御祓山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1『大屋市場』を
参照していただくようお願いいたします。

2002. 4. 6.  土曜日  曇りのち雨  気温すこし寒い
さほど標高もないし、展望も期待できず、登る順位(自分の中の)としては下位に位置する山でした。 ところが『新ハイキング』にここの中腹にあるみづめ桜のことが記載されているのを見て 俄然行きたくなりました。先週の室尾山の山行きでOAPさんと無線で繋がったとき、 都合が合えば行きましょうと軽い約束をする。その後、たぬきさんご夫婦、貴公子さんも 予定に加わりちょっとしたミニオフになる。今年は桜の開花が早いので日にち的にも ちょうどよさそう。しかし天気の予報は芳しくない。

当日の朝、車を走らせていると無線で私を呼ぶのはMXFさん。「島田さん、今日はどこの山ですか? 私もどこかへ行く予定ですが・・・」「それならご一緒に御祓山へどうですか?」こういうのが 無線の便利なところ。ずいぶん遅れているが高速で追いかけると言う。私はのんびりペースで車を走らせる。 和田山に入る手前でたぬきさんご夫婦と無線が繋がる。道の駅『但馬楽座』で貴公子さんとも 合流して、かっとんで来たMXFさん共々4台は登山口である糸原へ向かう。

途中には古くから有名な『樽見の大桜』の看板もある。場所は違うがこれも御祓山中腹にある 桜の大木だ。ソロで行くつもりの時はMTBを利用してこの樽見の大桜〜御祓山頂上〜みづめの桜という ロングコースを地形図上で考えていた。

糸原のバス停からちょっと南に大きな看板があり、左折すると砂利を敷いて整地された 駐車場がある(無料)。OAP、JMMさんご夫婦は先着しておられ全員そろう。 天気は曇り、早く登って早く下らないと雨に遭いそうな感じである。10時10分スタート。
長い石垣は棚田跡つつじ回廊を登る

駐車場から薄暗い林道に入る手前に地元の人が用意してくれている簡易地図があった。 細い林道は車の進入は出来ない。苔むした石垣が延々続くのは棚田の跡。そのそばには ミヤマカタバミがつぼみ堅くあった。軽自動車の残骸横に『みづめ桜(えどひがんざくら)1100m』 と看板がある。変な施設が点在しているが簡易上水道の施設跡のようだ。

OAPさんが地面にあった白い粒をつまみ上げて「塩カルやなあ。ヒル避けやろか?」という。 こんな所で凍結しようがしまいが関係ないし、すぐ南の大杉山ではヒルに悩まされたので そうかもしれない。 そしてここからいよいよツツジ回廊の始まりである。林道を離れて尾根の登りになる。 この尾根はずいぶんと人の手が入っていてツツジ以外の雑木が多く切り倒されている。

写真では表現しきれないが実際はすごい。ミツバツツジの木自体も大きいし、数も多いので 圧倒される。これで満開ではないのだからさらにすごい。花にさほどの興味のない私ですら 視線定まらずどこを見ていいのか迷うほどの美しさ。
周囲はツツジだらけ花も元気

急な登りなのでなにも無ければただただ辛いだけの道だ。ちょっとザレていて油断すると 滑りそうになるというおまけ付き。下ってくるハイカーは腰も引け気味だ。急激に標高を上げるので いつのまにか南には大杉山、須留ヶ峰の両ピークを従えた大きな山塊がそびえている。
大杉山・須留ヶ峰

北西方面にはいまだ白い雪を頂いた氷ノ山が大きい。ツツジのピンク越に見る白い氷ノ山。 そしてその手前にある 杉が沢高原の山腹を目でなぞるとなんと天滝の瀑布まで見える。中腹でこのロケーションだから 頂上が開けていれば・・・と、期待はふくらむ。

