はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『淡河』を参照していただくようお願いいたします。 2011. 2. 5. 土曜日 曇り 気温 ふつう
調べてみると、なんと12年ぶり(干支が一回りしてる!!)のシブレ山だった。 12年前はやまあそも元気で若かったなあ・・・なんて遠くを見る目になる。そういえば、それ以前から工事中だった 山中にある箇所は どうやらゴルフ場になっているらしい。ならば、そこを横断するコースはどうなっているのか? どうせ12年ぶりだからすっかりとコースの記憶は無くなっているし、 新たな気分で走ってみようかな。 |
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渇水の呑吐ダム | 衝原隧道手前を右に |
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衝原湖の湖畔にある無料の駐車場に車を止めて9時10分スタート。振り返ると駐車場にはローダー、 バイカー、ハイカー・・・と、いろんな人たちがたむろしていたが MTBerは私一人だった。おもむろにサイクリングロードをちんたら走る。 昨日の新聞にも載っていたが衝原湖は渇水状態だった。すべて干上がると昔の村の跡とかが現れるのだろうか? あるいは呑吐ダムの名前の由来になった呑吐の滝が現れるのだろうか。 サイクリングロードは橋を渡って千年家へ向かうために衝原隧道手前でとぎれる。自動車に注意しながら隧道手前から右のNTT管理道へ向かう。 ゲートはあるものの、横手から簡単に入れる。200mほど登った所で暑くて上着を脱ぐ。いつものことだが 足がまったく回らないので、この先どうなるのかと気分は落ち込む。
エンジン音が上から聞こえるので、まさかオフロードバイクではなかろうと近づくと、それはチェーンソーで業者が
管理道周辺を刈り込んでいるだった。黄色い標識で『1800M』とあるところが
シブレ山塊へのシングルトラックの入り口だが、とりあえず三角点のある山頂へ向かう。
管理道の終点に電波塔があるのだが、その手前コーナーのガードレール奥にある踏み跡を行けば山頂だ。 三等三角点、標高347.5mには10時ジャスト。ここは昔通りに展望は皆無。 誰も来ないと思っていたら、単独男性が登ってきた(木津駅から来たそうだ)。ちょっとお話をして下って行かれた。 私も身支度をしていよいよ縦走路へ。
地図でわかるように、山頂から南に下ると登ってきた管理道が右下に見えて、さきほどの『1800M』ポイントと 合流するのだった。ここからいよいよ本格的にシングルトラックの尾根道が始まる。
しばらく気持ちよく走っていると左に下る分岐があった。そうそう12年前にも訪れた『紫大明神と安産地蔵』だ。10時25分。 昭和60年の石碑にはこうある。 『高きシビレの峰にて 大きな岩を座とし 紫大明神 安産地蔵尊 加護により よろずの願ひ 叶ひ給ふ』さらに別の石碑には『シビレ山の地蔵さん 紫大明神の由来 この地蔵さん紫大明神の 始めにお祭りされた起源は全く不明で、言い伝えによれば五百年も昔からの由来があるらしい・・・』と。
つまり、こんな特徴のない山の中にどうして紫大明神が祀られるようになったかという謎は
石碑にもあるように不明のままらしい。
しかし、石碑のとおりに500年も祀られていたとしたらたいしたもんだ。
そして、二つ目の謎はこの山名である。 地形図にはこの山はシブレ山とあって、シビレ山は 衝原湖を挟んで北側にあるピークというのがあきらかだ。これも12年前にここをお祀りしている 木津の方に電話で聞いてみたのだが、自分たちはここをシビレと呼んでいると言うのだった。 ならば納得するしかないのだが、ただ、シビレの由来そのものはわからないということらしい。 ついでに紫大明神だが、木製の赤い鳥居があることから稲荷かと思われた(祠の中は見なかったが・・・)。 帰宅後、 WEBで検索してみると新潟県、宮城県にも『紫大明神』なるものがあるようだ (とうぜん、どちらも稲荷としてお祀りされていたので、やはりここも稲荷だと思われる)。
縦走路に戻って少し進むと分岐があった(地図の『D』)。右に行けば『山田池』、正面は『木津』とある。
とりあえず正面を行く。またまた分岐がある(地図の『E』)。右に行けば『山田池』となっているので、
先ほどのEからの道と合流しているはず。したがって正面を選択して進む。
今度は四差路で公式な標識のある分岐に着。10時40分。12年前もこんな所あったかなあ?まったく記憶無し。 その標識を見ると左が『木津・木幡』、 正面は手書きで『シブレ池』、右は道はあるものの何も書かれていない。 神鉄の栄駅に行きたいので、う〜ん、正面のシブレ池かなあ・・・。試しにちょっと進んでみるが 道は細いしシダまみれでとても乗れそうにないので四差路に戻り右のコースを選択。 |
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分岐右を行くとこんな道 | 『G』からゴルフ場を見る |
