はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『味取』を参照していただくようお願いいたします。 2016. 7.31. 日曜日 晴れ 気温 暑い
ブナが見たいなあと思いTQFさんを誘って表題の山へ行くことに。ところが 出だしも出だし、スタート前に大しくじりをしてしまい小城に到着するのが遅れてしまった。 しかも暑さもあって結果としては超ショートコースとなってしまったが、まあ これはこれで良しとしよう。
スタート地点に考えていた香美町小城へどう行くべきか。地形図を見て三つのルートを
見つけた。まずは妙見蘇武林道だがこれは距離が長すぎる。二つ目は村岡区和佐父からの道だが山中を
うねうねとしているようでキャンセル。で、同じ香美町村岡区の山田を通過する道を行くことにする。
山田の集落を抜けると上のような分岐があった。どちらにも小城の文字はなかったがつい右に行ってしまう (だって、左側は通行止めってあったし・・・)。 その道はダートの悪路でカーナビはすでに自分の位置を見失っていた。そこでガーミンのハンディGPSをみると まったく思いも寄らない所を走っていて到底小城には行き着けない。そこでUターン。 先ほどの分岐まで戻って左を行く。時間的にはけっこうなロス。これで一安心だと思ったら こちらも悪路だった・・・。舗装はしているものの路面には落石が散乱。そして道幅が狭くて右側には ガードレールもなく、ヘタすると渓谷に転落しそう。『落石注意』の看板があるが『落車注意』に書き直したい! 先ほどの分岐にあった『行き止まり・・・』という文字が脳裏によみがえる。はたして小城まで行けるのか??
動画にもあるように小型車がぎりぎり通過できるだけのこの道は県道扱いだが、そもそもは昔からあった
人が通るだけの道を拡幅しただけのものらしい。キンマ道としても利用していたと資料にはある。
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別途地図の『あ』地点 | 車中から廃村を見る |
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ようよう『あ』の三叉路までやってきた。振り返ると先ほどまでの道に『車両通行困難』の看板が・・・。 帰りは絶対この道は使いませんと誓い合う二人。小城の集落は思ったとおり荒れていて 人が住んでいる気配はなかった。車から降りずそのまま通過。
舗装路を駆け上がると蘇武・三川の林道と合流。道幅と路面からしこの道路で小城まで 来るのが一番確かのようだ。とりあえずここに駐車。小城越えの古道はすぐ目の前だったので まずは八坂神社へ行ってみる。 |
補強されている覆屋 | 正面から見る |
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この八坂神社は天保九年(1838)に小城の住人が京都祇園牛頭天王を勧請したことによる。そして、 同十二年にその本家が疫病に罹ってしまったため件の牛頭天王に祈願したところ全治したという。 そのこともあって村総持ちの神社となった。
以来、霊験あらたかとして周辺の村々からの信仰も深く、毎年ある祭礼では
大いに賑わったとある。が、明治二年には神仏分離の政策により八坂神社と
改められ祭神も素戔嗚尊となってしまう(京都祇園社が八坂になったことに倣ってだが、なんとも
ひどい話だ)。
さらに明治十四年には荒神社と再度の
改名されてしまったが現在は八坂に戻っている。周辺にある祇園社もこの悪法により同様の運命を
辿っていると想像できます。
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中にある本殿 | 無残なイタヤカエデ |
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境内には明治の石灯籠、大正の狛犬、石灯籠などが残っている。覆屋の中には 明治の頃の寄付芳名板などがある。境内はさすがに古木が多いのだが 残念なことに平成3年に村岡町名木に指定されたイタヤカエデの大木は枯れてしまい幹から折れていた。 |
最初はわかりにくいがほどなく道が出てくる | そして周囲はいつのまにか雑木ワールド |
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11時10分。改めてスタート。最初はちょっとわかりにくいが徐々にはっきりとした 道になってくる。すでに周囲は雑木だらけだ。もうここだけで満足。
