はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『岩屋堂』、『西河内』を参照していただくようお願いいたします。 2012. 6. 3. 日曜日 晴れ後カミナリ 気温 あったか
TQFさんと先々週にこの 赤西山に登りました。 そのとき三室山を見たのだが、二人とも赤西からのその距離の短さに驚く。「これって簡単に行けるんとちゃうん?」 とあらぬ妄想を抱いてしまうに充分なほど近くに見えた。冷静な目で見ると頂上直下の笹ヤブは 青々として厳しそうだ・・・。
二人だけで登るのはもったいないのでOAPさんも誘って三人で登ることに
(誘われたOAPさんは災難?)。
29号線を北上して波賀不動滝へのルート手前から右折れして赤西渓谷へ向かう。
先々週のデジャヴを見ているようだ。
OAPさんも知らなかったという『先代杉』に再訪。その先にある 先々週とまったく同じ場所に駐車して10時05分スタート。 あの激登りの尾根をまた登るのかと思えば若干気分が重い。 |
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スタート | 最初は激斜面 |
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そもそもは朝方は雨だったのに山崎道の駅に着いた頃から晴れ間が出てきた。 中止だと思っていたのに決行となると、下がりきったテンションを上げるのは困難だ(私の場合)。 他の二人は、合法麦飲料でテンションを上げているので元気そのもの。 登り初めてすぐにある林鉄跡も探索することなくスルー。 |
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植林の尾根をガシガシ登る | 植林が終わると枯れた笹原 |
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二人の早さに着いていけない。先々週は途中でおやつ休憩を摂ったが今回はひたすら登る。 足元にはこのあいだはなかった銀鱗草が咲いている。 植林帯を抜けて笹原に入るとこんどはサラサドウダンが咲き誇っていた。 |
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山頂はあっさりと通過 | これからのルートが丸見え |
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赤西山の山頂には11時13分着。前回気が付かなかったが、山頂にあるブナの木に 釘でアルミプレートが貼り付けられていた。生野の鍋岩付近で見たのと同じものだ。 落ち着くまもなく、ほとんど素通りと行った感じで三室方向へ向かう。 |
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笹が無いのでスムース | これらが紅葉すると!! |
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出だしはスムース。笹は枯れきっているのでどこでも歩ける。 楓の大木があって大きく枝を張り出している。これらが紅葉すると どれだけすごいのだろう。今まで誰にも見られることがなかっただろうが、 ひょっとして今年の秋にはハイカーが訪れるかも・・・。 |
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三室が大きくそびえる | 朴の大木 |
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雑木で広々とした尾根で足元も軽やか。左手を見ると三室をメインに展望も楽しめる。 激ヤブだと思い込んでいたのがうそのように快適な分水嶺歩きだ。 そのブナに引き寄せられて『D』の支尾根へ向かい、あやうくミスコースするところだった。
立ち枯れの笹を掻き分けるようになりはじめた。そろそろ食事ポイントを
探さないとへたすると立ち食い状態になってしまいそうだ。時間もちょうど12時だったので
木陰で座れる所を発見して食事をする。
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ここで食事 | 立ち枯れの杉 |
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リュックをあけて弁当がないことに気がつく。あぁ、車の中に忘れているのか・・・。 二人からのほどこしと、リュックにあるおやつでなんとか持ち直す。 桜井市の山に登っているたらちゃんと無線もして機嫌よく12時25分再スタート。
再スタートしたその刹那、いきなり雷鳴がとどろいた。そういえば、登り始めた頃は晴れ間も
見えていたのに、今は黒い雲が流れて雨が降りそうな感じもする。
目の前にははるか昔に雷に撃たれたのか、避雷針のようにまっすぐに立つ枯れた杉があって、
横を通るのも不気味だ。
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ピーク『F』 | それほどの藪ではない |
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『F』のピークまではそこそこの藪だった。ピークからは直角に折れ、南へ方向を転じる。 案じるほどの藪ではないし左の植林帯へ逃げれば鹿道で進むこともできる。 このまま三室の山頂まで行くことができればこのコースはすばらしい登山道と言える。 が、そうは問屋がおろさない。 |
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1200ピークから三室を見る | 頂上手前 |
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1200ピークを越えて徐々に笹は元気になってくる。標高を残すこと100mからは いつもどおりの笹藪地獄と化する。それでもいろんな藪を体験しているのでさほど 苦しいとも思わず笹を掻き分けていく。 |
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無人の三室山 |
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ゴロゴロという雷鳴は止むことなく続いている。標高を上げるということは 落雷の可能性が大きくなってくることなので、山頂に近づく=天国に近づくとも言えそうで 怖い。その頂上には13時45分。 雲の様子を見ると、鳥取の東仙あたりが真っ黒だった。 ほとんど休憩することもなく下山にとりかかる。 |
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元来た所を引き返す感じ | 登りよりもきつい! |
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OAPさんとTQFさんが数年前にこのコースで登ろうとして、あまりの藪に途中撤退という いわくつきのルートで下ることになった。TQFさんいわく「笹が弱っているからだいじょうぶや」と・・・。 ところが、おっとどっこい。弱っているどころか、登りルートよりも手ごわい藪だ。 標高が下がっていくことから落雷の心配は少なくなってきたが、雨がポツポツと降ってきた。 この手の藪を経験した人ならわかると思うが、前方が見えない状況で下っていて、方向を誤ったと 気がついたときは非常に大変なのだ。
たとえ5mほど左右のどちらかにずれたとしても、その復帰には激ヤブの横歩きという
難度の高い業が必要になってくる。ただでさえたいへんなのに雨が降ってくるとこれはもう
えらいことです。竹が雨で濡れて横歩きが出来なくなるのです。
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横への移動は困難 | 植林帯へ出てやれやれ |
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全身どろどろ、傷だらけ、心神喪失、竹にからまって動くことさえできない。 蜘蛛の巣にかかった虫の気持ちがよくわかる。 すると、前にいたTQFさんが大声でヤブから抜けられたと叫んでいる。 ヤブから転げ落ちるとそこは植林地帯の最高地点で竹はまったく無くなっていた。
周辺をよく見るとこんな所まで山仕事の手が入っていた。昔の人もすごいが、現代の人もすごい。
遊びでは来れても、仕事ではごめんだ。
作業道から林道へ降りて駐車ポイントには16時。少し前ならもう薄暗くなる時間だ。 腕も足も傷だらけで、しばらくはヤブは歩きたくない気分になる。 ただ、今回の山行きも下山コースの設定さえうまくすればおもしろいと思う。
今回の赤西山〜三室山の地図は
こちら(約95k)
でごらんください。 |