はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『栃本』を参照していただくようお願いいたします。 2012. 7.22. 日曜日 晴れ 気温 超暑い
ずいぶん前に『福知山山の会』に所属するフォレストさんに『あがりこブナ』なるものの存在を 教えてもらった。その後、たぬきさん、矢問さんが訪れたレポートを見聞きし私も行きたくなる。 場所は万場スキー場の奥だとか・・・。え〜っ?そんなところにあるの?って半信半疑。 とうぜん蘇武岳と抱き合わせの山行きで、 夏前の涼しい時期がねらい目だったのに、梅雨明けの一番暑い時期になってしまった。 超汗かきの私と、超超汗かきのTQFさんの汗汗コンビで出かけます。
事前にそれらのレポートとか地図で予習をするべしなのだが、ほとんどぶっつけ本番で、どこが
スタート地点かもわからない始末。当日、1時間ほど早いスタートでたぬきさん夫婦が出発しているので、
携帯で彼らのスタート地点を教えてもらう。
たぬきさんの誘導に従って進むと未舗装林道のコーナー付近にたぬき号があった。 我々もそこに車を止めて8時53分スタート。 コーナーには谷に向かう道があったので、これだろうと勝手に思いこんで進む。 ところが目的の谷から離れていくので間違いと気が付きスタート地点に戻る。 |
一つ目のコーナーに駐車 | 二度間違いました・・・ |
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林道に戻って二つ目のコーナーから入る。『林道神鍋蘇武線』となるので、これが正解かと思ったら すぐに行き止まりとなる。終点から下に見えている谷を遡行すれば何も考える必要はないが、それは あまりにワイルドだろ〜。ってわけで、それはキャンセル。正規林道があると思われる斜面をよじ登って 事なきを得る。この時点で汗びっしょり。 (別途地図にはミスコースルートは削除しています) |
正規林道を行く | 左下に小さな滝を見る |
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地形図にある点線ルートを歩いている。この右上は万場のゲレンデというわけだ。 ずんずんと進んでいくと左下の沢に小さな滝があった。 |
滝を過ぎて沢を離れて左へ | あがりこにあがりこする人 |
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滝を過ぎてすぐに沢を渡って左の斜面に取り付く。ここから始まる1007mピークまでの 支尾根にあがりこブナが多数あるらしいが、情報通りにすぐに出現だあ。 |
あがりこの穴を突っつく人 | またまたあがりこにあがりんこおじさん |
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別途地図の『B』から標高差60mほどのあいだに写真のようなブナが点在している。 もうちょっと周囲を丹念に見ればさらにあるかもしれないが、とにかく暑くてフラフラ・・・。 フォレストさんがこのレポートを見れば「ええブナ見逃してるやん!」とお叱りをうけるかも。
それにしても、こんなルートって以前からハイカーには知られていたのだろうか?
それともフォレストさんが探し出したのか?だとしたらすごいと言うしかない。
人のルートをそのまま辿ることなんて最近なかったが、こんな所は私にはよう探し出せない。
傾斜がゆるやかになって(この付近にも普通のブナが多くあり) まもなく1007mピークというところで、今度は でかい杉に出会う。よく見ると二本の杉が合体したような感じもするが 実際はどうなんだろう?樹木に詳しい人に見て欲しい。 |
真下を見ると駐車した付近も見えます | 万場ゲレンデの最上部付近 |
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1007mピークには10時55分着。展望は期待していなかったが下界が見えた。 とにかく疲れたのでここで食事をする。上着も汗でびっしょりなので着替える。 無線でたぬきさんたちと繋がるが、彼らも万場の最上部付近で食事らしい。 |
村岡と日高の町界を行く | 舗装路で蘇武へ |
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たぬきさんたちはそのままゲレンデから下山だという。我々は時間もあることだし 蘇武岳の頂上へ行ってみることに。途中までは町界を辿っていたが、997mピークが 目の前にそびえているのが見えたとたん林道にエスケープを決定。 そのままテクテク歩いて一等三角点のある蘇武岳には12時12分。 |
ガスと霧雨の蘇武岳 | 下山路はウハウハコース |
