五台(岩谷)山〜〜盃ヶ岳

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『宮田』を参照していただくようお願いいたします。

2014.12.30.  火曜日  晴れ  気温  ふつう

ここんとこ法道仙人シリーズが続いているので今年最後の登り納めもこれに関連した山にしようと思う。 ターゲットは篠山市にある岩屋観音から続く尾根歩きだ。 スタート地点に決めた東窟寺の駐車場から9時スタート。
東窟寺の駐車場からこんなルートで観音堂へ行きます

いくつかある小さなお堂を見ながら歩く。鉄橋と金網の向こうに春日神社がある。とりあえず春日神社はパスするが、 ほんと篠山には春日神社が多い。いったいいくつあるのか、またどういう関連で多いのが調べている人も いるのだろうか。
めずらしい姿の地蔵般若経塔。その上に鐘楼跡がある

小さな、小さな不動滝があって、当然ながら不動明王の石仏もある。それらは最近のものだが、その横にある 地蔵菩薩立像が珍しい。なんと両手にある持物が不動明王と同じ剣と羂索なのだ。 光背部分にある文字は『元治元年(1864)子八月吉日』とあった。剣を持った地蔵というと勝軍地蔵(愛宕の本地仏)を 思い出すが、左手に羂索を持ったのもあるのか帰宅後調べてみるとその例があった。

害獣避けの扉を開けて観音堂への参道を行く。途中にはいくつもの削平地がありそれ、それぞれ『阿弥陀堂跡』、 『薬師堂跡』と標識がある。唯一『般若心経塔』の標識奥には立派な石碑が残っている。この石碑の上部にも 削平地がありそうに見えたが、参道をちょっと行くとその方向に向けて『鐘楼跡』の標識があった。 ここもパスしたが後で行けば良かったと後悔することになる。

すごい石垣が見えてきたこれらの大岩が五台山の名前の由来

閼伽水の水場を過ぎて石段になると正面にすごい石垣が見えてくる。あれが観音堂なのだろうか。 『にらみ岩』のあいだをすり抜けて左手上には大岩もあった。寺の縁起には『五臺山の山号は、山の五層の岩盤が中国の 五臺山と似ていることが由来』とある。
石垣の横を歩いてこの階段を上る
階段登って右手が鐘楼左手に観音堂と岩窟

階段を上って右手が十王を祀ったお堂と鐘楼。さっそく鐘を撞かせてもらう。大晦日にはここで除夜の鐘を 撞くらしいが、真っ暗な山道をここまで来るのは大変だ。しかし、山の中腹から響く鐘の音はさぞ遠くまで届くだろう。

階段から左手奥には観音堂がある。本尊は十一面観世音菩薩、脇侍には不動明王と毘沙門天王と 天台宗にはよくある三尊だ。ここが大化年間に法道仙人が開基した場所でもある。

法道仙人のいる岩窟そこから観音堂を見るとこんな感じ

その観音堂の真裏上に法道仙人の石仏が祀られている。この岩窟にはもともとは九匹の大蛇が住み着いていて 住民に仇為すために仙人が教化したという伝説が残っている。その岩窟へよじ登ってみる。
お寺の話では江戸時代のものじゃないかと・・・

今までいろんな法道仙人の像を見てきた。中には役行者に似せたもの、あるいは役行者そのものを 法道仙人と言ったものとか・・・。が、ここのはおもしろい。上から順に見ると、 無髪で笑顔のように見える表情。あごひげをたくわえ、木の葉の簑を羽織っている。見たことも無い印相で 腰縄はなにかの蔓だろうか。右足を後ろに引き立っている。この姿を考えた人は想像力豊かな人だと思う。
観音堂からまっすぐに急斜面を登る頂上付近は平坦だ

登り口の標識はあるものの踏み跡は薄くどこが道だかわからない。ともかく上へ上へと行くしか無い。 (正規ルートは別途地図にある『E』へと続くグリーンのルートのようだ) 一旦尾根に出るとあとは楽ちんだ。 三岳への分岐を過ぎ、山頂には10時20分着、標高589.4m、三等三角点、点名『藤岡奥村』。 標識には五台山とあるが岩谷山とも言うようだ。
山頂です岩屋観音分岐『E』を通過

頂上では写真を撮るだけで立ち去る。少し歩いた所に『岩屋観音』の標識があった。観音堂から間違わなければここに 出てくるはずだったと思う。ここから急斜面の下りが続く。その下りが終わった所に分岐『F』がある。
地図にある『F』の分岐498分岐

地形図では四差路だが見る限りは三叉路のように見える。引き返す方向に見えるその道は 地形図で確認するとちょうど鐘楼跡に行っているようだ。ここで鐘楼跡に寄らなかったことに 後悔する。昔は藤岡と恒屋を結ぶ峠道だったのかもしれない。ここを歩いたハイカーはいるのだろうか?

五台山からここまで要所要所に立派な標識があった。それは三岳への縦走路を示すものだ。 オオタワから歩いたとしてもなかなか歩きごたえのある距離だ。

498ピークは三叉路になっていて、右の尾根を行けば法連坊山方向、正面を行けば盃ヶ岳だ。 最初考えたルートは盃ヶ岳から春日神社へ下るというものだったので法連坊はパス。

盃ヶ岳です

盃ヶ岳には11時40分。山頂の手前で堀のようなものがあったり曲輪跡もあったので、 ひょっとして山城跡?帰宅後、笹倉さんのサイトを見るとやはりそのようだった。

展望を期待していたがそれは全くなし。小さな祠(中はからっぽ)とテーブルとベンチがあるのみだった。 とりあえずお昼にして休憩。目の前に見える標識には春日神社へ降りるルートとユニトピアへ行くルートを 示している。東窟寺へ戻るにはどちらにしても長い舗装路歩きが待っている。 ええい、ついでだからユニトピアまで行ってみるか!

テレビの受信施設跡両側が切れ落ちている

先ほどの498分岐からこちら側はユニトピアが整備しているのかとても歩き良い。というか、 トレイルランはもちろんMTBでも遊べそうだ。ただMTBの場合ここまで担ぎ上げるのがたいへんだけど・・・。

途中にかなりでかいTVの受信施設跡があった。中を見ると増幅器などはすべてナショナル製。そういえば ユニトピアはナショナル(現パナソニック)の保養施設だそうで、自社製を使うのは当然といえば当然。

両側が切れ落ちた細い尾根の所がある。特に右側はなにか人為的なものを感じる。これも 城郭の一部なのかも。ここをMTBで走るのはちょい怖い。

地形図の等高線である程度は予想していたが、急下りで一気にユニトピアへ降りていく。あまり良くない膝が 悲鳴を上げそうだ。

アスレチックの施設に降りてきました施設内の道路に出る

アスレチックの施設へ下山。12時半。見るとおもしろそうな遊具なので、これにぶら下がって下山完了の写真を撮ろうと思ったが まてよ、ひょっとしてこれが有料の施設で勝手に使っているのを係員に見つかったら洒落にならないと思い やめた。

やはりアスレチックの施設は有料で、さらにこのユニトピアに入園すること自体有料なのが判明。山から下りてきた私は どうなる?とりあえず何食わぬ顔でゲートを出る。 あとは村々の神社を寄り道しながら長い舗装路歩きで東窟寺には14時20分着。

今回の五台(岩谷)山〜〜盃ヶ岳の地図は こちら(約130k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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