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おお!これが正解だ。乗れる谷道コースだ。地形図にもある池をチラチラと見ながら反時計回りで進む。 このまま池から谷を下るとつまらないなあと思っていると、しめしめ、また尾根に乗っかったぞ。 すると右奥が明るいのでMTBを置いてそちらへ行ってみると、うわさのゴルフ場があった。 昔はあそこも走ったはずだが見える限りまったく面影はない。 |
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乗れ乗れや〜 | たまらんなあ |
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とにかく道なりにどんどんと下っていく。またまた分岐に出会う。この分岐には標識などが無い。 正面と左とどちらも同じような道に見える。地形図を見ると正面の方が距離がありそうだし、 栄駅にも近いのでこちらを選択。 |
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『H』の分岐はまっすぐ | 水路を渡って前半終了 |
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ゴルフ場の脇をすり抜けて長い下りとなる。乗れないような段差もいくつかあるが、 やがて乗り乗りの下りとなる。これは痛快コースだ。気が付くと写真を一枚も撮らずにいた。 そして目の前に水路が現れる。角材が一本、橋の代わりに置かれていてそれを渡る。 11時20分。
耕作地に出たところでゼリーを飲んで空腹を紛らわす。そして、神出・山田自転車道と合流すべく
神戸電鉄栄駅の北にある住宅地を抜ける。
この住宅地の坂がハンパない!無理に乗ってエネルギーを消費するのはもったいないので 素直に押していく。コンクリート舗装もすぐに未舗装となり、そこから平坦となる。 所々で東方向に例のゴルフ場が見えるのだった。 11時50分自転車道と合流する。
そこまま右折れで直進すると出発点の駐車場に戻ってしまう。もうちょっと遊びたいので上の写真にあるように ガードレール横手から逆戻りする方向に入ると新たなシングルトラックが現れる。 |
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ゴルフ場の金網に沿って走る | 東屋で昼ご飯だ |
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それは東広野ゴルフ倶楽部の金網に沿って走る遊歩道だ。名前があるのかどうかはわからないが、 真下にある月が丘住宅地からは数本の登り道が出来ていて、近所のお散歩コースになっている。 その途中にある東屋で食事をする。12時ジャスト。コーヒーも飲んでのんびりひなたぼっこ。
食後、笠松峠へ向かって下る。途中の分岐を間違えてすぐに引き返す。要は緑の金網に沿っていけば
良いようだ。その笠松峠には12時25分。
車の往来が多い。昔からの街道だとは思うのだが石仏などは無かった。
次のコースは関西国際大学から始まる、これまた遊歩道だ。
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笠松峠に出た | ここが入り口 |
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給水塔前を右に | うれしい標識がある |
『障害者総合支援センター はばたきの丘』という看板が目印になる(地図の『M』)。 黄色い車止めの横からMTBを進入。その先には2基の給水塔が見えている。 その手前右手からシングルトラック(遊歩道)が始まる。 歩行者、自転車はOKで、バイクは不可の看板がある。 バイクと自転車が同列で扱われて偏見の目で見られる昨今、これはうれしい。 |
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ここもフェンスに沿った遊歩道 | 金比羅さん |
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ほとんどアップダウンの無い平坦な道が続く。こんな良い遊歩道があるのに人の姿は無い。 途中に祠が数基ある広場に出た。石の鳥居を見ると扁額には○の中に金の文字。 たぶん金比羅さんなのだろう。左下には住宅地。山の中を走っているように思えるが、 真横に住宅地があるのが何とも奇異な感じ。 |
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地図にない道が横切っていた | あれがビーンズ? |
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金比羅さんから気持ちよく下るといきなり地図にない道が横切っていた(地図『O』)。 後でわかったのだが、これは防災公園からの遊歩道らしい。 それを過ぎてこの遊歩道初めての分岐となる。 正面を行こうかと思ったが、右に『士林池 ビーンズドーム』と書かれていた。 ビーンズドームって何?
