真空管アンプ製作記

はじめに・・・

今は休みごとに山に登っているアウトドア人生ですが、昔はそうではありませんでした。 とりあえず汗を出すことが嫌いで、日に焼けるのも嫌い、いわゆるインドア派の典型。 一日本を読んだりしていました。中でも興味があったのが今で言うオーディオ。 親戚のお兄さんが自作で真空管のアンプやらスピーカーを組み立てていたのを子供の頃から 見ていたので自分の家にもステレオがあればすばらしいだろうなあと想像するのでした。 ただし、子供ですからお金がありませんから電気店で眺める毎日。

中学から高校にかけて よく読んでいたのは、『ラジオの製作』、『初歩のラジオ』その後は『電波科学』。これは毎月購読していましたね。 それ以外にもマニアが愛読する『無線と実験』、『ラジオ技術』などなど・・・。 いまその本の題名を見直すと、すべて電波に関するものですが、当時はオーディオ最盛期だったこともあり、 記事のほとんどはアンプやらスピーカーの製作に関わる物でした。

それらの雑誌の助けも得て製作したアンプは10台以上になるでしょうか。 スピーカーも5セットほど作りました。 最後は80インチのスクリーンに液晶プロジェクター、ドルビーサラウンドで 映画を観るまでになったのですが・・・。それをピークに徐々に熱はさめていきました。

毎年出てくる新技術、新製品を追いかけるのに疲れたのか、 あるいは当時それほど夢中になる音楽がなかったのか。 思えば、クリスタルピックアップのレコードプレーヤーに2台の 真空管ラジオのAUX入力につないで初めて聞いたステレオ(S&Gの曲が4曲入ったEP盤で 33回転のミニアルバム)は それはもう感激でした。それがいつしか 装置が肥大するのと反比例で感激が薄れていくような感覚でした。

その後、 ほとんどカーステレオしか聴かなくなっしまいましたが、 久しぶりに部屋のオーディオに火を入れてみたらなんとか音は出ます。 上から下までほこりだらけで親からははやく掃除をしろと言われ続けていたオーディオラック。 きまぐれに?今年はこいつをリフォームしてみようかと思い立つ。 さっそくラックの中を整理する。

聞かなくなったチューナー、カセットデッキ、DSPなどをはずして、 結局残ったのはCDプレーヤー、ボリューム付き入力セレクター、自作メインアンプ(トランジスタ製)、 自作スピーカーという必要最小限の構成。 ラックはばらして粗大ゴミとして処理。この構成で 聞き直してみるとまんざらでもない音であった。が、 アンプがそうとうくたびれ感が出ているようだ。

そこで自作の虫がむずむずしてきた。十年ぶりでアンプを組み立ててみたくなる。じゃあ、 最近流行のデジタルアンプを組んでみるか?いやいや団塊の世代で人気が復活している 真空管アンプにしよう!!

その2へつづく・・・。




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