"> 辻の毘沙門窟

辻の毘沙門窟

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『福住』を参照していただくようお願いいたします。

2013. 3.10.  日曜日  小雨  気温  寒い

一週間前にこの辻の集落を起点に弥十郎ヶ嶽に登りました。北摂の落ち武者新川氏も同じ日に登っているのですが、 彼の目的はMTBで乗れるルートの探索。当日、雪も残っていたしで彼らのもくろみはほぼ空振りでしたが、 やまあそはきっちりと歩きにも良し、MTBにも良いルートを発見。 それはさておき、この辻にはいくつもの遺跡、史跡があるのを後に知る。 今回はそれらの見学と新たな弥十郎ヶ嶽へのルートを探してみたい。
辻集落の入り口にあるイラストマップ

篠山に近づくにつれてポツポツと小雨がフロントガラスにつき始める。お昼までは大丈夫と 思っていたので今回も弥十郎の頂上まで行くつもりだったがどうも無理っぽい。 R-372の旧道の集落入り口には詳細なイラストマップがあった。

まずは先週と同じく四本杉の入り口へ車を進める。ところが前に2台の車が同じ方向に向かっており、 どうやらハンターのようで四本杉入り口に駐車していた。しかたなく通り過ぎて、林道の脇に止める。 準備をして8時50分スタート。

四本杉の全貌人物比較ででかさがわかる

トータル4台ほどで来ていたハンターたちは稲荷社の奥へと向かったようで、電撃柵は開けっ放しのまま 稲荷社は無人だった。とりあえず4本杉の写真を撮す。前回はアングルがよくなくて4本がちゃんと 写っていなかった。稲荷社の鳥居奥にある石の常夜灯には『安政六未(1859)四月』の銘があった。

この稲荷社の近辺に安養寺と呼ばれた廃寺跡があるらしい。それらしい所を探してみるが、これはというものは無かった。 資料によると古い墓石があるらしい。 電撃柵に囲まれた耕作地跡があるがどうもこの付近が怪しい。

郵便道の始まり弘長寺跡

車を止めた林道をそのまま奥へ行ってもいいのだが、辻川の左岸にある旧道がおもしろい。 ここは昔、郵便屋が通っていた道で原集落、篭坊温泉への配達ルートとなっていた。 昔の郵便屋さんはすごくタフなのだ。 途中にはいろんな遺跡、史跡が残っているのもすごい。 まずはただの耕作地となっている弘長寺跡を素通り。
奥山の地蔵中はごく普通の地蔵菩薩

暗い林道の向こうに鮮やかな幟が見えた。標識には奥山の地蔵となっているが、 正確には塔ノ谷地蔵尊という。その先には馬場寺跡がある。ちょっと登った平坦地がそれのようだ。 ここにも墓石があると聞いていたのだが見つからなかった。 こんな小さな谷にいくつもの寺跡やら砦跡、宗教遺跡があるのはおどろきと言うほかは無い。
馬場寺跡広い林道となる

雨は小雨で間断なく降っている。気温はさほど低くないのでレインウエアーを 羽織っていると暑い。大きな堰堤をすぎてしばらくで毘沙門窟の入り口となる。 旧道ではなく林道だけを利用しても普通乗用車でもやってこられるほど路面は良い。 毘沙門窟入り口をちょっと過ぎた地点で駐車できる広場もある。
毘沙門窟の入り口

案内板、石の階段、石灯籠、木製の鳥居とそろっているので入り口を見逃すことは無い。 石灯籠は一基しかなく裏には『慶応二寅(1866)年』とある。毘沙門天は仏を守護する四天王のうちの 一人だ。それに鳥居があるっていうのがなんともアバウトな感じもする。

毘沙門窟への参道は谷で、しかも雨ということもあって、とにかく真っ暗。これがお昼前かと 思うほどだ。風はビュービューなっているし、なんとも気味が悪い。

毘沙門窟に到着

毘沙門窟は洞窟ではない。庇のように岩盤がせり出している(逆の発想で言うと、岩壁がいくぶん 凹んでいるか?)。鳥居の奥には小さな社があって、中には毘沙門天の像がある。 そんなに古いものとは思えないが木造で、儀軌にのっとっていない非常にユニークな姿をしている。
毘沙門天像如来像だと思う

とにかく真っ暗でハンディーライトを当てながらでないと写真が撮れない。 岩盤にはいくつかのくぼみがあって、空っぽのもの、何かの基台だけが残っているもの、 社の上のくぼみには如来と思える石仏があった。

このあたりから急に気温が下がってくる。長居せず林道に降りた。本来ならここから考えていたコースで 弥十郎の頂上へ行くつもりだったが、この寒さなので(当日、落ち武者新川氏は六甲で 凍死しかけたとか・・・)その計画はキャンセル。とりあえず考えていた取り付きポイントだけ見に行く。

勘助屋敷跡へ

林道が大きく左へ曲がるポイントが要注意。標識にある『山の郵便屋さんが通った道』は左に折れる方向。 『勘助屋敷跡』は正面を行ったところすぐにある。その裏手から谷に沿って明確な道がある。 途中まで歩いてみたが、これが中程で尾根に上がるようであれば有効な登山道となる。 もしリスキーと感じるなら最初から尾根に取り付けば難なく?頂上まで行けそうだ。

それらを想像しながら林道を下る。駐車ポイントには11時15分。早々に帰路につく。

今回の辻の毘沙門窟の地図は こちら(約120k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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