はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『備前三石』、『相生』を参照していただくようお願いいたします。 2010. 2.13. 土曜日 晴れ 気温寒い
今週も毎度お騒がせM氏とのMTB山行きだ。ほんとは三田近辺の山を予定していたのだが
前日の小雪で寒いのと路面がドロドロになっているだろうということで先週に引き続き赤穂に行きましょう。
今度はちゃんとピークを踏んでレポートの表題にしたい。
そこで先週に赤土広場から見た水晶山にチャレンジしてみる。赤穂市中山にある神社マークから
点線ルートが稜線まで続いているのでそれを利用します。
中山にある神社への道は獣よけの金網扉で通行が出来ない。近所のおじさんに言うと
勝手に入って止めても良いけど、必ず閉めてほしいと言うものだった。
稜線までの道のことを聞くと、昔は炭焼きなどで利用したが今は無いという悲しい返事。
この目で確かめるまでは信用できないので計画通りに神社からスタートだ。神社には9時18分着。
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大避神社に駐車する | 絵馬がいっぱい!! |
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M氏がMTBの準備をするあいだに神社の拝殿を見てみる。そうそう、ここは大避(おおさけ)神社なのです。 たぶん坂越にある大避神社の末社だと思うのだが、千種川流域に勢力があったという秦河勝の関係だと書かれていたように 記憶する。そういえば千種川に沿って上郡の奥までに20ちかい大避神社があったはず。 そして、かの司馬遼太郎をして、この神社はユダヤと関係があると言わしめた曰く付き。
小さな祠が二基ある。中を覗いてみると一つには地蔵菩薩の石仏があった。これは普通の舟形で
なにやら文字も彫られているが薄くて判読出来なかった。もう一つには三角形の石に如来の座像と、
もう一つは女人が合掌している像。寄進した本人が彫られているだろう。こういうのは時々目にする。
五輪塔の残骸もあったりして、神社にもかかわらずおもしろい物を見せてもらった。
そろそろ用意が出来たかと思ったらM氏はまだもたもたとしている。 見ると先週壊れたリムに代わって付けられた新品のリムがダウンヒル用で幅が広すぎてブレーキがうまくはまらないのだった。 しかも重量があるので担ぐと重たい!! 自転車屋の店主がMTBに乗らないし、担いだことがないのでこんな下手な整備をするのだ。 9時35分スタート。 |
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乗れたのは100mだけ | これを渡るのは勇気がいる |
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最初は落ち葉サクサクの道だったがすぐにガレガレで乗れなくなる。 さらに橋が落ちていて(結局3箇所落ちていた)、それらを越すごとに道はひどくなってくる。
10時ジャスト、地形図にある堰堤に到着。見ると谷のまだ半分程度しか来ていない。 これからさらに道はひどくなってくるのか、あるいは劇的に良くなってくるのか ちょっと焦った気持ちになる。どうやら前者の予想が当たっていたようで、 MTBを押していたのが担ぎ一辺倒になる。 |
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緑色は癒しの色というが・・・ | こればっかりは癒しにはならん! |
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谷も終わりに近づいてきた。この地域にはめずらしく小さな植林があって、 コンクリートの路面が一部残っていることからも、さほど遠くない昔はここが道として利用されていたということだ。 そしていよいよシダが現れてくる。それも中途半端なシダではない。 背丈は優に2mを超えてMTBにからみつき進むことが出来ないのだ。 仕方なく、MTBを置いて、まずは二人でラッセルをする。少し空間が空いたのを確認して MTBを担いで前進。それを幾度となく繰り返していく。
ともかく前進しなければどうしようもない。腰をかがめて地面を見ると、シダの下には確かに道らしきものが
ある。空身で前進を続けてなんとか稜線に出た。頭のてっぺんから足の先までゴミだらけだ。
やれやれ安堵と思いきや、MTBを取りに帰ろうとしたらどこだったかわからないというオマケ付き。
MTBを回収して、それを稜線に置いたまま水晶山へ向かう。11時半。
シダを突ききったり、迂回したりしながら山頂を目指す。途中にはなぜか石組みの段差があったりして これは謎だ。案外早く20分ほどで山頂に到着、標高308.2m。 低木とシダに囲まれているが小さく刈り込まれているのでそこで とりあえず食事を済ませる。食後は山頂よりちょっとずれてあるはずの四等三角点を探すが 無かった。というか、見つけることが出来なかった・・・。 後に点の記を見ると俗称高台となっていたが、麓のおじさんは水晶山と言っていた。 ちょこっと展望を写してとりあえずMTBの場所へ戻りましょ。 |
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北の山は雪模様やね |
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南は暖かそう |
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地獄から一転天国だ | シダの中の一本道 |
