竹呂山〜三室山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『西河内』を参照していただくようお願いいたします。

'99. 5.29.  土曜日  晴れ  気温ふつう
こんなにも大変な山行きになるとは思ってもみませんでした。 「正規の登山道のないこの山に登るには林道から」と情報を得ていましたので、まずは林道探し。 千種町を抜け、そのまま北上して一路三室高原へ。途中の道場という集落から始まる 林道を登ってみる。終点まで行ってみたがどうも登りにくそうな雰囲気。 改めて県道まで戻り、次の林道を探す。『渓流荘』という宿の先にある最初の小さな橋(まどころはし) を越えた右手に林道入り口があり、その終点まで行ってみる。

点線のルートが地図上では続いているがCa680m付近が終点だ。ここから竹呂山の南西に伸びる尾根の 871mのポイントに取り付けばあとは簡単そうだ。871mまでは案外すんなりと登れたが後ろを振り返ると 帰路はちょっとわかりにくい。まあ何とかなるだろうと頂上に向かってズンズン登っていく。 途中で鹿と遭遇。高度計が1000mを指す頃から猛烈な雑木ヤブが立ちはだかる。 仕方ないので山腹を北向けに巻いていく。明確な道はないが植林地帯なので簡単に歩ける。 ただ傾斜が急なので足を踏み外すと転げ落ちてしまいそう。このまま境界尾根まで行くとなんとかなるだろう。

境界尾根からはヤブってなくて問題なく歩けます。たどり着いた頂上は細長い平地。千種町側は檜の植林が、 波賀町側は笹と若いブナと植生が違っています。思ってもいなかったいい雰囲気に満足。 でも眺望はまったくありません。ははあ、この植林が帽子のように見えてたんやな。帽子の縁に相当する 所まで(10mほどですが)下ると展望があると思います。林道より1時間40分。標高1129.2m。三等三角点。 木に巻き付けられた赤テープにいつもメールいただく『山屋のiさん』の署名が・・・。 その近くのプレートには私んちのすぐご近所の木下さんの名前が・・・。ううっ、世の中狭い。
林道終点 頂上

林道終点から見た頂上

若いブナをバックに三角点

ブナをすり抜けてくる風は涼しい。先週の蘇武岳では暑さでご飯が喉を通らなかったので今日はざるそばで腹を満たす。 時間はちょうどお昼。まだまだ時間はあるし地図を見ると三室山までは稜線沿いに直線で約2kmほど。 ピストンで下山するのもおもしろくないし、(本当はちゃんと下れる自信がない)腹ごなしに三室まで行ってみるか!

最初の500mは順調に下っていく。Ca1050mの鞍部着。ここから左に谷を下れば林道だ。 (下れればの話だが)毛頭その気はなく、さらに進む。ここからはずっと上りの道だ。 やがて尾根は西に方向を転じながら根曲がり竹の藪に行く手をふさがれる。それは高さが3mを越えるような 猛烈なジャングルへと変わっていく。すだれを立てかけたような隙間からわずかに前方に見えるブナの木を目標に 1分1mのペースで進んでいく。竹に挟まれて身動きが出来ないのでカメラをリュックから出すことが出来ない。

さらに登りなので手前に竹が倒れている。体に竹が突き刺ささるのを左右になぎ倒しながら1歩前に。 それを根気よく続けてより前へ。ちょっと開けた所に出たが、そこには大量の熊の糞があちこちにある。 どうやら熊のトイレに出たようだ。熊が通ったおかげかちょっと空間があるのでそれを利用して ヤブをさらに進む。熊と鉢合わせしたらどうしよう? 下ショウ台と呼ばれる1198mのピークまで竹呂山頂上からちょうど1時間。
熊の糞

私がしたのじゃありません

中ショウ台と呼ばれる1242mのピークまでさらに1時間。Ca1300mのピークまでさらに1時間。 時々現れるブナが心を癒してくれるが孤独でむなしいヤブ漕ぎから早く解放されたい。 体中傷だらけでハエが五月蠅くつきまとう。竹呂山から3時間半で三室山登山道と合流。 頂上からわずか2分の所。ここでリュックを調べるとカメラの三脚と帽子が紛失しているのを確認。 やれやれ。三室山標高1357.982m。二等三角点。

三室山の頂上で写真を写し、さて景色を楽しもうと思ったがすでに16時になろうとしている。 もちろん山頂にはだれもいないし、車のデポ地まで戻らないと行けないので下山に取りかかる。 とはいうものの去年登れなかった天児屋山やこれから登りたい鳥取の沖の山、東山等はきっちりと確認。 竹呂山がどこなのか山頂からはどうしても確認できなかったが、ちょっと下にある開けたところ (昔パラグライダーの発進に使っていた)から確認できた。ずいぶん近くで低いピークに感じる。 とにかく急ぐのでどんどん下る。左の膝が痛くなってきたがもうちょとがんばってね。 55分で野外活動センター着。(三室山に登山するときはここで6万5千分の1の地図をもらうと わかりやすくていいですよ。)
頂上 竹呂山

三脚がなくなったのでこんなアングル

下山途中に竹呂山を確認する

さらに舗装路を南に下るとすぐに林道の入り口にやってくる。下界だとこんなに近いんだ! 今回は反省することが多い。熊の生息する山に単独で、しかもルートのない所を歩いてはダメ。 糞を発見した時点で引き返す。竹藪は体中傷だらけになるし、何度も目を突きそうになった。 ダニもいるし、傷口から変な雑菌でも入ったら大変だ。

後で教えてもらった情報では、波賀町側の林道からが登りやすいとか。 地図と高度計とコンパス。熊よけスプレーも必要かもしれませんね。



それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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