はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『直見』を参照していただくようお願いいたします。 2010.11.14. 日曜日 晴れ 気温 ふつう
今回のルートも長年温めていたものですが、いつまでたっても行けそうになく、 そろそろ発酵して?きそうなのでこの辺で重い腰を上げることにする。 鉄鈷山だけ登るなら但東越えの峠から登るのが一番手っ取り早いが、それではおもしろくない。 そこで、床尾の三滝という所からのアプローチを考えてみた。
床尾の山を登る際は糸井川を遡るのだが、その途中に『森林総合利用管理施設』なるものが 橋を渡って右手にある。 この施設から床尾(とて)の三滝への遊歩道があるのだった。この遊歩道を利用して 三滝を見物しながら谷を遡行して兵庫と京都の県境尾根に登り、そこから鉄鈷山へ 行こうというのが今日のルートです。
まずは下山用の車を但東越えの峠に一台止めておく。そして『森林総合利用管理施設』に
やってくると、そこは軽トラックなどの車が10台ほど止まっており満車状態だった。
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遊歩道入り口にある小滝 | 整備を終えたおじさんたち |
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準備に手間取っているOAP、TQFさんを待てずに遊歩道に入る。すると上から10名ほどの おじさんたちが手に手に鍬、つるはし、シャベルを担いで降りてくる。ひょっとして!と思い 「遊歩道の整備ですか?」と聞くと、その通りだった。こりゃラッキー! |
一の滝はすぐにあった | 一の滝 |
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二人がやってくるのを待って歩き始めるがすぐに一の滝だった(駐車場より5分ほど)。 滝見だけに訪れたならじっくりと 撮影するのだが、そそくさとシャッターを切って先に進む。後で撮った写真を見たら 案の定あんまり良いのが無かった・・・。 |
二の滝 | 三の滝 |
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予想では二の滝、三の滝は谷のはるか奥にあると思っていたら、これまたあっけなく 出現したのだった。あまり水量が多くなかったのが残念だったが、落差もそこそこあって 山登りの出だしとしては絶好の舞台と言えよう。
だが、遊歩道はあたりまえだがこの三の滝で終点だった。二段になってその奥は
細く奥に狭まった三の滝をどう乗り越えるか?写真に夢中な我々を尻目にOAPさんが左岸から
踏み跡をあるのを発見。今は獣道様だが、あきらかに山仕事に使われたような道だ。
それを証明するように、滝の落ち口付近には石組みで補強した跡もあった。
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小滝が続く | この栃の木が目印 |
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石組みで補強までして道があるということは何かの仕事に使ったはず・・・。そう 思っていると炭焼きの跡があった。奥へ行けばさらに多くの炭焼き跡があるのかもしれない。 どんどん奥へ進んで谷を詰めたいと思っていたら・・・。
「ここから登ろか」と二人。谷を詰めるのはこの辺が潮時と言うことらしい。栃の大木のあるポイントから
支尾根が始まっている。傾斜は急だが薮ではなさそうだ。谷を詰めるのは時間も掛かりそうなので
二人の意見に従うことにする。
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激登りが続く | ようやくおだやかに |
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ここからは激登りが続き、息はゼーゼー、耳鳴りガンガン、心臓バクバク、足はフラフラ・・・。 ようやく緩やかになって息が整い始めた頃に京都と兵庫の境界尾根に到着。11時。 植林もあるが、自然林も残っていてほどよい色づきになっていた。このまま一気に山頂までかと思ったら 雑木を見ながら食事をしようということになった。11時20分頃。 |
哀愁漂う男の背中 | 品の良い紅葉 |
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紅葉 | 黄葉 |
たわいもない話に花を咲かせる。無線もやってみたが葛城山が聞こえたのみでいつもの メンバーからの返答はなかった。11時50分頂上へ向かって再スタート。 |
横着してピークを巻く | 雑木の尾根に復帰 |
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三滝から先の谷が難所かと思って臨んだこのコースだが、途中で支尾根にエスケープしたために 後半は楽勝モードになってしまった。 あのまま谷を詰めたらどんなコースだったのかちょっと心残り。ご飯を食べての登りはつらい。目の前にあった 737ピークは横着して巻いてクリアー。
鉄鈷が近づくにつれて尾根は広く、雑木で落ち葉ふかふかになる。東を覗くとすぐ下に 田谷の集落が近い。そのむこうに見えるのは冨岡山からテッコウ山、深山の尾根だ。 あそこも2003年 に歩いているが良いコースだったなあと三人で思い出す。
「なんで、鉄鈷山って言うんかな?」とOAPさん。実は今回の山行きはその謎の解明のためもありました。 我が意を得たりと説明する私。この山頂には平らな大岩があって、そこで鉄剣を鍛えたために鉄鈷山と 命名された(なにかの本で読んだ記憶がある)のです。その剱は粟鹿峰 (木々が無ければ鉄鈷山から見える)の麓にある粟鹿神社に奉納されているという(事実かどうかは不明)のだった。
以前来たときもこの大岩は確認していましたが、まさかそんな逸話があるとは知らずにいました。
今回見てみると確かに上部は真っ平らでしたよ。神話の時代からこの山が認知されていたということでしょうか。
この近辺でも砂鉄からの製鉄もされていた可能性もあるし、近くの現世には『いもぢ山』という山もあり、
さらに谷を東に越えると居母(いも)山と、鉄関連の名前がぞくぞくと出てくる。
標高775mの鉄鈷山には12時40分着。三角点は無し。時間の余裕もあるし、ここでお茶しておやつを食べる。 ここでも昔話で懐かしむ。朝方は黄砂がひどくて近くも見えなかったほどだったが、樹間からも徐々に晴れ間が覗く ようになっていた。それを期に下山を始める。13時。 |
黄砂が薄れてきた |
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背丈以上ある茅で登りにくかった斜面もなんの問題もなく歩けるようになっていた。 結局、鉄鈷山でもだれにも会わなかった。朝方、 東床尾山に登る桂の木コース入り口には数台の車が止まっていたが ここまで歩いて来る人はなかったようだ。 |
のんび〜り | 峠に降りる |
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峠の但東側に下山。13時半。 車をゆっくり走らせながら周囲の紅葉を愛でる。 『森林総合利用管理施設』には13時50分。短いコースだったので 余裕を持ってのんびりと歩けましたね。
今回の床尾三滝〜鉄鈷山の地図は
こちら(約160k)
でごらんください。 |