はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『音水湖』を参照していただくようお願いいたします。 2010.10.16. 土曜日 晴れ 気温 ふつう
宍粟50山である東山。11年前に初めて登った頃と違い、今では子供でも登れる お手軽な山になってしまいました。ならば、せめて登るルートだけでも工夫をしてみたい。 そこで今回は一宮町にある河原田不動滝から滝を見ながら登ってみようと計画をする。 下りは無難に高野峠へと思っていたらOAPさんがおもしろいコースを提案してくれた。
不動滝の入り口には数台だけ駐車できるスペースがある。10時20分スタート。
不動滝の案内板には気になる山名が書かれている。木戸岩山という聞き慣れない山名だが、
東山の別名なのか、あるいは地形図にある928ピークなのだろうか。
滝の遊歩道入り口から5分ほどで東屋とお堂に到着だ。遊歩道には『南無五体不動明王』と 染め抜かれた幟がいくつかあるが、五体不動とはどういうものか 詳しくはわからない。まず本堂の中を覗いてみる。 |
思ったよりきれいな内部 | 不動が二体 |
---|
中央に二体の不動がある。一体は金仏で半伽像。もう一体は木造の立像。 お堂の入り口には『波乗り不動』とあったが、そのどちらも波には乗っていない。 釈然としないまま滝を見るが、これはすごい。一昨年は東山の下山時に初めて 立ち寄ったのだった。そのときよりはちょっと水量は少ないが 立派な滝である。 |
一の滝 | おもしろい石仏だ |
---|
滝の中程の位置に石仏が祀っているのが見える。鎖をたよりにそこまで 登ってみる。TQFさんが「かっぱかな、亀かなあ?」などとわけのわからないことを言っている。 かっぱや、亀の石仏などあろうはずがない。よくよく見ると、役行者の基台部分にその従者である 前鬼、後鬼が彫られているのだが、それがなんとも不思議な姿をしているのだった。
さて、ここから上流にはどう行くのか?右手に踏み跡があるのでそれを登ると
作業道に出てしまい、先ほどまでの踏み跡は行方不明。OAPさんが「こっちに続きがあるで」と
先を行く。なかなかよく踏まれた道だ。
|
よく踏まれた道だ | 黄不動のある六の滝 |
---|
さきほどの一の滝の落ち口を越えたと思える頃、左下を見るともう次の滝が見えている。 あわててそこから沢へ下ると向こう岸にろうそくを立てる燭台もあり、飛び石で向こうへ渡ると道もあった。 これまた立派な滝で右上には祠もある。望遠で写すと『黄不動明王』と書かれており、文字通り不動明王の 石仏が安置されているのが見えた。五体不動とはそれら不動のバリエーションを表しているのだった。 |
七の滝(別名夫婦滝) | 近くに寄ると滝のでかさがわかる |
---|
次の滝もよかった。この時点では三つ目の滝だとばかり思っていたのだが、実はこれが七つ目最終の滝だったのだ。 別名夫婦滝とあるのは右手の岩盤にも水が流れているためにそういう別名があるのだった。 今日は水量が少ないために夫婦の滝にはなっていなかった。 さきほど同様に右上に祠があるのだが、中はからっぽだった。はたして盗まれたのか? |
伐採された杉が行く手をふさぐ | 索道で吊された杉 |
---|
この滝の先には明るく広い谷なのだが、谷は伐採された杉で埋め尽くされていた。 しかも、その杉はいままさに搬出されている真っ最中ではないか! いったいどうすればいいのか? 右上に作業道があったのでそれで迂回できるか少し歩いてみる。 が、下に下っていくようだったのでキャンセル。 OAPさんが「索道の真下を駆け抜けて谷に戻ろう!」と言うが早いか、走り始める。 作業員から怒られる声もなくなんとか谷に復帰できた。 |
谷に復帰 | 作業小屋でもあったのだろうか |
---|
まさか植林の搬出作業のど真ん中を駆け抜けようとは思いも寄らなかった。 (そのへんの迷走は地図をごらんあれ) 復帰した谷には踏み跡も無いが、流れに沿って歩けば大丈夫だ。 傾斜も緩やかで植林の中には広い平坦地もある。OAPさんがストックで 地面を突いている箇所を見ると、そこには茶碗やら急須やらが転がっていた。 植林作業の際の小屋でもあったのかもしれない。 |
