はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。 2010. 4.18. 日曜日 晴れ 気温あったか
物忘れの激しいのに我ながら驚く。そもそもは生野のジローさんが、今日が岩屋観音のご開帳なので それを見てから行者岳に登ろうという企画をしたのです。じゃあそのコースは私にお任せあれと考えている途中で ご開帳のことをすっかり忘れてしまいコースをどうするかだけが頭に残っていたのでした。 ジローさんから尋ねられていたのは、 鷲原寺をスタートにして、岩屋観音から行者岳、そこから中央分水嶺を辿って 法道寺山、サデの谷北分岐から分水嶺を離れてムスビ山からクヌギ林を下って鷲原寺ゴールをいう 大回りのコースが可能かとということだった。
可能と言いたいところだが山歩きに慣れていない人には
ちょっとしんどいコースだし、時間内にゴールするためにひたすら歩くだけというのはいかにもおもしろくない。
こんなのがあった、あれはこうだ、あそこに見える山は・・・などと言いながら歩くのがやまあそ流。
そこで考えたのが今回のハーフコース。
集合場所の鷲原寺に到着して大勢の人がいるのを見て今日がご開帳だと思い出す。 あわててお寺に駐車の許可を得る(参拝者の車が優先なので許可が必要です)。 毎月のご開帳と違って春の大祭なので大勢の信者がやってきている。 その人たちをかき分けて観音堂の石仏を見学するのむずかしそうなので、ジローさんに このことを説明して山登りだけに専念しましょうと言う。 まずは岩津不動滝へ向かう。9時10分スタート。 |
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最初にある滝 | 旧道との分岐 |
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道路終点から左手は屋根付きの橋のある岩屋観音の参道だがそちらへは入らずに直進する。 それは不動滝への道だが、当初は遊歩道として整備された ものが徐々に荒れていき所々危なっかしいところもある。 最初のトタン橋(丸木橋の表面にトタンが貼られている)がその旧の遊歩道との分岐で 普通に歩いていると気づかずに通り過ぎてしまう。 |
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旧道にあった手すり | 不動滝遙拝所に着 |
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しばし歩いて対岸を指さすと、そこには旧道にあった鉄製アングルの手すりが 崩れた斜面から川に落ちかけてぶら下がっているのが見える。立派な石垣が 残っているのも見えるのだが、致命的に崩れている箇所もあっていつしか旧道は廃道になったようだ。 トタン橋を三つ渡って不動滝には9時50分着。 |
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不動滝 | 矢印部分にある不動の石仏 |
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遊歩道から見える小滝は不動滝ではなく、その右斜面に大きく流れ落ちているのが 本滝である。実際測ったわけではないが50mぐらいの落差はあるだろう。 中段がテラス状になっており2段(あるいは3段?)の滝とも言える。そのテラスには人工の穴が あって、不動明王の石仏がある。
以前からその存在は知ってはいたが、下見に来たときに斜面をよじ登って
それを写真に撮りました。ほんとはもっと近くで見たかったが岩盤が滑るので
これ以上は近寄れずズームで撮る。石仏の前には『献』、『奉』と二つの石柱。
上には花か、線香を入れる穴があいている。横手には『昭和』の文字もあった。
すべての文字を確認したいので
水量が少ない時に再度調査をしたい。
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不動滝からソマ道へ | 激登りの支尾根 |
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いよいよここからどのガイド本、WEBにも載っていないコースとなる。 昔のソマ人が使っていた炭焼きのための道だ。忠実に辿っていくと『C』の平坦地に出る。 そこには炭焼き窯跡が残っていいてその左手の倒木の奥に続きの道がある。
さらに分岐があって右を選択すると山腹を大きくトラバースして、不動滝の源頭付近を横切りつつ、
やがて『あ』の鞍部にたどり着くことになる(ただし途中から踏み跡不明瞭になるために迷う可能性大)。
今回はさっさりと稜線に出たいので、正面の激登り支尾根を選択。みなさんにちょっと汗をかいてもらいます。
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遊歩道の標識が | たおやかな源頭部を見る |
