生野 七所庚申(梅ヶ畑)

所在地:朝来市生野町梅ヶ畑
七所庚申の石仏群の中で一番わかりにくいのがこの梅ヶ畑の庚申像だろう。 なんどか訪れて周囲を探したが見つけることができなかった。集落の入り口にある 日吉神社の境内が一番怪しかったのだがそこにもなかった。 集落の人に聞くのが一番手っ取り早いのだが、そういうときに限って誰もいない。 というか、現在2軒しかいないのが実情なのです。

さらに?私の悪い癖で、なんとかして自分で見つけてみたいという欲求があるのも 見つからない理由かも・・・。ところが、 なんの時だったか古い地図でこの梅ヶ畑周辺を見てひらめいた。 それには梅ヶ畑の民家裏からお隣の高路に抜ける峠道があったのだ。 もちろん現在の地形図には書かれていない。で、 きっとこの峠に違いないと確信を得る。


たまたまおばあさんがいたので聞いてみる。庚申の石仏と言っても通じないので 六本腕の仏様というとやはりそこだと言う。ヒルと熊に気を付けるようにと言われた。 高低差わずか30mほどの峠なのであっという間に峠に立つ。 峠にあると思っていたらそうではなく、右に向かう道があってその奥らしい。

屋根に覆われたお社が目に飛び込んできた。問題の庚申さんも右にあるのがすぐにわかった。 下山後さきほどのおばあさんに聞いたらこのお社は金比羅さんということだった。 村人がいないので長らくお参りもしていないらしい。

このお社を見て驚いたのは、同日この梅ヶ畑の前に訪れた大外の庚申仏の奥にあった お社とそっくりそのまま、うり二つのお社だったことだ(大外の社はなんの祭神かわからずだったが・・・)。 きっと同時期に建てられたのだろう。


屋外にあるが案外保存状態は良い。光の具合か、表情もよくわかる。 まゆと鼻の線がTの字になっていて、唇も真一文字で凛々しさが出ている。 上右手の持物は大外と形は違うが同様に錫杖のようだがこちらの上左手は宝輪だ。

踏みつけられている邪鬼はこちらのほうが表情が良い。

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