はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『埴生』、『亀岡』、『妙見山』、『法貴』を参照していただくようお願いいたします。 2010.12. 5. 日曜日 晴れ 気温 あったか
先週に引き続いてM氏とMTBで遊ぶことになった。だいたいの予定も考えていたのだが、最新の 織田(おりた)さんのレポート が気になったのでそちらのコースに変更をする。それは亀岡市にある朝日山だ。 織田さんの記述の中に『恐らく山頂からMTBだとほぼ全乗りの状態で下れそうだ』というのと 『尾根伝いに丁塚山にも行けるかも知れない』という箇所にビビッと反応してしまう。
地図で確認すると朝日山だけだと短時間で終わってしまいそうだが、その南東にある丁塚山まで行けると
半日は充分に遊べそうだ。ネットで調べてみると丁塚山には大本教の教祖である出口王仁三郎が
修行したという洞窟もあるらしい。これはぜひとも行かねば。てなわけで、スタート地点である神蔵寺には9時40分。
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この道をまっすぐに | もちろんお寺の許可はもらってます |
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臨済宗のお寺である神蔵寺の本尊は薬師如来で西国薬師霊場にもなっている。 庫裏周辺もきれいに掃き清められている。私の リュックの後ろで熊鈴が鳴っているので、 それを聞かれてか、お寺の奥さんが玄関に出てこられた。これから朝日山に 登らせてもらいますとことわりを入れてM氏のもとに帰る。
M氏はデジカメのメモリーカードがエラーで反応しないと騒いでいた。
本体からカードを取り出して接点を手袋で拭いて再挿入するように言うと、
今度は「こんなことで直るんか〜」とまたまた騒いでいる。静かなお寺には似つかわしくない人物だ。
さっそくMTBにまたぐが谷に沿った林道は急斜面ですぐに乗れなくなる。
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道標が案内してくれる | 作業道も広くてフラット |
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いくつめかの砂防ダムから左に大きく曲がる。ここから作業道となるもそれはフラットで MTBでも乗れる。深い朝霧で朝日がその隙間から差し込むと、なんとも言えない雰囲気の良さだ。 ぐるーっと山腹を巻き込んで谷から支尾根に合流した付近で作業道は終点となる。 そこからはジグザグの山道となるのでMTBは担ぎだ。 この時点で汗びっしょりなので先週同様に半袖になる。10時07分。 |
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松茸山です | 雲中供養菩薩像 |
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ジグザグの山道にはビニールのタフロープが張り巡らされている。 ようするに松茸山ということだ。汗だくだくで登っていくと『展望台』という標識に目がいく。 ちょっと脇道だがタフロープを乗り越えるとそこには菩薩像(平等院の雲中供養菩薩像を 模したもので笙という楽器を持っているはずだが、それは失われていた)が安置されており、 そこからは心奪われるような展望が広がっていた。
山道を登っていて、いつのまにか朝霧が晴れたと思っていたら、それは雲海を突き抜けていたのだった。 雲海の向こうに見えるのは愛宕山だ。こうやってみると亀岡はまるで湖に沈んだ町のようだ。 無感動、無責任、無関心が信条のM氏もさすがに感動していた。 「しかし、なんやなあ。写真にしたら真っ白で、なにがなにかわからんなあ」と文句だけは言うのだった。
感動さめやらぬまま稜線には10時35分着。稜線は広くていかにもMTBが乗れそうな雰囲気がある。 そして織田さんのレポートにもあるように、登ってきたコースも下りに使うと全乗り間違いなしだ。 山頂とは反対方向も見る限りヤブではなさそうだ。と、足元を見ると倒れた道標があった。 それには『南東 尾根道コース(林道に出る)』とある。おお!道があるってことだ。 |
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鉱山跡? | 朝日山山頂? |
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山頂へ向かうが途中に変なところがあった。それは稜線が大きく窪んでいて あきらかに人工的なくぼみに見える。M氏とともに周辺を探ると坑口のような穴がいくつかあった。 いずれも中はふさがっているがどうみても鉱山跡のようだ。こんな稜線上にあるなんてめずらしいなあと 思いつつ進んでいくとあっさりと山頂に着。10時48分。
山頂はそこそこ広くて東方向に開けている。これから行くであろう丁塚山も見えていて雲海はまだ健在だった。
えらい短い距離だったなあと地形図を見ると、な、なんとここは三角点のある朝日山ではなかった。
よく見るとなるほど、ここは最高峰の460+mで麓の集落とか神蔵寺からも見えるので地元からすると
ここが山頂になるのだった。三角点ピークは441.8mで
