長楽寺の石幢

所在地:加古川市

加古川市の志方町にある長楽寺。後ろに 大藤山がそびえている加古川の古刹です。扁額にも大藤山と書かれていました。

市の設置した案内板があった。『浄土宗の寺院で、和銅6年(713)慈心上人の開基です。 高倉天皇が中宮建礼門院の安産を念じ、丹波老いの坂の地蔵尊に祈願をされました。 すると、いとも簡単に玉のような皇子を拾い上げたことから、平清盛に命じて、全国六十余州の 国々に一体ずつ安置させたものが、本尊の「木造地蔵菩薩半跏像」(重要文化財)です。 「谷の子安地蔵」として安産祈願に訪れる人が絶えません。・・・・』とある。

残念ながら今回はその重要文化財を見に来たのではありません。階段を上がったところに石仏などが 積み上げられたところがあります。目的の石幢はそこにあります。


この石幢にも案内のプレートがある。『この石幢残欠は、自然石の上にすえられ、上にも自然の石が のせられているので、見たところ石灯籠の形になっているが、火袋にあたるところがいわゆる 重制六面石幢の塔身である。この塔身はもと加古川町内にあったものと伝えられている。石英粗面岩で 塔身の高さ27.5cm、六角形の各部の幅は上部で10.9cm、株で12.3cm、二重光背形輪郭の中に六地蔵の 立像を刻む。摩滅がひどく明確を欠くが、合掌、棒珠、持錫等の姿をしのぶことができる。 室町時代後期の作と推定される。加古川では数少ない重制六面石幢の一つである。』

石幢は須弥壇に飾られる布製の幢旙(どうばん)の形を石造物にしたものという説がある。 形態には単制と重制とがありますが、重制石幢は燈籠の火袋部分にあたる龕部(がんぶ)に、 仏像を刻まれているものをいいます。

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