波田の読誦塔

所在地:三田市
栃木のTさんより紹介いただいて気にとめていましたが、ちょうどそこを通過する用事がありました。 国道176を氷上から南下していくと三田市に入ったところに波田橋がある。そのほぼたもとと 言っていい位置にこれはありました。
貴公子さん登場!後ろは虚空蔵山国道沿いに無造作に建つ

車を国道沿いのスペースに駐車して降りたとたん、見覚えのある車が目の前を通りすぎていく。 むこうもこちらに気が付いてか数分後戻ってきました。その方は山仲間の貴公子さんと言う方で、 山は勿論ですが私と同じく石仏も大好きな御仁です。これも石仏が取り持つ縁というものでしょうか? さっそく二人で観察です。石碑の横にはうっすらとした踏み跡が 山に向かってありますが穴口山へのルートでしょう。

写真ではなにがなんだか判らないと思いますが、肉眼でもほとんどなにがなんだか状態です。 目をこらして判る文字からたどってみます。真ん中には 『○奉 讀誦普門品』と彫られています。普門とはあまねく開かれた門という意味です。 普門品(ふもんぼん)は法華経の中の重要な教典の一つですが、一般には『観音経』と呼ばれ、 庶民に親しまれている観音信仰の基と言えるものです。

つまり観音経を声を出して読みましたという記念の石碑ですが、横手には『一万巻 観鷹■普』 『一万五千巻 別■了■■』とあることから一万回、一万五千回読んだ人?が建てたということ でしょうか?さらに横手にも文字らしきくぼみがあるのですが、まったくわかりません。 多分年号が彫られているのでしょう。貴公子さんも「拓本したら読める文字もあるやろけど、 目視ではむずかしいなあ」とおっしゃってました。 (上記文には間違って判読した文字があるかもしれません。ご容赦のほどを・・・)

表紙にもどる