はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『埴生』を参照していただくようお願いいたします。 2010. 1.30. 土曜日 晴れ 気温寒い
先週登った剣尾山はなかなかよかった。特に終盤、等高線のゆるやかな北斜面の雰囲気はなんとも言えない
感じだった。後日、このコースが載っているという『関西の山 日帰り縦走』の該当記事をたぬきさんから
教えてもらったら、『・・・ヤブ漕ぎばかりで、いい加減うんざりしていると・・・』という箇所がある。
年月の及ぼす自然の変化に驚かされる。
同じような地形を歩きたくて、 ここと似たような等高線のゆるやかな所は無いかと地形図を眺めていると、 すぐ近くにあったのです。それはるり渓の近くの山域で南丹市と亀岡市の境界付近。そこには 金山(かなやま)というピークもあるのでそこにも登ってみようと計画する。
とりあえず、るり渓温泉の駐車場が手頃なのでそこに駐車をする。そこから南の尾根を眺めてみると
簡単に取り付けそうな感じだ。駐車場の南側には金網が張り巡らされているのだが、一箇所扉で開いていて
その向こうは『PotePotePark』という公園になっていた。そこを行けば山の斜面に取り付けるはず。
準備をしてスタート。9時15分。いつものようにスタート地点の写真を撮ろうとするとデジカメが
まったく反応しなかった(帰宅後調べたら壊れていた)。
幸い予備のデジカメを車に積んでいたのでそれと交換。なんだかさい先不安だが・・・・。
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ここがポテポテの入り口 | なんと?磐座参道なるものがある |
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遊歩道を山の方向に歩いていくと洋館風の怪しげな水車小屋がある。その脇に小さな立て札で 『磐座参道』なるものがあった。これは幸い。この参道で山に入って行けそうだ。 と、その先には『熊野権現磐祠入口』と立派な石柱まである。これで楽勝かと思ったら その入り口は鹿避けネットで塞がれており『立ち入り禁止』の立て札がある。 参道という公の信仰の道が立ち入り禁止なのは納得がいかない。見るとネットは簡単にくぐれるように なっていたのでそのまま通過する。誰も私の熱い信仰心を止めることはできないのだ!
いくら信仰とは言え、仮にも立ち入り禁止なので、誰かにとがめられない内にと足早やに登っていく。参道はでかい霜柱でそろっと 歩いていてもバリバリと派手な音を立ててくれる。ちょっと身体をかがめ気味で登り切ると そこには東屋があった。ここに権現の祠があるのかと思ったらそうでは無いようで、そこからさらにネットが 通せんぼをしている。しかし横手にはネットが無いのでそこから中に入る。 |
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でかい岩だぞ | 右に回り込むとさらにでかい |
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目の前にでかい岩があった。右に回り込むとさらにでかくて、その面はまるで刃物で 垂直に切断されたようだ。出だしからいきない良い物を見せてもらった。この先に磐座の祠があると思いさらに進んでいく。
あれ?道は下っていこうとしている。はて?祠はいずこぞ? ひょっとして南丹市と亀岡市の境界にあるのだろうか?ならばこれから歩くルートなので そちらへ行こう。ところがその境界には金網のネットがあって、向こう側では重機が なにやら作業をしているのだった。これまた問題が起きそうなので見つからないように 境界尾根のちょっと下を巻くように進む。
絶対見つからないはずだったのに工事のおじさんから呼び止められる。
「ちょっと、ちょっと。その右手に持っているのは何?」って、これはカメラの三脚やけど・・・。
聞くと、この周辺は禁猟区なのにハンターがちょくちょく現れるらしい。きっと工事中にバンバンと
発砲されたことがあったために神経質になっているのだろう。
ハイカーだというと「こんな所歩いているハイカーなんか見たこと無い」とのこと。
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工事のおじさんと話す | 住宅造成地越しに深山を見る |
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無罪放免だったが、もともと金網を越えて工事現場を歩いていたわけでもなく、何の落ち度も 無いのだ。この先も造成地との境界が続くので斜面下を引き続き歩く。 するとまたまたユンボの運転手に呼び止められる。絶対見えないはずなのに〜。 「ハイカーです」と言ってこれまた放免となる。看板でもぶら下げて歩くかな。
620ピークで造成地ともお別れとなり、気兼ねなく歩ける。金網はさらに続くので それに沿えば境界と思っていたら、境界より左に左にと金網が移動している。 変だなと思いつつもそれに沿って進む。なかなか感じの良い落ち葉の尾根だ。 考えたら、結局『熊野権現磐祠』は見つからなかったが、最初に見た大岩の上か裏ぐらいに祠があったのかもしれない。
それまで雑木尾根だったが向こうに植林帯が見える。金網に沿って下りきるとそこは 雑木と植林の植生界の谷だった。きれいな水が流れている。とりあえず金網にある扉を くぐり抜けて鞍部へと行ってみる。その途中、視線の左手の植林の中に変な物が見えたので行ってみると それはオリエンテーリングのポストだった。うっすらとあるこの道は通天湖岸にある『少年自然の家』の 遊歩道(現在は使われていないコース?)のようだった。
暗い植林帯から視界がパッと開けてそこに雑木の鞍部が広がった。ほとんど真っ平らと言ってよく、 しかも広い。これで石仏とか道標でもあれば最高だ。炭焼き窯跡はあったものの それらしき遺物はなかった。耳を澄ませると鳥の鳴き声と、心地よい風が火照った身体をクールダウンしてくれる。 ちょっとした岩に腰を掛けてぼんやり過ごすには最高の場所だ。 |
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めちゃめちゃ広い鞍部だ |