林道終点に出た | 谷の奥にある五右衛門風呂 |
---|
なんやかんやで予定していた林道の終点にドンぴしゃで出た。時間はもう 12時10分だ。とうぜん空腹だが、山頂まではあとわずかなので 辛抱する。この林道終点から始まるソマ道を少し行くと ズリがうずたかく積もった平坦地に出る。
そこに残された五右衛門風呂の釜が、ここが近代の鉱山跡であることを示している。
見える範囲で坑口などは無かった。
TQFさんが何かを拾ったようで、見せてもらうと紫水晶だった。
周辺を丹念に調べればなにか二次鉱物も採集できるかもしれない。
我々はとにかく山頂へ急ぐべく支尾根に取り付く。
|
おなじみの稜線に出た | 林道に寸断されていた |
---|
支尾根の傾斜は急だったが案外あっさりと稜線に出られた。12時35分。 ここから山頂まではそんなに距離は無い。展望は無いが気持ちの良い尾根の記憶がある。 ところがなんと林道が尾根を横切っている。どこから登ってきているのか、はたまた何のための 林道なのかまったく不明。道を付けるなと、山を削るなと、自然を破壊するなと、好きなようにやっとくれ!
山頂には13時ジャスト。さっそく食事をする。この時期は温かいものか冷たいものか 、何を食べて良いのかわからないが、飲んべえの二人は一年を通じてお酒は 欠かすわけにはいかないようだ。 |
展望台からの展望(ほぼ北方面) |
---|
展望台からの展望も昔より良くなっている。あの山、この山と同定していくが、 だいたい登り尽くした感がある。無線もやってみたがOAPさん曰く、この山は あまりロケが良くないらしい。誰とも繋がらず下山の準備をする。 |
山頂付近にある感じの良いエリア | 928ポイント通過 |
---|
13時45分下山開始。とりあえず稜線上にある遊歩道をフォレストステーションへ向かって歩く。 この稜線はMTBが楽しめるのだが今日は残念なことに歩きだあ。 新設の三角点がある928ピークには14時10分。 写真にあるベンチの裏手を下ると高野峠へ至るのだが、そのまま前進を続ける。 このまま遊歩道を下っていくと舗装路に出てしまう。 |
これを下るとオートキャンプ場だ | 天の川周回コースを行く |
---|
OAPさんの提案は地図の『J』から支尾根を下ってオートキャンプ場にある『天の川周回コース』という 遊歩道に復帰するというものだった。激下りでちょっと薮っぽい支尾根を下りきると目の前に 天の川の遊歩道が現れて、無事に合流。
左下にはオートキャンプ場を利用している車が見える。オートキャンプなどという
優雅なキャンプは経験が無いが、自分の周辺に大勢の他人がいるキャンプって
キャンプの意味が無いように思うのは私だけか。
高低差もないこの遊歩道はキャンプ場のお客には良い散歩道だ。 東屋を過ぎて 二つ目の小ピークは芝生の小山だった。 真ん中に旗でも立っていたらそれこそゴルフ場のグリーンだ。 |
展望台からの展望(ほぼ北方面) |
---|
その先の小山は芝生の広場だった。14時50分。小さな建物は天体観測のものらしいが現在は休止中ということだ。 北を見ると阿舎利と三久安が見える。こんなところでのんびり昼寝ができたら さぞかし気持ちが良いだろう。ここにテントを張るのは御法度かな? |
黒矢印は三角点 | 白龍の滝 |
---|
最終のピークには三角点があった。そこからは29号線上野の町が見える。ここも のんびりポイントです。道は無くなったがかまわずに降りていくと 滝見の道と合流する。すぐにあるのが白龍の滝だ。階段状になっていて 迫力は感じられないが水量があればおもしろい滝だ。 そのまま参道を下って駐車ポイントには15時15分。ハプニングはあったものの 思ったより快適に山頂まで行けたね。
今回の東山の地図は
こちら(約145k)
でごらんください。 |