ツツジ回廊が終わり、暗い植林の道を登ると伐採斜面に桜の大木があるのが見える。 近づくにつれてその大きさがわかり圧倒される。斜面をよじ登って桜の真下に行こうとするが なんだかその威厳に近づく難く遠巻きにカメラに納める。それでもフレームに入りきらない。 11時10分。
みづめ桜です桜の花の向こうに氷ノ山

何十人も押しかけているかと思ったがさすがに1時間の山歩きとなるとサンダル、ヒールの輩は いないようで我々を含めて20人もいない。ここで食事をしている人もいる。その横をすり抜けて 斜面を登っていく。今までよりさらに急斜面だ。目的はもちろん御祓山山頂。 「お腹減ったあ〜」という声もあるがもうちょっと我慢だ。

尾根に合流する。明確な登りと下りの踏み跡がある。我々の登ってきたのは枝尾根とも呼べない ような斜面だったので、ピストンで下山するとなるとここをよく覚えていないと迷いの元となりそう。 アセビの多い雑木の尾根。傾斜はさらに急である。地面に埋められている共同受信TVのケーブルが 所々覗いている。空腹にあえぎながらようように着く。11時55分。標高773.1m、三等三角点。
御祓山への登りも急です頂上から天滝を写してみる

松の木が多くて全開の展望はない。TV受信(現在は撤去されている)のためか南東方面が 刈り払われている。一番手前にはパラグライダーで有名なさのう高原。電波塔で一目瞭然の粟鹿山から 順番に朝来山、大持山、行者岳、上生野とおなじみの生野の山々。その向こうには三国が岳から始まる 千が峰までの稜線が続く。北面はちょうど氷ノ山方向が窓のように開いている。無理かとは 思ったが天滝をカメラで写してみる。
南東方面の展望
各人好き勝手に座り込んで食事をする。今日の天気ではまだ暖かいものが食べたい。 食後にちょっと周囲を探索する。大屋町と養父町の境界は明確。カカナベ峠への下り道も 確認。北方向の尾根も充分歩けそうだ。バリエーションルートはいくらでも取れそうな おもしろい山と再確認する。天気が危ういので集合写真を撮って下山とする。

カカナベ峠へ下る案も出たが、長い林道歩きがあるので今回はパス。とりあえず 桜分岐まで下ってそこから明確に下っている方の尾根を辿ろうということになった。 登りで体力を使い、下りで気を使う急斜面である。

この尾根道、とんでもない急斜面である。トラロープが設置されており、頂上からの 共同受信ケーブルが続いていることから人の歩けるようにはなっている。 しかし油断すると怪我をするのは確実なので注意して降りる。手袋を忘れたので ロープとの摩擦で手のひらが熱い。途中に『みづめ桜 ○○m』という標識がある。 どうやらここも正規?あるいはサブのルートらしい。
ロープを伝う急下りツツジ回廊を見る

二カ所ほどある分岐を地形図で確認しながら下っていく。鹿避けネット沿いの 細い尾根になると同時にミツバツツジが現れる。登りのルート同様に ここも大群落である。しかし登りのルートと違って周囲の雑木も刈られることなく そのままなのでいっそう雰囲気はよい。ハイカー達の目にも晒されていないため より愛おしく見える。

ちょっと開いたところからはツツジ回廊登りルートが丸見えだ。ハイカーが何人か そこを下っているのが見える。「おーい!ヤッホー」などと大声で呼びかけるが 気がつかない様子。まさか向かいの尾根を下っている人がいるとは思っていないのだろう。
雑木斜面にツツジ群落さあまもなくゴール

ツツジも無くなり傾斜もゆるんで気温も上がっている。薄暗い植林帯に入ると 右下に棚田跡が確認できる。もうゴール間近だ。植林帯を流れる小さな川を渡って出てきたのは、 軽自動車の残骸のある所であった。振り返ってみてもここから入るとは気がつかない。

駐車場には14時ジャストに到着。下山途中からポツポツと降り始めた雨はたちまち本降りとなる。 なんとタイミングの良いことでしょう。それぞれの帰路が違うことからここで解散となる。 なんだか来年もまた来そうな予感がする。
地図

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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