ここよりさらに東に奥まった所にある。
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三角点への尾根道は乗れる | 朝日山三角点山頂 |
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三等三角点のある山頂には11時。さきほどの最高峰にもあったが、こちらにも多くの登頂標がぶらさがっていた。 ちょっとした広場だが展望は皆無。とりあえず最高峰へ戻る。 雲海は晴れつつあり、その下から町が現れ始めていた。さて、昼食には早すぎるし懸案の南東尾根へ突入してみますか。 |
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湖底から町が現れた | 南東尾根も乗れ乗れだ |
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ひゃ〜っ!! | ほえ〜っ! |
神蔵寺分岐も過ぎても乗車率は高い。二人で雄叫びをあげながら走っていると またもや驚きのポイントに遭遇する。 |
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またまた坑口跡 | あり地獄へ滑り落ちるM氏 |
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最初に見た鉱山跡に懐疑的なM氏も今度のものには驚いたようだった。ここも土砂で埋もれてはいるが、 坑口の横には石垣跡などもあって近代のもののように思えた。その横手には露天掘りだったのだろうか、 大きなくぼみがあってまるであり地獄のようだった。 何が採れたのか二人で考えるもまったくわからず再スタート。
もうすぐ林道か。ふと右手方向に樹間から見えるのは、なんと半国山、加舎の里ゴルフ場、小和田山という
二人にはおなじみな北摂の山だった。
考えればあたりまえの展望だが、改めて自分たちのいる山域が確認できたのだった。
林道には11時35分着。『あ』は神蔵寺方面と書かれている。『い』、『う』は不明。 というか、二人とも地形図を読み間違えていて『あ』に行くべき所を『う』へ走ってしまった。 乗れないダートの登りを押し上げるとそこは林道の終点だった。「あれ?ここって地形図ではどこかな?」 脳内酸素が少なくなっているのか、はたまた迎えるべき認知症がやってきたのか、二人ともこの終点から ヤブを下れば道があると信じ込んでいた。
とりあえず落ち葉に座り込んで昼食。食べ終わって終点から薄い踏み跡をMTBで下ると いきなり道は無くなる。ここでようやくミスコースに気が付く。 で、さきほどの林道出会いに戻ってようやく我に返るのだった。 気を取り直してダート林道を『あ』方向へ下る。12時35分頃。 |
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またまたまた坑口跡 | ずーーーっと続いてます |
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林道脇に穴蔵を発見。M氏は走っているときは周囲が見えない体質なので、そのまま素通りしそうになる。 呼び戻して二人で中に入る。ライトをM氏に渡して先頭を行ってもらう。私はその後ろ3mほどを着いていく。 高性能のライトで照らしても果てしなく奥まであるようだ。無風のためにほこりが舞い上がってライトの光で それがわかる。空気はぬるいような感じで舞い上がったほこりが嫌だ。
M氏を先頭にしたのは、洞窟で無酸素状態になるとバッタリと倒れてそのままお陀仏になるために
M氏をカナリアに仕立てたのだった。。
M氏もそれに気が付いたのかもうこれ以上奥に行くのは嫌だと言い始めた。
仕方なく後戻りする。人が一人充分に歩けるだけの穴で手堀りにしては穴が大きいし、
林道に隣接していることから近代のものと思われる
(帰宅後調べてみるとマンガンが採れたらしい)。
おっ!なんか標識がある。MTBをストップ。『え』を下ればシングルトラックで神蔵寺に降りられるようだ。 覗いてみると確かにええ道が下っていた。我々はとりあえず『お』を行き、途中から丁塚山へ向かわねばならない。 写真でわかるように林道と言いながら、実際は軽トラックがなんとか走れるほどの道幅だ。路面はダートだがすこぶる良い。
快適にダート林道を駆け下って下っていくと谷に下り始めた。おや?あるはずの丁塚山への分岐の道が見つからない。
ちょっと戻って右の尾根に乗っかる。そこには歩きには問題ないがMTBでは無理っぽいヤブの踏み跡があった。
MTBをデポして歩きで向かってもよかったがなにやら気が進まなかった。
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林道を走る。ゴール間近 | ため池の向こうに愛宕山 |
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後から思うと出口王仁三郎の洞窟は見るべしだったなあ。暗い林道を抜けるとそこにはため池が。 その左手にはお寺の駐車場。時間は13時20分。まだまだ余裕があっただけに あそこからヤブをかき分けて歩いてもそれほど時間は掛からなかっただろう。
今回の朝日山の地図は
こちら(約100k)
でごらんください。 |