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1074.4mの蘇武岳だが、林道からは標高差わずか30mほどか。この林道コースだけは いかにもあっけない。 それにしてもここに来るのは十数年ぶりになる。 昔はいろんなコースで、しかもすべてMTBでの登山だったのを思い出す。 先客もいたし、お昼ごはんも済ませているのでそそくさと下山開始。 |
名色コースを下る | ブナもたくさんある |
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下山コースは 備前山への通常コースだが、これがまた大勢のハイカーに踏み固められて公園の遊歩道のように なっていた。そういえばここもMTBで何回か下ったなあ。 急な階段の箇所も数カ所あるが、それ以外は乗れ乗れなのだ。 途中で車で帰路途中のたぬきさんと無線が繋がり次のコースを教えてもらう。
林道には13時10分着。ここもよくMTBで走ったことがある。金山峠まで行ったこともあるし、途中の 分岐から阿瀬渓谷の方へ下ったこともある。そのときもほとんど廃道状態だったが今はどうなっているんだろうか。 ちなみに現在は関係者以外は進入禁止とある。
備前山方向に下るとそのまま林道で名色に下れて一般的にはそれを行く。
当然だが林道を歩いて下るなんておもしろくない。
矢問さんは備前山から北向けに尾根を下っていたのだが、たぬきさんからの
アドバイスでここから北に谷を下るのだ。
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谷を行く | 巻き道に合流 |
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「途中に巻き道があるから、それを行くといいよ〜」と無線で教えてもらっていたが、それはどこだろう? 見落としたかと思っていたら、自分の3mほど上にあった。よじ登ってそれを行く。 こんな急斜面にある謎の道だ。途中には見つけただけで4カ所ほどの炭焼き窯跡があったので 昔からの仕事道なのか・・・。
そう思っているとおもしろいものを発見。あとでたぬきさんからも「道標あったやろ?」と言われたのだが。 三菱ミシン寄贈の『19』のナンバーの上には蘇武岳へと書かれている。 つまりこの道は古くは炭焼き、山仕事の道で、近代では蘇武岳への登山道だったのだ。 |
この道にも奇木多し | もうすぐ尾根と合流か |
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この巻き道、所々崩れた箇所もあり、すぐ上に尾根が見えているのでそちらにエスケープしたい 気持ちもあるが、ガマンして最後まで進むことに。このルートにも奇木が 多いが、最初の登りで多くのあがりこを見たので感覚が麻痺して写真も撮らずに素通りだ。 TQFさんが「尾根と合流したで」と言う。13時50分。そこは植林の斜面で踏み跡は薄くなる。 名色のゲレンデの端っこかと思ったがそうではなかった。 |
土砂崩れ防止を観測する井戸がある | ここにも古い道標が |
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植林の下の方に人工的な構造物が見えた。降りてみるとそれは井戸。小さな扉は錠で閉ざされているが、 中がどういう状態かは別の山で見た井戸で知っている。すごく底が深くて螺旋の階段がある。水位が高くなると 山崩れの危険が増すので排水するような機能があるように聞いたことがあるが・・・私の聞き取りなので正しいかどうかはあやしい。
周辺にはいくつかこのような井戸があるようだ。そのエリアで見つけたのがこの古い道標。これで先ほどの巻き道が
やはり登山道だったのが再確認できる。この道の続きで下って行こう。
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遭難碑があった | 竹林を抜けてエスケープ |
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すぐ西の斜面は名色のゲレンデのはずなのに、ここは薄暗い植林帯だ。笹道を下っていくと 大きなケルンが出現。矢問さんのレポートにもでてきたものだ。昭和36年の2月に妙見から蘇武への スキーツアーの途中で青年二人が遭難死した場所らしい。 とうぜんゲレンデスキーの装備ではなくきっちりとした山装備で臨んだのだろう。 あともうちょっとで里という地点だし、歩いても1時間もかからない所だ。 悪天だったのだろうか、夜間で視界がなかったのだろうかと想像を巡らす。 竹藪っぽい箇所に出た。TQFさんが「ここから左へ行ったらショートカットできるで」と言う。 地形図を見るとなるほど良いポイントだ。藪もなく簡単に川まで降りられた。ところが林道に出たとたんに 激暑で頭がフラフラとする。二人して這うように車にたどり着く。14時30分。 季節を選んで登ると良いコースです。
今回の蘇武岳の地図は
こちら(約135k)
でごらんください。 |