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稜線には10時45分着。ここはご存じのように中央分水嶺です。 南へ行けば法道寺山から古城山だが今回は北へ向かう。と、そこには 『遊歩道』と彫り文字のあるおおきな標識がある。矢印があって銀山湖とある。 たしかにその方向へ下ると法道谷から銀山湖に至る。 私は2001年 にこのルートを歩いているが、今ではさらに荒れているだろう。 ちなみにこの標識は法道谷が『兵庫森林浴50選』に選ばれた時(昭和59年)に作られたものだと思う。 ほんとに遊歩できるように再整備してほしいものだ。
稜線に出てからはさしたるアップダウンも無く快適に歩ける。目をこらせば樹間から岩屋観音堂も見える。
右手はゆるやかな谷と雑木林。源頭部からは水がしみ出していて、山が水を生んでいるのが実感できる。
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岩屋観音との分岐。下山はここからします | 昔から山頂にある燭台 |
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稜線上の三叉路に到着。11時20分。正面を見下ろすと多々良木ダム湖が見える。ここから右(東方向)へ 向かえば分水嶺のままもっつい山に至る。目的の行者岳は左(西方向)で、樹間から頂上も確認できる。 少し歩くと下山路に予定している分岐があって、 道標には岩屋観音の文字もある。ここからは正真正銘の遊歩道となり11時55分電波反射板のある 行者岳(標高786m)に着。三角点無し。プログラム通り12時に頂上でした。
展望の無い山頂の記憶しか無かったので昼食はこのちょっと北にある展望岩に決めていた。
ところが反射板の周辺は刈り込みがされていて大展望となっていた。北に向かうかやめるかお伺いを
たてるが好きなようにということで展望岩で食事とする。
確かに展望は良いが、岩は全員が憩えるほど大きくないのでやはり頂上がよかったかも・・・。
小一時間ほどゆっくりと過ごす。
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反射板の周囲は刈り払われており展望ばつぐん |
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帰りにその頂上の反射板に寄ってみる。あ〜っ、やっぱりこっちがよかった。 肉眼だと竹田城祉までくっきりと見えています。下山分岐からは長い下り道が始まります。 途中に一カ所、去年の大雨で谷がゴソッと抜けている所があるが慎重にクリアーする。 |
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長い下り道です | 一カ所危険な所あり |
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岩屋観音には14時05分着。とっくにご開帳は終了している。岩屋観音は現在修理中のようで、 入り口付近だけ真新しく、木材の白さが目立っている。入り口付近に転がっていた 古くて傷んだ梁には昭和48年の文字もあることから 30年ほど前にも修理があったのだろうか。外壁の焼き板には鳥が空けた穴が無数にあるのもなんだか痛々しい。 やはり修理が必要なのだろう。 |
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中段にある回廊を歩く | ありがたい聖水? |
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内部も修理が始められていて一部床板も張り替えられていた。入り口から入って右手が岩盤になっていて、 上には『岩屋山観音堂』の扁額がある。その岩盤にはチョロチョロと上部から滴った水が途中のくぼみに 集まっている。そこにはスプーンもある。ということは飲む人がいるということに 他ならないがさすがに私もこれだけは口にできなかった。えっ〜!ともみさんは飲んだって?!
ほんとなら今日のご開帳で16体(15体の石仏と1体の磨崖仏)の貴重な石仏が見られるはずでした。 鎌倉時代の心阿という石工が作ったものだという。なんと法道仙人の像もあるという。 これまで県内では1体しか見たことがないのでぜひとも見たいものだ。 |
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長い石段 | ここにも銀山の痕跡が |
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岩屋観音から長い石段を下りきった所には鐘楼があって、さっそくわーさんがゴーン、ゴーンと 突きまくっている。その脇にある小さな竜王の滝の岩盤には『寛文十二(1672)』銘があり、願主は 生野銀山の山師だとジローさんの説明を聞く。 |
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林道ができたために・・・ | 降りてきました |
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ガシガシ歩くのもいいかもしれないが、やはりこういうふうにいろんなものを見たりしゃべったり しながら歩くのが私は好きだ。道中の会話は楽しく有意義なものだったが、 ここに記するとは不可能なのでほとんど省略した。
今回の岩津不動滝〜行者岳の地図は
こちら(約100k)
でごらんください。 |