黒甲越の大日如来

所在地:神戸市北区

兵庫カントリーゴルフ場の東隣に金剛童子山があり、さらにその東にこの黒甲越と 呼ばれる峠がある。それを北に抜けてもさらに山は深く続く。 谷を越えて次の登りになる頃、一つの表札が目にとまる。

『この坂を登り詰めると(0.2k)林道に出会います。(地蔵さんあり) それを左(西方向へ)曲がって下さい。』と書かれている。 実はこの石仏は黒甲越にあるのではなく、この林道出合いにあるのです。
たしかに林道と交わるこの地点に石仏はあった。ただ気になるのはその名前です。 『大日地蔵』と標識にも書かれている。北区の発刊しているハイキングマップにも この名前が書かれていた。

大日とは大日如来のこと。地蔵とは地蔵菩薩のこと。どちらも別個で使用されるもので 同じものではない。たとえれば・・・・、ある演説会場での状況を想像下さい。 今まさに総理大臣が演説をしようといていたその時に、客席から「いよっ! 大統領!」という声援が飛ぶ・・・・。こんなたとえでどうでしょう? 『大日地蔵』と名付けるのは、総理大臣に大統領と言っているようなもんです。


智拳印に宝冠をかぶった姿は大日如来そのものです。 手作りのお堂のために光背の裏側が見えませんが、そのお堂の側板にマジックで 『安永八年(1779)』と書かれていました。 この林道を北に下っていく途中にはもう二体の大日如来がおられます。


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