はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『笠原』を参照していただくようお願いいたします。 2012. 2. 8. 日曜日 晴れ 気温 寒い
行常集落の裏山をぐるっと周回するような遊歩道を知ったので、そこから一乗寺へ行けないかとチャレンジしたのが 前回のレポート。激ヤブの尾根でくじけかけたが、なんとか一乗寺まで行き着くことができました。 さらには行常から一乗寺の裏参道(現在は山陽自然歩道)に行く古道も発見できました。それに気をよくして 今回はその時に気になっていたもう一つの尾根を歩いてみることにします。
前回同様の激ヤブも予想されるので単独で行くつもりだったが
謎の覆面娘が『私を激ヤブに連れてって』と同行を申し出るので
今回は二人。得てして単独でなくなると途中敗退となることが多いのですが・・・。
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稲荷神社にある蛙股 | 羽子板の絵馬 |
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前回駐車出来なかった稲荷神社に車を止める。改めて神社を眺めてみると、正面にいかにも 手彫りと思えるような蛙股があった。二匹の狐が向かい合っている素朴なもので見ていてほほえましい。寄進者の 名前も彫られていたのだがそれは読み取れなかった。
拝殿には古い羽子板は数枚貼り付けられている。昔、女の子が生まれると
無事に育つことを祈って羽子板を奉納することもあったというがそういうたぐいのものだろうか。
準備を済ませて神社の裏手から道に出て『行常しあわせの森つくり』の敷地内に入る。
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『行常しあわせの森つくり』本部を通過 | 道には竹のチップが敷き詰められている |
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今日はイベントもないようで無人だった。覆面娘は竹の壁で造られた本部やら、 きれいに整地された竹林に感激している風だった。 炭焼き場を通過して左折れで山道となり、標高を稼いでそよかぜ広場のピークへ向かう。 |
そよかぜ広場で遊ぶ | 体重で破れそう・・・ |
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前回楽しかったそよかぜ広場のブランコとハンモックで覆面娘も楽しそう。 ここでいつまでも遊んでいられないので先を急ぐ。 |
やっぱり巡視路は楽ちん | この分岐がキモ |
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そよかぜ広場から関電の巡視路へと向かい、そのまま巡視路で西へ向かうが、やはり巡視路は歩きよい。 あっというまに問題の分岐に到着。そこは三叉路の分岐で、そのまま進めば『鳶ノ子50鉄塔経由、大歳神社へ』という 標識になっている。一乗寺へ向かうには『進入禁止』と書かれた方向へ向かう。そちら方向に道が無いのかといえばさにあらず。 きれいな道が続いているのだった。 |
峠に着きました | 自然歩道に到着 |
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イノシシのヌタ場を通過して尾根に登るとそこが峠。峠からはうっすらとした 踏み跡になるのでわかりにくいが北向けに谷を降りると今度は 自然歩道に降り立つ。さすがに自然歩道は立派な?道だ。
覆面娘は立派な道に驚いていた。さて、ここからいよいよ未知のルートだ。
消えかかった『山火事注意』の丸い看板の裏手が入り口となる。踏み跡も明確で楽勝ムードだ。
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東方向が見える | 前進不能!! |
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が!
進むに連れてシダが現れて歩きにくくなってきた。そうこうするうちにシダは壁のようになり
前進不能となる。目の前のピークを越えると地形図にある岩場のはずなので
展望もあるはずなのだが・・・。ここから見えるのは『法道仙人ツアー』でお世話になった
ドライブイン駒の蹄と、その向こうにある経の尾(納経山)だ。法道仙人もこのシダ薮を
通過したはず??
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自然歩道に戻る | 一乗寺に到着 |
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全身をシダのほこりだらけにして自然歩道に復帰。深いシダ薮の下には踏み跡もあったので 昔は歩けるようなルートだったに違いない。残念だが自然歩道で一乗寺に行くか・・・。 お昼ご飯も一乗寺の前にある茶店で済ませてしまおうと話をする。 これで終わっては覆面娘に申し訳ないので牛頭天王がお祀りされている王神峯に登ろう。 |
ガードレールの向こうに祠 | ここもシダやぶ |
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昼食後、舗装路を西に向かい古い山門を右に見て、すぐの所、ガードレールのあいだから 見えるのが大日如来の祠だ。ここが王神峯への参道の入り口となる。 祠をお参りして左の斜面に取り付く。いきなりのヤブで、ここが参道だとわかっていなければ とても登れるとは思えない道だ。 |
修行僧の墓 | 電波塔の横手、頂上にお堂がある |
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何度かヤブを突き抜けて道が平坦になったところに人工的は石組みがある。表面に文字などは無いが、 地元の人の話では、昔ここで修行をしていた僧が行き倒れになった場所だという。 ここまで手入れのされていない参道だったのでひょっとしてお参りの人はほとんどいないのか? あるいはNTTの管理道を利用して来る人もいるのか・・・。 |
牛頭天王のお堂に到着 | 中には鏡など |
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参道入り口から40分ほどで王神峯頂上に到着。『おおじんみね』と読んでしまうが、地元では『おんじんみね』と言う。 左手には電波塔が一段低く見える。 お堂の前には石の手水鉢やら石灯籠の胴部分などがある。それらの年号を見てここの古さを改めて知る。 前殿に千羽鶴が吊されてるのでお参りの人もいるようで一安心する。 お堂は昭和46年に改修されており、 寄付金と寄付者の銘板が貼り付けられている。毎度言うように、ここと一乗寺は縁が深い。その一乗寺も 当然寄付をしているのだが、その金額はむちゃくちゃしょぼい。
小さな本殿は西を背にしているが、その向こうは当然ながら本家牛頭天王を祀る姫路の広峰神社の方向だ。
本殿の中には小さな鏡と『牛頭天皇』と書かれた板がある(本来は天王と書かれる場合が多い)。
明治になって天皇が国の主権を取り戻した時からこの天皇という文字が災いとなるのだった。
不敬だということもあり廃仏毀釈で徹底的に弾圧され、習合神である素戔嗚尊を祭神に
変更して難を逃れた神社も多い。
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電波塔の横手から出る | 管理道で下山 |
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WEBで検索すると、法道仙人のことを調べていたりする人は案外多いのだが、 この山に登ってここと一乗寺の関係を言う人などは皆無だ。 何事もそうだが、書物で云々言うよりも自分の目と足で確かめるのが一番だと思う。 理解できたかどうかわからないが覆面娘は道中、私の解説を聞いていた。 ここでしばらくのんびりする。 このあいだ登った古法華の尾根を眺めたり、リコーダーの合奏をしたりして時間を過ごす。 覆面娘がヤブの参道を下るのがいやだと言うのでNTTの管理道で下山することに。 本来の目的とは違ったが、王神峯も再訪できたので良しとするか。
今回の行常〜王神峯の地図は
こちら(約190k)
でごらんください。 |