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13時10分、MTBの置いている地点に着。さて、MTBに跨ってみると 不思議なことにここから乗れ乗れルートであった。 それまでのシダの激ヤブはなんだったかと思うほどだ。M氏も不思議と思いつつも 軽やかに走っている。方向はいつのまにか南に向かっており、左手にはさきほどの水晶山と295の ピークが見えている。明らかに先週の赤土広場に向かっているようだ。 左右はシダに覆われているがその真ん中に一本の明確な道が続く。 |
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ダート林道に出た | 坊主屋敷跡の標識 |
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やがて赤土広場への稜線上の鞍部付近にやってきた。地形図にある林の集落へ下るはずの 点線ルートを探してみるがどうも無いようだ。これでエスケープする予定だったので 無いとなると困ったことになる。その先でダート林道と出会い、さらにその先で 『坊主屋敷跡』の標識を発見。13時40分。
中山のおじさんが言うには、昔はあの道でここまでよく来ることがあったと言う。
周辺には竹林があっていかにも人家があったような雰囲気だ。
標柱には『草庵の跡と伝えられており、周辺には若干の平坦地、石段、土塁、井戸跡と思われるものが残されている。
僧が居住し、朝夕の念仏を唱え、修行していたと言われている』とあった。
さらに、ここから東方向に道が下っていた。ここで下山出来そうなので安堵する。
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赤土広場のピークに登ってみる |
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そうなれば気持ちにゆとりができるので、先週の赤土広場に寄り道してみよう。あの 広場にあるピークに登ってみれば瀬戸内の海がよく見えるはずだ。 そのピークからは黒鉄山、百間岳も見えた。先週登ってきたルートは『1』、 第二赤土広場へ向かうのは『2』、今回の水晶山からのルートは『3』である。
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赤土広場から | 坊主屋敷跡へ下る | と、そこにはハイカーが!! |
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赤土広場からのダウンヒルで坊主屋敷跡に戻る。赤土はヌルヌルでタイヤにからみつき タイヤが倍ほどに太くなる。坊主屋敷に居たと言われる修行僧も唐船山を見ただろうか・・・。 と、その標柱の所にハイカーがいた。まさかこんな所にハイカーがいるとは思わなかったので 少なからず驚く。その人は我々が下山するこの道で登ってきたという。 さらに、私のHPも見てくれているようだった。 |
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登りのルートよりはマシ | 東屋?が見えて、M氏が先行する |
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ちょっと乗りにくい箇所もあるし、全体的にガレがあってハンドルを取られるシーンもある。 言い忘れたが、今回は私のMTBにトラブルが出てしまったのだ。 それはハンドルを固定している六角ねじがゆるんでしまって、左右に抜けそうになったり、 グルグル回りそうになったりして2回も転倒してしまった。 いつもは工具を持っているのに、今回に限って忘れている。
谷の正面に東屋のように見えたのは地蔵菩薩の石仏が祀られた祠だった。 その右下には滝がある。いくつか滝があるのでこれが『釣瓶落しの滝』なのかどうかは 不明。実はこの祠の近くには滝よりもおもしろいものがあったのだ。 |
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鉄棒 | 滑り台 | ブランコの三種競技 |
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祠の左下を覗くと こんな山中にもかかわらず公園のような一角がある。そこには写真のような遊戯施設もあった。 多少錆びているがそれほど古いものとは思えない。 「パラダイスや〜!!」とM氏は喜々として遊び回るのだった。 それにしてもどうしてこんな場所に??いつまでも遊びたいM氏であったが、 残り少なくなった後ろ髪を引かれる思いで下山を続ける。14時50分。 |
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道も広くなり | めちゃ、走りやすくなる |
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雑木の林を行く。正面右が正解だが・・・ | 扉を抜けると住宅地 |
公園からはノンストップで下り続ける。あの地獄の登りがすっかり忘却の彼方へ去ってしまうほどの 快感ダウンだった。雑木の林を抜ける途中で立ち止まる。右が正解なのだが、左の巡視路が気になる。 人の行かない所へ誘われてしまうのが我々の性。竹林を抜けて獣避けの扉を開けると 人里だった。ああ、桃源郷よさらば。15時20分中山大避神社着。今回もいろんな体験ができて、 なんだかんだと言ってもMTBはおもしろい!!
今回の水晶山の地図は
こちら(約100k)
でごらんください。 |