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時計を見ると10時35分。ちょっと遅れ気味なので、名残惜しいが先を急ぐことにする。 先ほどのポストまで戻らずにこの鞍部から登ることにする。どこでも登れるのだが ポストからの道と合流してそのまま登り切ると『6』の標識のある自然の家の正規コースと合流する。
『少年自然の家』の自然散策路には全部で20のクイズポストがある。その6番目に出たのだった。 散策路はここから境界尾根を650ピークまで続いているのでそれを利用する。 当然ながら遊歩道なので道はすこぶる良い。 |
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横尾山の反射板が見えた | 散策路を離れた |
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クイズプレートの『9』を過ぎてジグザグに斜面を登り詰めるとそこは二つのピークがあって、 散策路は650ピークに行く。金山に行くにはもう一つの南のピークから行く必要がある。 ここで剣尾山に登っている矢問さんと無線が繋がる。すぐ向かいのピークだが、あいにくここからは木々が邪魔して見えない。 このピークに展望があれば、南は剣尾山からぐるーっと高岳、大野山、深山、そして半国、小和田と見えるはず。 矢問さんと無線を終了していよいよ金山へ向かう。11時10分。
先ほどまでの散策路と違ってここからは細い踏み跡の尾根となる。この尾根の左側は地形図でも わかるとおりすこぶる緩やかな等高線の谷になっている。山頂までのどこかで下れるような踏み跡があれば、 下山に使用したいと思っていたのだが、それらしいものは無いままに山頂に着く。11時50分、 三等三角点、標高692.3m。
ここで剣尾山の矢問さん、瀞川山でスノーハイクのたぬきさんとの3局で交信できて大満足。
本来ならここで食事をするところだが、狭くて展望も無く、ゆっくりと出来る山頂とは言えない。
実はもっと早く登頂してさっさと下山。そしてるり渓にある『ガーデンズ』というお店で食事をする予定でした。
このときもそのつもりでしたが、あまりの空腹でちょっとだけお腹に食べ物を納める。
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北西の尾根を下る | 左側(谷方向)はゆるやかな斜面 |
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さて、問題は下山のコースだ。山頂までのルートで下山出来そうな道はなかった (道は無くても降りようと思えばどこからでも降りられるが・・・)。 地形図を見て思ったのは、とりあえず571ピークへ続く尾根を下って、その途中から 谷に下ってみようというものだ。いざ降りはじめようと10mほど進んだ所で 京都愛宕山山系の地蔵付近にいたかねちゃんから無線のコールが入ってしばらく立ち話。 そして、歩き始めでコンパスと地形図を再確認するとちょっと方角が違っていた。 かねちゃんのおかげでミスコースせずに済んだ。12時15分。
こちらのルートはさすがにマーキングも皆無で、木々をすり抜けて歩くような箇所もある。
さらに下りのために分岐分岐が難しく、なかなかおもしろい。
標高がさがってくると山仕事の跡などが現れて谷が近いことがわかる。
そのゆるやかな斜面につられるように谷に下っていく。
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降り立った谷も最高だあ |
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そこにはお約束の炭焼き窯跡が点在する緩やかで雑木に囲まれた大きな谷だった。 12時55分。ここにある炭焼きの窯は その大きな谷にふさわしく、今までに見たことないほどどれもでかい。 |
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良い感じだあ | MTBなら乗れ乗れ |
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流れる水もきれい | やがて林道のように広くなる |
林道のように広くなってほとんど平坦で、これが瑠璃渓に繋がっているとはとても 思えない。が、正面奥に東屋が見えて、その前を瑠璃渓の園部川が横切っていた。 昔は橋があったのか橋桁が残っているのだが肝心の橋そのものは無い。 岩を伝えば簡単に川は越えられて瑠璃渓の遊歩道に合流。道標には『通天湖300m 双龍淵680m』とある。 13時15分。先ほどの谷の流れと違って瑠璃渓の水は汚くて臭い。ダムの水だから仕方ないか・・・。 |
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岩伝いに瑠璃渓を越える | 瑠璃渓の遊歩道 |
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ダムの堰堤 | ダム湖の釣り人達 |
ダムの堰堤から再度『少年自然の家』の散策路に入ろうと思ったらこちらからは行けないようだ。 川を渡って遊歩道を歩いたのは失敗だった。仕方なく舗装路を歩いて通天湖を回り込むようにして 『少年自然の家』へ向かう。実はその手前にピンクの建物でベーカリーカフェ『ガーデンズ』という お食事どころがある。13時35分。
そこのハンバーグ定食が超おすすめだ。ここで焼かれているいろんな種類のパンと めちゃジューシーなハンバーグ。これに飲み物がついて900円とリーズナブル。 きたないリュックと服装で入店したのでさぞかし怪しいおっさんと思われたでしょう。 食後、駐車場まで歩きながらの無線で矢問さんと再度繋がる。矢問さんも公民館に到着したようだ。 食事しなければ矢問さんとのアイボールもできたのだが、食欲が勝ってしまったようで 申し訳ない。(^_^;) こんなに良いコースだとわかっていたら、逆に歩くべしだった。 あの谷から入って適当な所から山頂へ行く。そこからも逆コースであの鞍部へ降りて、しばし 休憩。そのまま下山すればこのレストランで食事という贅沢なコース設定はいかがでしょうか。
今回の金山(グミノキ山)の地図は
こちら(約85k)
でごらんください。 |