はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。 2010. 6.25. 金曜日 晴れ 気温蒸し暑い
生野のジローさんから木曜日の晩にメールがあった。それによると、その日近所の山を うろうろしているとおもしろい所を発見したという。そもそもは猟師に教えてもらった天狗岩を 探していたら偶然見つけたというのだが、 それは古い坑口に向かって流れ落ちる滝が あったという。都合良く金曜日が休みになったので、さっそく案内してもらうことに。
町内からダイレクトにそこへ行ってしまうとあっという間らしいので、ちょっと寄り道しがてら
行くとちょうど良い距離らしい。今は廃校になってしまった奥銀谷小学校の横手から
内山寺への参道を歩いてみる。
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内山寺への参道入り口 | 参道健在なり |
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奥銀谷小学校の横手にある小径を進むと、正面には金比羅さんへの階段。 その右手には『本町地蔵尊』のお堂、さらに右手奥には鹿避けのためのバリケードのある 内山寺への参道入り口がある。とにかく1m進むごとに興味をそそる石仏などが あるので私にとっては目の毒で、通り過ぎるのが辛い。
「この辺から登りましょう」というジローさんに着いていく。太盛山の頂上近くに
TVの共同受信施設があるのだが、そのケーブルがこの辺に降りているのだとか。
それを辿っていくと自然と分水嶺に乗れるのだという。
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さっそく坑道を発見 | 中の水は澄んでいた |
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途中には古い坑道跡がぽっかりと口を開けている。覗いてみると水没していたが 湧き出している水の透明度は高かった。今歩いているケーブル道はこれらの坑道への道 だったということか。途中には石組みの階段まであって驚く。こういうルートを 歴史の道として後世に残していけたらいいのにねえ。 |
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白い線が中央分水嶺です | 太盛山山腹を行く |
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日本の背骨である中央分水嶺に到着してそのまま太盛山方向へ向かう。 住宅地からいとも簡単に中央分水嶺に乗れるというのもここ生野ならではのことだ。 太盛山手前から山腹を巻く。この辺りも炭焼き窯跡などがあったりして、古いソマ道が 残っている。 |
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ここにも | あそこにも |
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「この辺りから下ったような・・・」昨日のことだがジローさんはすでに 記憶が曖昧らしい。とりあえず適当に下っていくとちょっとテラス状の所へ降り立つ。 そこにも古い坑道跡があった。そこから平行に西へ進んでみるとあちこちに穴が・・・。 それを見るだけで昔の山師たちが鉱脈を追いかけるようにして間歩を作っていったのがわかる。 |
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こんな石組みがあった | 後ろの岩が天狗岩? |
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坑口の写真を写し終え、ジローさんの進んだ方向へ行ってみると、そこにはしっかりとした 石組みの道?があった。地元のジローさんさえ知らないという。これらを利用して鉱石を運び降ろしたのだろうか? そのジローさんの後ろにはニョキッと屹立した大岩があった。これが天狗岩か? |
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てっぺんに登ってみる | 精緻に作られた石垣列 |
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「ぜったいこれが天狗岩やで」と私。後ろに回り込んでジローさんに登ってもらう。 この周辺の木々がなかったらそこそこの展望と高度差が楽しめそうだ。 昔の鉱夫たちがこれを見たら天狗のお休み所に見えたに違いない。 この岩の周囲には石垣やら坑口などがいくつもあって、かなりにぎわった場所だと思われる
ジローさんは天狗岩よりも坑口の滝が見つからないのが釈然としないようだ。 周辺をうろうろとしたがそれらしい所はなかったので、こんどは鉱脈を追って東方向へ進んでみる。 「あ、これを行ったんや」と昨日の記憶が戻ってきたようだ。 着いていった私の目に飛び込んできたのは・・・。 |
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中に入ってみる | 水量が多いと良い滝のはず |
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それまでに見たどの坑口よりもすごかった。昔からこうだったのか、あるいは坑道と共に 崩れ落ちたのか、山の斜面にどでかい穴が空いているのだ。 覗いてみると中は土砂で埋まっていて底まで降りると立てそうだ。周囲は岩盤で、横手には 昔の坑道の入り口がいくつかある。頭上からは水が落ちてきているが、地面に吸い込まれているために 池のようにはなっていない。雨などで水量が多いとなかなかの滝と言えそうだ。
一見危険そうには見えないが、地面の下には空洞があるかもしれず踏み抜けばそのまま
漆黒の縦坑に落ちていくわけだ。頭上を見ると今にも落ちてきそうな岩がいくつもある。
ということで誰にもお勧めできるポイントではないので今回は地図も掲載しません。
(地図があってもピンポイントでたどり着くことは難しい所です)
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ズリ斜面を下る | すぐに下界となる |
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この山域は当然だが山ヒルはいます。下界に降りて足元を見ると数匹がうごめいていた。 町の近くにこんな冒険ポイントがあって生野はほんと楽しい町です。 |