てなわけで右に行くと『神戸支線52』鉄塔があり、そこからなにやら怪しげなドームが見えた。
あれがビーンズらしい。
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橋の横をよじ登る | その橋から池を見てみる |
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乗れない階段の巡視路で士林池に降り立つ。そこから 防災公園の敷地へ行くのに苦労する。結局30mほどの高みある橋の横手をよじ登るはめに・・・。 (実際は地図のグリーンの道を行くのが正解だ) この斜面で雑草の種が大量にズボンに付いてしまい取るのに苦労する。でもタラの木がたくさんあった。四月頃に再訪か! ビーンズドームはお菓子メーカーのブルボンが造ったドームのテニスコートということだった。 予定ではここから『窟屋の金水』に行くつもりだったが、どこをどう行けば良いのかわからない。 ふと園内にある地図を見るとそこへ行くルートがばっちりと載っているではないか。しかもその途中には『どっこいさん』なる ものがあるらしい。よし!重たい腰を上げて行くとするか、どっこいしょっと・・・。 |
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どっこいさん | とっくりではありません |
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それは古墳のような丸い丘にあった。砂岩の石版でなにやら奇妙な模様が彫られている。 横にある案内板によると、高さ1.3m、幅1.65m、厚さ55cm。古墳の天井かふただったらしい。 表面上部には35の小座像が四段に並べられ、上から七、九、九、十とあるが 形ははっきりしない。しかし、最下部にあるのはあきらかに六地蔵だ。
左右にはなにやら文字も彫られているのだがほとんどわからない。それでも右は『宝暦五(1755)年二月十六日』らしい。
もとは600mほど北にあったものを道路拡張に伴いこの地に移動したという。
工事の人も運ぶ際にたぶんどっこいしょと言ったはず・・・。
昔、窟屋の金水へ行ったとき、ちょこっとこちら方面へ歩いたことがあったが、たぶん こんな橋はなかった。この橋のおかげで防災公園から楽々行くことができる。
窟屋の金水には13時35分。実はもう一カ所MTBで走るつもりだったが、どっこいさんあたりから 意識はもうすっかり観光状態になっていて走る意欲はない。現在いる窟屋の金水も不思議なところだ。 飛鳥時代に二人の皇子(後の顕宗天皇と仁賢天皇)が政変を逃れてここに隠れていたという。
たぶん隠れていたであろうと思われる岩のくぼみには水が溜まっており池になっている。 そして、水面には『ひかり藻』が繁殖しており、それが金色に見えているのだ。 うちのお袋に言わせると単に濁った汚い水という罰当たりな発言だった。 旬は12月下旬から3月初旬というから今が見頃かも。
農道に下りて呑吐ダムを目指す。途中に淡河疎水の水路と出会う。
全長26kmの疎水でハイライトという言うべきところが『御坂のサイホン(眼鏡橋)』だ。
この周辺の地形を鳥瞰で見れば一目でその全貌と原理がわかるのだが、子供の頃に習ったサイホンの原理で、
山から山へ導水するために造られたのがこの眼鏡橋。
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眼鏡橋、渡る際にはただの橋 | 川から見ると確かに!? |
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ただし、上を通過する際はなんら普通の橋と違わないのでおもしろみはない。 川に下りてこの橋を眺めたとき、へえ、あそこに水が流れているんかとうっすらと感動するのだ。 今日もいろいろと見所があったなあと感慨にふけりつつ、ダムへの最後の登りでヒーヒー言うのだった。 駐車場には14時20分。
今回のシブレ山の地図は
こちら(約360k)
でごらんください。 |