地蔵菩薩と種子仏

所在地:加西市山下町

加西市のはずれにあり、県道からもちょっと離れているので 赤い幟がなければ間違いなく見過ごしてしまう。

石棺の蓋だろうか?屋根にみたてての祠があって、その中には二体の地蔵菩薩がある。 向かって左は舟形後背を擁した地蔵菩薩。銘文もあるが幾重にもある厳重な前垂れのため 読むことは出来ない。右は後背のないものである。首が折れていたのか、セメントでの 補強跡があった。実はこの地蔵よりも右矢印の石板の方に興味が湧いた。 下の写真をどうぞ。




幅が64cm、高さが72cm。これも石棺であろうか?右肩が大きく欠けている。 写真でもそうだが、実物も表面にはなんにも彫られていないように思える。 風化に伴う 表面の痛みがひどいが、少し凹んでいる部分を指でなぞってみる。すると像ではなくて 文字のような感じがする。赤のビニールテープでその軌跡を表してみると・・・。

思った通り梵字が浮かんできた。(実際は陰刻なので凹んでいるんですが・・・) 正面の大きい文字が阿弥陀如来を表すキリーク。 左は観世音菩薩のサ、右は勢至菩薩のサク。本来ならサとサクの位置は左右が逆である。 しかし小野市の浄土寺の国宝阿弥陀三尊像もそうなので、この地方独特なのかもしれない。

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