はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『岩屋堂』を参照していただくようお願いいたします。 2010. 9.11. 土曜日 晴れ 気温 暑い
先週同行できなかったのだが、OAPさんとkokoさん夫婦が鳥取の大ボウシに登って、 それはよかったと言う。ならば後追いしようとTQFさんと相談する。どうせなら波佐利山から 周回できないか?だいたいのルートを考えて、後はその場の状況しだいで対応だ。 おもしろそうだと思ったのか、先週登ったばかりのOAPさんも参加を表明。
先週と同様にまずは下山地の大野にある『八大竜王権現社』前の空き地に駐車。 すると、こんなところでリュックを担いだ男性ハイカー二人と出会う。地元鳥取の人だろうか? 聞くとここから我々同様に大ボウシに登るという。ひょっとして先週のOAPさんのレポートを読んだのかと 思い、カマをかけてみたがそうでもないようだ。OAPさんは「そこから登れるよ」と教えていた。 我々はまず波佐利山に登るので、準備を済ませてハサリ川の林道へ向かう。
林道は路面は悪いものの倒木、落石などが無いので現時点では車の通行も可能だ。 先週はこの小屋の近くから登ったそうだが、今回は行ける所まで車で行ってみる。 この小屋は森林作業をする人が泊まるための小屋で中はガランとして板張りの床があるだけだった。
ここで気になるのが横を流れるのが『ハサリ川』、小屋の名前は『羽佐利』で、これから登るのは
『波佐利山』と三者三様の体である。結論から言うとこれらはすべて当て字で、『端狭り(はさり)』
が語源である。ソマ人が言うところの『山の際』とか、文字通りの『奥まった狭い所』という意味だ。
小屋からすぐ奥が谷の分岐だった。林道はもうちょっと先まであるがこの分岐空き地に駐車する。 9時半スタート。で、ここからどこへ向かうのか?当初はここから急斜面の尾根を真南に登って 鳥取・兵庫の県境尾根にある1166ピークへ向かうつもりだった。 が、「右の谷(ウトノ谷)がなんか良さそうやん」と、何の根拠もない意見でそちらへ向かう。 目の前の砂防堰堤を越えるといきなり道が無くなった・・・。 |
道は無いが問題なく歩ける | 流れがあるので涼しい |
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道は無いけど歩けるからまあいいか・・。と、なんのためらいもなく進んでいく。 先週の山登りがうそのように涼しい。谷沿いできれいな水のおかげだろうか。 |
突如道らしきものが現れる | 気持ちよい谷だなあ |
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「あれっ?これって道とちゃうん?」地面を見るとまっすぐ続く石組みがあるではないか。 どうみても道に見える。そばにはコンクリート製の基礎もあった。 きっと索道などに使われた動力がこの基礎の上にあったのだろうと話す。 するとこの道は?「きんま道だと思うよ」とOAP、TQFの両人。 道があれば安心度は高まる。途中には登れそうな左斜面があったが、きんま道がどこまで 続いているのかも気になるのでとりあえず前進あるのみ。
「ここは屋久島かあああ!!」とんでもない巨木の切り株が現れた。元は杉だろうか? その朽ちた切り株の周辺にはひこばえのように成長した木々が生えている。 人物と比べてもその大きさがわかる。 きんま道もどうやらここで終点のようだ。 最後まで谷を詰めるとたいへんそうだし、ちょうどここからも登れそうだったので左の斜面に取り付く。 10時05分。 |
激斜面でへろへろ | 県境尾根も快適 |
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傾斜は急だがなんとか登っていける。みるみる谷が下の方になっていく。 OAPさんはアキレス腱が切れそうだなどと言いながら先頭で我々を引っ張っていく。 まばらな笹が現れると同時にブナも出てくる。「笹とブナはセットなんや」とOAPさん。 県境尾根には10時50分。 なんとかアキレス腱は無事だった。
県境尾根(中央分水嶺)のこの辺はまったくヤブは無い。
ここからこの稜線をたどって北方向へ3kmほど歩くと赤谷山になるのだが
どの辺まで快適で、どのあたりからヤブなのか調べてみたいものだ。
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波佐利山に到着 | ここで昼食 |
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11時05分、三等三角点、標高1191.6mの波佐利山に到着。三角点の周辺が刈り込まれている。 初めて登ったときは座るところもなかったのがうそのようだ。時間は早いがここで食事を 済ませる。寒くてウインドブレーカーを羽織る。食事も終了して11時45分、大ボウシへ向けて再スタート。
『D』の鞍部までやってきた。ここから南へ下ると 赤西渓谷 で、途中には線路も残っている林鉄跡を見ることができる。 反対側は登りに使ったウトノ谷だが、覗いてみても踏み跡もない。あのまま谷を進んでいればちょっと難儀だったかも・・・。 |
大ボウシへの稜線も快適 | う〜ん、でかいなあ |
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鞍部から登り返した最初のピークに到着。『九九』の標石がある。ここもヤブではなく、三室山方向を見ても しばらくは歩けそうな感じだった。ここからから北に向かって進むと、その終点が大ボウシとなるのだ。 歩き始めると枯れた笹があるものの、それらは身体に触れるとポキポキと折れてしまう。 つまり歩くにはなんら支障がない。 |
1090は真っ平らな平地だった |
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ヤブだと聞いていた1090ピークも笹が少しあるぐらいで広い平坦地が見渡せるのだった。 12時37分。 OAPさんが「ええところやなあ」と言うが、その先にある所はさらに良い感じだった。
二重稜線になっていて、その間にある線状凹地がなんとも良い感じだった。時間があれば あそこを歩いてみたかった。
ここからドカーンと下って、また登り返す。これが結構身体に堪えるのだった。
登り返した『F』地点は先週OAPさんたちが林道にあった小屋付近から登ってきた所だ。
大ボウシだけ登るならこれが最短、最適なコースだと言える。
ここから山頂までも極楽だった。
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ミズナラが多い | もうすぐ頂上だ |
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稜線を歩いている途中、西から吹いてくる風が湿気を含んで、今にも雨になりそうな感じだったが、 今は大丈夫な感じだった。「ここもええなあ」ミズナラが稜線の両側から覆い被さるようにあり、 最高のロケーションだ。探せば良い山はまだまだあるものだと感心する。
三等三角点、標高1058.9m。13時30分着。 ここも1090同様の平坦で広く雑木に囲まれたピークだった。 朝方出会った二人の男性はもういなかった。 ここで最後の休憩だ。
5分ほどの小憩で下山を開始。地図を見ると823までは比較的 緩やかな斜面である。そこまでも極楽が続くのだった。 |
下山コースも極楽だ | 急いで下るのはもったいない |
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GPSが無ければ地形図をじっくりと見る必要がある。やがて急下りの連続となり、 膝が痛くならないようにゆっくりと下る。 二人はなにかに取り付かれたように走るように下っている。
そうとう長い時間下っているような感覚だ。青いトタンの山神社には 14時35分。 足はガクガクだ。 ここからさらに10分下って里に下りる。明確な参道は無かったように思うのだが、 二人は適当に下っていくのでそれに着いていく。 お年寄りがいたら大ボウシの山名の由来などを聞きたかったが、それは 不明のままの車の回収に再度ハサリ川へ向かう。 羽佐利小屋の写真などを写していたが、車で移動の際窓から木地師の墓が見えた。 単独で来ることがあったら見てみたい。
今回の波佐利山〜大ボウシの地図は
こちら(約300k)
でごらんください。 |