岩崎を巡る尾根

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『篠山』を参照していただくようお願いいたします。

2015. 2.15.  日曜日  曇り  気温 寒い

去年の12月に山友のTQFさんと 槇ヶ峰〜谷山城趾 を歩いた。この山を選んだ理由はいろいろあるが、その一つに東に延びる稜線に MTBで遊べる道があるかどうか確かめたかったことがある。

その結果、槇ヶ峰から谷山城趾までの稜線はそこそこ有望な尾根だったがいくつかあった分岐の その先が気になった。後追いで登った新川氏も同様に感じていたようで、 今回は新川氏と同行でそのコースを探索してみたい。

岩崎春日神社がスタート浄念寺方向へ歩く

いわゆるピークハントとはまったく違う我々の山行きスタイルだが、里山に存在する、いにしえの村人たちが 残した道を探るのは宝探しのようで楽しい。従って同じ嗜好の新川氏と歩くのはなんの違和感も無い。 岩崎集落にある春日神社(なぜか篠山には春日神社が多い)で合流してまずは前回見つけた薬師池へ向かう。

前回、薬師池から岩崎集落へ下る道(3本ある)は見つけたが、集落のどこに降りているのかは私には わかっていない。新川氏はそのうちの1本をMTBで下っているので取り付きはわかっているという。 後ろにくっついて歩く。思っていたのとはまったく違う方向なので面食らったが途中には浄念寺がある。

義経一行が京都から三草山へ向かう途中、ここで山中にある極楽寺をはじめとする千軒坊を焼き払ったという。 そのさなか難を逃れた薬師如来がこの寺に安置されたという。ネットで調べると本尊は阿弥陀如来(浄念寺は浄土宗)と なっており、村人から聞いたこの薬師の逸話の真偽は不明。(^_^;)

村の人でないとぜったいにわからない道だ虚空蔵の祠で・・・

民家のすぐ横手を通ったりして、ほんとにこっちでええん?と思うような小道を行く。初めてなら決してわからない ルートだが山道になってすぐ左手に虚空蔵の祠があった、しかも薬師池にあったのと同じ手製標識がある。 まさしくこの道が薬師池に行く道に間違いなかった。

虚空蔵の小さな祠には施錠されているのでご本尊を拝むことはできなかったが、虚空蔵の真言が印刷された 紙がぶら下がっていた。この真言を100日のあいだに100万遍唱えることができると超人的な 記憶力を得ることが出来る。そのためか、子供が13才になったおりに行われる十三参りは別名知恵参りとも 言うらしい。この村でもそういう行事があったのかも。ちなみに私は十三参りをしなかったために知恵を得ることが いまだ出来ないままです。

山の神にも寄り道するこの先から薬師池までは乗れ乗れだ

山の神の祠もお詣りして、 長かった谷の登りも終わが近い。ここから山腹を巻く道が薬師池まで続く。ほとんど高低差が 無いのでMTB的には乗れ乗れだ。すると右手から道が下っていているのを発見 。前回のレポートで見た 下り分岐(前回の地図の『D』)がここと合流しているのだった。やっぱり何度も足を運ばないと 発見は無い。
薬師池分岐に到着。薬師池は新川氏の後ろ

薬師池分岐に到着。こうやって里からここに来ることによって、なるほどこういう峠道だったのかと 初めてわかる。ここは岩崎と真南条を結ぶ峠なのだが、新川氏によると真南条(いうところのでかんしょ街道)への下りは藪だそうだ。 この峠薬師池があり、ちょっと西には義経に焼き討ちされた寺跡もある。

そして写真のようにいくつかのルートの合流点でもある。 岩崎へ降りている白い矢印はこの後に歩くことになる。とりあえず前回と同じ谷山城趾へのルートを 辿るのだがその前に薬師池をちょいと見てみよう。

梵鐘が沈められているという薬師池サルノコシカケならぬハゲノコシカケ

この薬師池にも逸話があって、焼き討ちにあったとき寺の梵鐘をここに沈めたという。 今回はわりと水量もあって水面が見えている(前回は水草だけで水面が見えなかった)。 写真に写っている脳天気なオヤジもこの池に沈めた方がいいかも・・・。

ここからとりあえず谷山城趾方向に進むが、すぐに分岐があってそれも岩崎方向に下っている。 今回ここは降りなかったがどうやら岩崎集落の奥にある大谷池に降りているようだ。 その大谷池分岐から稜線を辿らずにほぼ廃道状態の巻き道を行く。

稜線に乗っかってから前回レポートの『G』の分岐(谷山城趾と岩崎北尾根)までは ゆるい登りが連続してある。新川氏が言うには力のあるMTB乗りなら難なく乗って登るらしい (私には無理)。 問題の分岐は普通に歩いていれば自然に北尾根に入る。

実は、うだうだと話をしながら歩いたので下山までの写真がまったく無い(途中、携帯で動画を撮ったりしたが)。 件の分岐からは最初小さなピークがあるが、それ以降はずべて下りばかり。等高線をみてもわかるように さほどきつい箇所も無い。新川氏曰く、ここは乗れ乗れに変身する尾根だそうだ(現状は倒木などあり)。

宮山公園は城跡らしいちゃんと標識もある『しんど池』

下山後(尾根からの下降ポイントを見つけるのは難しい)『宮山公園入り口』という看板を見つけて階段を上がっていく。 どうも城跡のようだが明確な遺構はないので単なる展望の良い丘のような感じが強い。ここで昼食をと 思ったが小雨模様なので神社に戻ることに。

降りた所にはもう一カ所おもしろい所がある。『しんど池』といい、義経が山中の寺々(千軒坊)を焼き払って下山後、 乾いた喉をここで潤して「ああ、しんど」と言ったとか、言わなかったとか?こんな小さな集落だが見所満載だ。 神社で小雨の中昼食後、再度薬師池に行くことに。

ボブスレー下りそれを走る新川氏

小雨の中、再度薬師池まで来たのは奥池へ下るルートを歩いて確認したかったからだ。 するとここはU字に掘れたいわゆるボブスレーコースだ。 倒木が無ければ高速コースだ。
最後までボブスレーだった池に出る

大谷池コースも確認したかったが天気も悪いしこれでお開きにする。 なかなか有意義な山歩きでした。

今回の岩崎を巡る尾根の地図は こちら(約80k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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