブに埋もれることはないだろう。
石仏分岐。黄色のコースで走っていく

ここはいくつかの枝道があるが道標横の明確な道(巡視路)を乗っていくのが正しい。 途中には稚児百合も咲いていました。 三郡山の山頂を巻いていよいよ境界尾根になり、方向も南から西方向に転ずる。

いよいよ未知のルートへ突入する。が大原へ下る道標石仏のポイントまでは 今までと同様ほとんど乗れるのすばらしい道です。時間にして10分もないと思うが 何度も立ち止まって周囲をうろついたり、写真を撮ったりするのでなかなか前に進めない。
ほんと良い道です大原へ下る分岐

この道標には弘法大師が彫られていて、サイドに『天保七申(1836) 五月立之』とあった。 (ちなみに先ほどの石仏は弘化三丙午(1846年)九月となっています)手で方向を指し示して いる所などは行者堂参道入り口のそれと同じ様式となっています。きっと下りきった大原にも 同様の石造物があるのではと期待できます。11時30分。

ほんというと今回はこれだけで私的には大満足なのですが、HPの役割的には、地形図のルートの確認だけ でもやっておかなくてはいけない。ところがどっこい!ここから道はいきなり無くなります。 地形図にある点線はいったい何だったか!と言いたくなるほどの わかりづらい箇所が連続する。歩きなら地形図とコンパスをつねににらんで確かめられるのですが MTBを担いでいると、五分に一回、50mに一回、あるいは道がある方向についつい進んでしまい 迷ってからコンパスを取り出すということになります。

気が付いたら471mピークを越えて南に下っている。時間もお昼だったのでここで休憩をする。 間違ったと思われる所まで戻って正規ルートへ枝をかき分けながら入っていく。「これじゃあ わからんはずや!」とぼやきながら進んでいく。案外尾根が広がっていて気を抜くと いつのまにか支尾根で下りそうになる。

思っていた道はないし(昔は明確だったと思う)、尾根も複雑に入り組んでいて、 現在位置の特定も難しい。そこへ『大谷→』と彫られた木を発見。地形図にある296ピーク経由で 和木町へ下っているルートだろうか?
大谷分岐竹林の正規ルートに復帰

この先のCa.410ピーク付近で大きく迷ってしまう。例によってMTBを担いでいたので、コンパスを 確認したときには大きく南に進んでいた。大きくため息をついて元に戻ろうと急登りを登っていく。 きっちりと特定の可能な所まで戻るのがセオリー。ところが横着をかます性格が災いして このピーク付近で40分もロストしてしまった。おまけにコンパスまで落としてしまう。

気持ちを落ち着かせるために、近くに咲いていたギンリョウ草をカメラで写したりして休憩する。 コンパスも無事回収できて(運が良いのやら悪いのやら)じっくりと地形図をにらむ。 同じ所を登ったり下ったりとスタミナの消耗も激しいのでとりあえず見峰山行者堂からの下山をもくろむ。

見峰山行者堂は和木町を車で通過する際に町内案内の看板で見た名前です。405.6mの四等三角点 (点名 蛇ヶ谷)付近にあるということと、名前通り行者堂があるということだけしかわかっていません。 竹林の中の正規ルートに復帰すると赤ペンキのマークもあった。これ以降明確な道もあれば、 とんでもないブッシュで枝をかき分けながらでないと進めないルートもある。 今までの失敗の経験を生かしてミスコースはなかった。

点名 蛇ヶ谷には14時25分に着。ここは境界からちょっと三和町側に入ったところにある。 この付近に行者堂があるはずだが・・・。境界尾根に戻ってもう少し先まで行ってみよう。 このあたりにもベタベタと赤ペンキのマーキングがある。
石垣跡のある見峰山現在の見峰山行者堂

出てきたピークには大きな円を描くように石垣の跡がある。その平坦な部分にさらに 小さな円で石垣跡があった。見峰山(けんぷざん)行者堂はどうやらここのようだが、 現在は跡地だけになっているようだ。山名は大谷柴山というそうだ。 これ以上境界尾根を行くのは無理っぽいのでここから下山する。 道はいままでと同じように無いに等しい。

ふと下を見ると建物が見える。まだ里に下りるには標高が高すぎるが・・・。 それがピークから降ろされた新しい見峰山行者堂でした。大きなテラス状の 岩盤に建っていて北方面に大きく開けている。 岩根山行者堂も、この見峰山行者堂もとちらも大峰山からの勧進と聞きます。
行者堂からの展望

行者堂横から下山道がある。ちょっと下ると先ほどの大谷柴山に向かって廃道寸前の 踏み跡が上っている。地形図にある大原へ抜ける峠道だと想像する。横目に見ながら 今までの鬱憤を晴らすようにかっ飛ばす。
ピンクルートを駈け下る行者堂からは全乗りです!!

ありがたいことに行者堂からは100%の全乗りでした。途中に鳥居の分岐があり、 そちらから行者堂に登ると途中に岩場の行場があるそうです。集落に降りて 後は舗装の府道をのんびりと走って岩根山行者堂の駐車ポイントに着です。15時半。
今回の三郡山〜大谷柴山までの縦走地図はこちら(約140k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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