上三草の磨崖仏

所在地:加東郡社町
国道372は通称『でかんしょ街道』と呼ばれ、姫路と篠山を結ぶ昔からある街道で、 その街道沿いには西国33箇所霊場である、法華山一乗寺、御嶽山清水寺があります。 この石仏があるのは上三草の集落の中、つまり旧街道沿いにあるので、きっと巡礼の人々に 拝まれたことでしょう。 そうそう、三草といえばすぐぐ近くには源平の合戦地である三草山もそびえています。

大きな岩盤の下部にそれはあります。小さな祭壇がなければ見つけられずに 素通りしてしまうでしょう。

舟形のくぼみの中に地蔵菩薩が蓮華座にすくっと立っています。 左手には宝珠、右手には錫杖を持ったオーソドックスな姿です。 素人の私でもわかるのはその下に願主を思われる合掌の夫婦の座像があることです。 向かって左が男性で右が女性でしょうね。

なんとこれには銘があるらしい。私の肉眼ではまったくわかりません。
永和元歳(1375)夘月廿四日 右志者為藤原□□行圓妻女
と、これは本から調べた刻銘ですが、年号からすると鎌倉時代後期です。 

その磨崖仏の横手にあるのがこの石仏です。 石棺の蓋を使用しています。阿弥陀如来と地蔵菩薩の浮き彫りですが けっこう肉厚があり、ドシッとした感じですね。 これにも刻銘があり(そのときはわからなかったのですけど)
永和四牛戊(1378)年□□白敬
やはり街道だけあって年代物の石仏でした。

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