はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『戸倉峠』を参照していただくようお願いいたします。 2013. 7. 7. 日曜日 曇り時々小雨 気温 暑い
飲んべえ二人(OAPさん、TQFさん)が山に行くというので同行させてもらうことに。「ルートはやまあそさんが決めてよ」と難題を 吹きかけられるが、殿下コースを探したいというヒントをもらったので今回のルートを決定。 しかし、いつもの悪い癖で前回のレポート を復習していなかったために殿下コースの謎も解けないまま下山となった。
スタート地点は29号線からやまめ茶屋方向へ入ったすぐの空き地。渓流釣りの人がよく利用している場所だ。
9時40分スタート。天気は早朝に雨が降っていたようだが徐々に良くなるだろうと勝手に判断する二人。
|
やまめ茶屋の手前の橋を渡る | ボンネットバス♪ |
---|
坂の谷川に掛かる桂橋を渡って林道『宮ノ後線』を行くのだが、二重に鎖やロープが掛けられており 車での進入(あるいは人の侵入も?)はできないようになっている。林道を歩き始めて 川向こうにあるやまめ茶屋の敷地を見るとクルミ(たぶん・・・)の巨木があり、その下には 昔懐かしいボンネットバスがあった。やまめ茶屋の送迎用らしいが実際に走っているのをOAPさんは 見たことがあるそうだ。 |
もうちょっと奥から登るのが楽 | TVケーブルに沿って登る |
---|
まずは点名『十年』という三角点ピークを目指すために、そこへの最短コースになると思われる支尾根に取り付く。 谷の入り口には取水施設と思われる建家が目印になる。斜面をよじ登って支尾根に立つと歩きよい尾根だとすぐにわかった。 それもそのはずでTVケーブルが敷設されている。 |
雑木林が連続する | 965にアンテナ跡 |
---|
傾斜は急だが植林はされておらず、雑木の連続する良い尾根だった。その 965のピークにアンテナ跡があった。 方向は道谷のほうだと思われる。ブースターも半導体仕様なので比較的最近のものだろう (製造年月日は未確認)。それにしてやまめ茶屋一軒のためにそうとうの工事費が使われたと思うのだが・・・どうなんだろう。 |
中央分水嶺を行く | ブナにも出会えた |
---|
前回気がつかなかった山上湖を右下に見ながら町境界尾根(中央分水嶺でもある)には10時55分着。 ここまで利用した支尾根はMTBでも充分下れそうだったことは記憶にとどめていずれ利用してみたい。 1039.1mの点名『十年』を過ぎるとこれまでとうってかわって暗い植林の森となる。 |
砂鉄の森を行く | 1080を過ぎて |
---|
が、それ以上に変化するのはその地形だ。大きな波のようにうねる地形はどうみても砂鉄を 採取した跡に違いない。その途中にある鞍部(地図の『C』)は古い地図で『横行道』と言われる 峠。この峠道も気になるなあ・・・。
唯一展望のあるポイント『D』で食事をする。氷ノ山の頂上付近は分厚いガスで包まれ、わずかに大屋の
避難小屋が確認できる。
|
殿下コース分岐に着 | ブナも多いが笹も・・・ |
---|
『殿下コース30』の標識が地面に転がっている地図の『E』には12時30分。ここからここから殿下の正規コースを 探しながら下山の予定なのだが、OAPさんの提案で殿下登り口まで往復しようということになる。 その途中で欠落している標識も探そうというわけだ。時間もあるので良いかと思ったがこの頃よりゴロゴロと 雷が聞こえ始めた。
あまり乗れそうもないが、こういう所もMTBで行くのは風情があって良いかなあと思っていたら
登山口手前の斜面がけっこうな笹藪だったことを思い出す。人間だけだとそう問題はないが自転車は無理っぽい。
|
ヤブを突き抜けると良い道になる | 殿下登山口に到着 |
---|
ブナもすごいがヤブもそこそこあるのが難点。しかも遠雷は徐々に近づいているようだ。 無意識に足早になり殿下登山口に到着。13時10分。ホッと一息つくが、ここをゴールとするような ハイカーはまず我々ぐらいなものだろう。
そもそもなぜ殿下という名前になったのかは登山を始めた頃はまったく知らなかった。
あろうことか『でんか』と読んで良いのか『とのした』と読むのかずいぶんと悩んだものだ。
後半コースはあの分岐『E』から正規コースを探してみる。
|
『23』を発見して幹に取り付ける | 『E』から下山・・・ |
---|
登りの途中で殿下の標識を探しながら登ったのだが、下りも同様にあちこち見ながら下っていく。 あのヤブ地帯もコースを変えて下ってみたがやはり道らしきものは無かった。やぶ地帯を抜けて ふとみると『23』の標識が地面に落ちていた。
再度やってきた『E』には14時。雨は降ったものの雷は徐々に遠のいているようだった。
前回のレポートを復習していれば『い』の谷へ行っていたかもしれないが、二人とも「やっぱり尾根やで」というので
素直に従ってしまった。
|
奇木もある | 反射板があった |
---|
尾根コースは切り開きもしっかりとあり問題なく歩けるが、結局最後まで殿下コースの標識がなかったので やはりここではなかったかもしれない。 途中に反射板がありそこからは29号線がわずかに見える。
ずんずんと歩ける尾根は
標高差はほとんどなくOAPさん曰く「テーブルマウンテンや」と。植林された箇所もあるので人の手は
入っている。テーブルマウンテンの終点である『J』からは激下りの斜面だ。
「ここはスキーでは難しいなあ。殿下も手こずったやろ」と二人。
まだこの尾根が殿下コースだと言い張る??
|
左植林、右自然林 | 点名『坂ノ谷』 |
---|
激下りの斜面をクリアーするとまたゆるやかな尾根となる。右は自然林、左は植林だ。 点名『坂ノ谷』には14時50分。最後をどう下ろうかと鳩首会談をする。 最短の時間で降りたいのでまっすぐに進むことにする。やまめの裏手に出るコース (地図の『あ』)という案もあったが今回はパス。 |
三角点を過ぎて・・・ | 林鉄跡か? |
---|
三角点を過ぎた右下には緩やかでほぼ平坦とも言える斜面が見えた。ここを下るのも在りかも・・・。 『あ』の分岐を過ぎるとうっそうとした植林の激下りだ。途中にソマ道が横切っているのを確認。 後で考えたらこのソマ道、妙に幅が広いし左右に延びた方向を見るとほぼ平行に続いており高低差がないようだ。 心の奥で違和感が湧くのを覚える。
地形図でどこに延びるだろうとみると、三角点下の平坦地(地図の『?』)へ行っているかもしれない。
そこが木材の積み出し基地だと想像すると件のソマ道は林鉄だった可能性が出てくる。
う〜ん、資料もないし、再度訪れて自分の想像が正しいかどうか確認するべき?
|
この川を渡ると頭上に林道がある | やまめが見えてきた |
---|
結論から言うと殿下コース探索は空振りだった。しかしいろいろと発見もあり歩いた意義は在ったと思う。 OAPさんが言うには高松宮殿下をいついつ泊めたとか案内したとかという証言は残っているのに、 なぜか殿下コースがどこかという詳細は残っていないということだ。現役のハイカー諸氏で 当時の事を知っている人がいれば話を伺いたいものだ。 そんな話をしながら駐車ポイントには15時40分。 前回のレポートと併せて読んでもらうとコースの雰囲気がわかりよいと思います。
今回の三の丸殿下コース探索の地図は
こちら(約180k)
でごらんください。 |