大持山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『丹波和田』を参照していただくようお願いいたします。

2013.11. 3.  日曜日  晴れ  気温  肌寒い

今からちょうど13年前にこの山 『大持山』 に登ったことがあります。 今回も前回同様に生野町黒川から登ってみたくなりました。 どうせなら生野の活性化にがんばっているジローさんにもルートを紹介したい。それならば黒川に最近できた 『まるつね』という古民家民宿に前泊して、翌朝から登山したら楽しいんじゃないかということに・・・。
古民家民宿『まるつね』

参加者を募集すると、K山さん、作畑ガール、新川さん、とそれぞれ個性の強い人が参加してくれることに。 じつは13年前に大持山から黒川に下山後、山のこととかを聞き取りしたのが、なんと、現『まるつね』オーナーの お父さんだったという不思議な縁がありました。
お鍋パーティープチ演奏会も

周囲も暗くなり、全員が集まったので鍋パーティーの始まり。食べて、飲んで、しゃべって、演奏して寝る。 そして翌日・・・。明るくなって黒川ダム方向を見るとうっすらと青空も見える。しかし 天気予報を信じるなら今日は雨になる。ちょっと早めにスタートしましょう。
旧峠道の入り口は石仏が目印

『まるつね』の横にある道を進む。9時25分。奥には別荘地があるが、その入り口右手に 石仏が祀られている石の祠あり。中にあるのは地蔵菩薩。石仏の表面にある地衣類のために 読み取りにくくなっているが、13年前には『右 たたらぎ』と読めた記憶がある。

石仏の横手、別荘の隙間を行く感じ。県立大学ワンゲルOBの設置した道標が目印となる。 一本道と思っていた峠道だが脇道も見受けられるのでとにかく上へ、上へと行く。 つづら折れの登りが終わると水平な尾根道。

古い峠道を登る火薬庫跡

ここでちょっと地形図にある建家のマーク(地形図の位置は間違っている)に寄り道してみる。 それは黒川ダムの工事に使われた火薬庫だ。13年前にはちゃんと建家が残っていたのだが、 現在は基礎部分だけになっていた。こんなつまらないことでもこうやってHPでも書いておかないと やがては誰も知らないことになってしまいそうだ。
またまた寄り道。トンネルを抜けてみる

多々良木坂には9時55分。黒川からこの峠までは非常に楽に来れるので、昔は現312号線へ出るには これがメインルートだったようだ。近代になり、黒川ダムの管理道路が出来てからはこれを利用させてもらい 多々良木へ降りていると聞く(一般の人は利用不可)。そのトンネルをくぐってみる。

トンネルの向こう側には本来旧峠にあった石仏が安置されている。光背の向かって右側には 『文化十二亥(1815)』の銘がある。左側には寄進者の名前があるが、どうやら黒川の人では無いよう。 黒川集落は古くは『京口』と呼ばれて京都への街道の集まる所だった(ジローさんのお父さん、文夫氏談)。この多々良木坂も その一つだったため他国の人の利用があったのだろう。

分水嶺を登る電波反射板

峠に戻る。ここは日本の背骨とも言える中央分水嶺だ。ここからいよいよ大持山へ。 峠から山頂までは急な登りが延々と続く。ペースはゆっくりで楽なのだが雨が心配。 急登りの途中には電波反射板があった。10時43分。

見た目は古いのだが13年前にはこんなのあったかなあ?と疑問が・・・。 そこからは朝来山、青倉山、黒川ダム湖、粟鹿峰、雲頂山などが見える。 山頂からはもっと展望が良かったので期待をしてきつい登りを耐える。

山頂に着次なる目標はあの赤白鉄塔だが・・・

急な登りをクリアーした場所が山頂ではない。ちょいと南に折れて数十mほど行ったところに 三等三角点がある。標高は822.5m。昔あった展望は天気が悪いこともあるし、周囲の木々が育っているために よろしくない。11時25分。

ここにもワンゲルの標識がある。それにはここの山名を『直谷の頭』としていた。確かに三角点の点名は『直谷』だが ここは大持山というれっきとした名前がある。『直谷の頭』という命名の仕方は山屋さん特有のもののようだが、 地元の山名を無視してこういう山名がハイカーの中で広がるというのはいただけない。

今回余裕があれば『もっつい山』まで縦走してみたかったのだが、このもっつい山は漢字で書くと『持継山』となる。 大持といい、持継といい『持』という文字になにやら地元ならではの意味があるような想像ができる。 直谷の頭などとちんけな山名にしてしまうとそういうことすら消されてしまう。

分水嶺の北斜面に逃げ込む。全員へろへろ赤白鉄塔下で電磁波を浴びる

山頂付近から黒川ダムを見たかったのだが13年という月日がそれを奪ったようだ。さらに懸念していた 雨も小降りながら本格的に降り始めた。三角点で小憩をしつつ、今後のことを相談する。とりあえず赤白鉄塔までは すぐの距離なのでまずはあそこまで・・・。

ところが快適のはずの分水嶺はここから急に悪くなる。尾根は鹿除けネットが倒れていたりする。南斜面はイバラやぶ。 北斜面は急すぎて危険。すぐそこにあるはずの赤白鉄塔はとんでもなく遠く感じる。 途中から二進も三進もいかなくなるがなんとか北斜面エスケープでヤブをパスできた。赤白鉄塔には12時52分。

雨は間断なく降り続いており、高電圧の放電の音がすさまじい。ここから続きの分水嶺は見る限りは快適そうだ。 が、昼食も食べていないし、雨は降り続くしで、ここからの下山を決定。ほんとはもっついの滝まで行きたかったのだが・・・。

巡視路を直谷に向かって下る途中の植林帯で食事

この赤白鉄塔からは北の多々良木へ下る巡視路と、南の直谷に下る巡視路がある。 後者を利用してエスケープをする。二つ目の鉄塔のすぐ先は植林帯となっている。 ふつうなら薄暗くて素通りするところだが、今日は雨を防いでくれる絶好の昼食場所だ。
林道へ這い上がる川を挟んだ左向こう岸がどうやら平家の里跡か

プラ階段の巡視路を下りきるとガレた林道に出る。13時10分。あとはこの林道を下るのみ。 昔はこの林道を終点まで登り切って、そこから大持山まで行ったこともある。 今ではあのイバラエリアもあるのでたいへんかも。

そうそう、そういえばジローさんがこの近辺に平家塚なるものがあるはずと言うのを聞いたことがある。 だいたいこのあたりかと思える所を解散後に簾野の古老に聞いたところ、やはりそのとおりで『屋敷』という 字もあったという。これはぜひ探索に行ってみたい。

直谷不動の滝

今回のルートにはもっついの滝の他に不動の滝がある。後者は林道の出口付近にあるので簡単に訪れることができる。 みんな疲れているだろうが、最後の見所として案内する。そして林道出口には14時05分。 あいにくの雨だったが無事に下山できたことを良しとしよう。

今回の大持山の地図は こちら(約190k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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