まもなく『A』地点。書物にある「大城ケ平」とはこの辺を指すのだろうか? この近くには関所のようなものがあったらしい。 集落の名前である小城(こじょう)は城があったというのが由来なのだが、 周辺を調べても城跡らしいものがなかったらしい。件の書物ではこの関所を城というふうに 見立てての村名にしたのではという解釈だった。 |
まもなく『A』地点 | 『A』地点に着きました |
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『A』地点に到着。 ここには『ブナの原生林 ここから500m』の看板が転がっている。ふつうに考えたら ここから山頂へ向かって登れという看板なのだろう。小城集落に来るまでの時間のロスと 空腹ということ、時間もお昼前なので707標高点でランチ休憩とする。 ランチしていると、ここから北向けにすごく良い道があるのを確認。下山はピストンでなく この道で舗装路に出てみよう。 |
『A』地点から登り始める | ブナが出迎えてくれる |
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傾斜は緩やかになれば広い山頂部となる。三角点を目指して前進。周辺の木々は 雪のためか根元で大きく曲がっているものばかり。 |
山上湖の痕跡 | 切り開かれた山頂 |
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ぬたばと思ったのは山上湖の痕跡。昔は池になっていて貴重な植物もあったという。 三角点はその先にあったがそこは大きく伐採されていて、周辺のしっとりとした 雑木林とは異質な乾燥した場所だった。
標高831m、三等三角点、点名『小城』。この点名をもってしてこの山を小城山と
言う人がいるが『丸ズッコ山』というのが裡称ではないかと思う。
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山頂から見える三川山 | 下りのルートもブナ |
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下山は豊岡市と香美町の境界を下る。下りきった所が小城越という峠だ。 山頂がフラットなのでこの境界は見つけにくいがGPSのありがたい効力で難なく たどれる。
小城越は峠というには想像以上にこじんまりとした所だった。小城方向はしっかりとした道だが 日高方向はほとんど消失しかかっている。 そんな道だが昔は村岡の人たちはこの峠を抜けて日高から鉄道を利用したという。 したがって小城の集落もそれらの行き交う人々で賑わっていたわけだ。 |
峠付近のブナ その1 | 峠付近のブナ その2 |
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山頂から三川山方向を見たとき、湿度の高い風とともに雨の雰囲気がしていた。 もう少しこのブナの山塊をうろうろしたかったが、峠から『A』地点へ戻ることにする。 このしっかりした道は峠への古道を作業用に改修したもののようだった。 |
『A』地点までは作業道のような道 | 『A』地点からの下山道は自転車道だ |
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上の写真にあるように『A』地点からはピストンで小城集落へ戻らずに 707標高点からある道に入ってみた。 すると驚くほど良い道でMTBが欲しい。 |
乗れ乗れです | 舗装路が見えました |
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実際にMTBならあっという間で舗装路に降り立つのだと思う。が、ブナの森でお茶して 鳥のさえずりに癒やされて、 ちょっとしたダウンヒルを楽しみたいなら山頂まで行かずともこのルートが良い。 降り立った所は基幹林道『三川線』で正面に広場がある。 |
『三峰』の碑駅というらしい | ○印にある民家は住んでいるようにみえた |
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なんのための広場かわからないが、とりあえず地図などもあってだだっ広い。 地図を見ると但馬妙見から蘇武、三川を通って香住の直前まで林道が延びているようだ。 恐ろしいことをするで兵庫県。 ここから駐車ポイントまではすぐ。13時ジャストに到着。 さすがにあの悪路で帰るわけはなく基幹林道『三川線』をありがたく利用する。 途中にある『秘境・小城集落展望駅』というのがあったので、そこから見下ろしてみると 生活感のある民家が見えた。 さて、今回は超ショートコースだったが、いずれロングコースでブナを楽しんでみたい。
今回の小城ブナ原生林の地図は
こちら(約150k)
でごらんください。 |