岩屋観音ご開帳

2013年 4月18日

朝来にある鷲原寺岩屋堂のご開帳は毎月18日だというのは以前から知っていたが休日と重なる チャンスがなくて?今日に至るまで行くことができなかった。 たまたま休みが取れそうだったので平日ではあるが作畑ガールの誘いにのって岩津へ向かう。

ちなみに4月は春の大祭なので他の月よりは賑やか??

道路が出来て便利になった

数年前までは谷の参道を登っていったのだが、今は車で上れる舗装路がある。お年寄りには 便利になった参道です。正面に見える大岩の 下に岩屋堂がある。昔、あの岩の周辺をちょっと探索したことがあるが、こんな所に!というような箇所に 五輪塔があったりした。あの大岩のてっぺんにはひょっとしてお宝があったりして・・・。
2010年ころきれいに改修してた

村人が参拝に来るのでいつもは閉まっている社務所も開いて護摩木の販売を受け付けていた。 作畑ガールはその護摩木を購入して切実な願い事を書いていた。

危なっかしい石段を登り切るとお堂がその全貌を現してくる。 昔はけら類によって穴ぼこだらけだったが今はきれに補修されていた。

入り口もきれいになっている岩盤には水が滴っている

中に入ると右手両側に階段があってそれを登ると回廊となって護摩壇のある本堂がある。 すごいのは、岩盤をしたたり落ちている水をすくって飲む為のスプーンが置いてあるのだ。 御利益があるのか、お腹を壊すのかはその人の日頃の行い次第らしい。
護摩壇の奥の幕の向こうが問題だあ!

この部屋をなんて呼べば良いのかわからないが、すでに鷲原寺のご住職も待機されていた。 村の信者をはじめ、ちん入者である我々も護摩壇の裏にある岩窟へ足を運ぶ。垂れ幕の裏手にはドアがあって そこを入る。

驚きなのは、そこは案外と広い空間だったということ。小さな電灯一つとろうそくだけなので、撮影には 苦しい。というか、撮影出来るとは思ってなかったのでたとえ真っ暗でもシャッターを切れるのはうれしい。

ただ、信者の方もここでお祈りをしているので、三脚を立てるとか、ストロボを焚くというのは マナー的に許されない。ボケるのを覚悟で手持ち撮影が最低限のマナーだ。

すごい石仏群!!秘仏です

16体の石仏が安置されている(うち1体は磨崖仏)。心阿という石工が鎌倉後期である永仁四年(1296)に 作ったものだそうだ。石仏というと普通は野外にあって誰もが自由に見たり拝んだりできるものだが、 ここのは秘仏扱いで、今日のような決められた日だけ拝観ができる。それは不自由でもあるが、それゆえ700年以上経っても 無事にあるのも事実だ。
伝、法道仙人像

一体ずつじっくりと眺めたいのだが、足下は靴下で岩は濡れた所もあるし、誤って石仏を傷つけたりすると 大変なので、入り口付近から移動することは慎みたい。

中でも特に見たいのは(伝)法道仙人像だ。私自身は法道仙人に並々ならぬ関心を持っているし、書物はもちろん、 関連する聖地、寺院も多く訪れている。その私がひいき目に見てもこれは役行者のように思える。 左右の脇に控えているのはその姿と、持ち物から前鬼、後鬼そのものだ。

鷲原寺の開基が法道仙人なので後世の人がこれを法道仙人と言い伝えてきたのか、 あるいは心阿自身は法道仙人を彫ったのだが参考になる絵像がなかったので役行者風になってしまったのか・・・。 そういう疑問に答えてくれる人はいないものか・・・。

馬頭観音像拝観とは観て拝むことなり

改めて洞内の石仏群を確認すると、千手観音を中心に弥勒、虚空蔵、地蔵、普賢、文殊の五菩薩。 聖、如意輪、准胝、十一面、馬頭の五観音(主尊の千手を加えると六道を救済する六観音だ)。 阿弥陀、釈迦、大日(磨崖仏)の三如来。 それに加えて不動明王、法道仙人とで16体となる。
当然お経も読む木魚のリズムで軽やかに?
お経に合わせて護摩木を焚くその煙を身体に

石仏の写真だけ撮して帰るなんて失礼なことはできない。やはり拝んで、お経を あげてこそ石仏(仏像)マニアと言える。読経の時間もなかなか楽しかった。 お供えのお餅もいただいて帰路につく。こんな楽しいならまた来てみたいものだ。


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