はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『西河内』を参照していただくようお願いいたします。 2009. 6. 7. 日曜日 晴れ 気温蒸し暑い
表題の
竹呂山〜三室山は
今からちょうど10年前の1999年の5月に単独で行っています。
今でこそ宍粟50山に選定されて登る人もぼちぼち増えてきた竹呂山ですが、当時はどこから登って良いものかも
さっぱりわからない状態でした。それが割と簡単に登れてしまったために?竹呂山頂から三室山まで激ヤブの尾根を単独で縦走してしまったことは
今考えてもちょっと無謀だったかも。先日「笹の勢いが弱くなったから行ってみよう」というOAPさんの発案で
10年ぶりに歩くことになった。
ルートは前回通りに竹呂から三室へ登るルートを取る。反対の方が下り基調なので楽そうに思えるが、 進路も見えないヤブの下りは無謀以外の何物でもない。とりあえず、 三室の登山口手前の林道空き地(野外活動センター跡から林道を上る)にTQFさんの車を1台止めておいて、 OAPさんの車で竹呂の林道を詰める。
我々とは別に2台の車が林道の終点に止まっていた。OAPさんの知り合いらしい。 我々も準備を済ませ9時20分スタート。『1』は谷と詰めて竹呂と三室の中間にある鞍部に出る公式ルート。 『2』は目の前にある支尾根を登るこれも公式ルート。我々はそのどれでもない10年前とまったく同じ『3』のルートを取る。 OAPさんも『3』がお気に入りのようだった。 |
矢印は地図の『A』ポイント | 871付近は歩きよい |
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薄暗い谷から地図の『A』ポイントへ向かって登る。ここまでは10年前には無かった作業道で楽に登れるが 『A』からは激登りだ。しっかり汗をかいた頃に支尾根に到着する。 ここからはコナラの雑木帯で気持ち良く登れる。竹呂の頂上間近になると等高線が混んできて 傾斜が急になると共に、周囲は植林帯となる。10年前は杉の幼木で張り出した枝で前に進むことさえ出来ずに いたのだが、現在はそれも無くなりスイスイと登って行けた。
山頂には10時10分着。三角点には先行のグループがいたのでパスして そのまま縦走路へ入る。OAPさんは知り合いなのでご挨拶している。 そのあいだにTQFさんと鞍部近くまで行く。鞍部には林道への下山道表示と 大トチの木がある。10年前は竹呂の山頂もこの鞍部も笹が生い茂っていたのだが、今はまったく何もなく ダラッとした平坦地になっていて月日のもたらす変化に驚く。
鞍部から三室方向に歩き始めるが 10年前の記憶がウソのように笹がない。極々普通の山道だ。頭上にはサラサドウダンの花も咲いていて ひょっとしてこのままこの状態で三室まで行けるのではないだろうかという錯覚を覚える。 下ショウ台と呼ばれる1198のピーク手前から笹が出現し始める。 まだ周囲が見渡せる生え具合だったので「左から巻いて行こう」とOAPさん。 まばらな笹の向こうには誰の手にも触れられていないであろうブナやミズナラがある。 それらを見ながらあっさりと下ショウ台に到着。10時50分。
竹呂の山頂から写真を撮りながらのんびり歩いて40分。10年前は必死で登って1時間。 あきらかに楽になっています。OAPさんとTQFさんは泡のジュースでエネルギー補給。 そして三人共これからあるはずの笹藪に備えて長袖のシャツを羽織ります。 |
笹を足で踏みつけ両手で広げ・・・ | ちょっとくつろげる空間 |
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地形図で確認すると下ショウ台から三室まではほんのちょっとの距離だ。 普通の尾根だと30分強ぐらいだろう。しかし、目の前には3mを超す根曲がり竹の ヤブが待ちかまえていた。両手で広げ、足で踏みつけて自分の進むスペースを確保する。 「足はしんどくないのに手が疲れた〜」と声が出る。 三人で進めば楽だと思うだろうが、雪のラッセルと違い笹の場合は各人がかき分けないと 進むことが出来ない。しかも下手に前の人に近づくと跳ね返りの笹で痛い目にあう。
意識していなくても微妙に笹の開いている空間を進んで行く。したがってそのルートには 野生動物の痕跡が驚くほど多い。大げさでなく数mおきにウンチが落ちているのだ。 「熊のウンチやなあ」三人なのでうるさくて熊避けになるだろうが単独だと不安になるだろう。 1242mの中ショウ台付近で一息ついて第二波攻撃に備える。 下ショウ台よりここまで35分かかった。 閉所恐怖症の人もこのルートは無理だ。周囲を笹で囲まれて視界も無いし、その笹が無限に続くような 錯覚もあるのだ。10年前はそれが3時間も続いたのです。 今回は途中に何カ所か笹のまばらな所があって、そこで一息つくことが出来た。 後ろを振り返るとガスの間から下界も見えたりする。
TQFさんのスパッツが破れている。枯れた笹が突き刺さって足が傷だらけになるので、 ほんと言うとスパッツよりネオプレーンの脚絆のようなものが有効だ。ズボンも新素材の登山用よりも Gパンの方が破れないので良い。首からゴミが入るので襟を立てるかタオルを 巻くのも良い。さらに眼鏡を笹で飛ばされないようにする工夫も必要だ。
残雪期にCa1300mのピークを歩くとわかるのだが、ここは両側が切れ落ちた岩の上だ。
周囲はベニとサラサが咲いている。木の枝やら岩を持って降りれば問題ないが、雪のシーズンは
飛び降りるか、東斜面を滑り落ちないようにトラバースの必要がある唯一の難所である。
「登山道合流まであと○○m!」その声に励まされ?最後の激ヤブをくぐり抜けて登山道に飛び出る。 竹呂から2時間半だった。10年前より1時間も短縮していた。 あきらかに笹の勢いが無くなっている。というか、勢いの無い所があるというべきか。 かといっておすすめできるルートではない。途中には熊の寝床もあったし、できれば そっとしておいてあげたい所だ。
三室山頂には12時45分。ガスで展望は無い。とりあえず昼食を摂って一息つく。 先週歩いた分水嶺のルートを今日はしみけんさん達が歩いている。無線で連絡を取る。 丹波の親不知にはたぬきさん夫婦が登っている。そうこうしている間に親子連れ、単独女性などが 登ってきたのでそろそろ下山する。13時25分。
通常の登山道で下るので快適のはずだったが、路面はヌタヌタで滑りやすくて 快適とはほど遠い。油断すると滑って尻餅をつきそうだ。下から小学校低学年と思える女の子と父親が登ってきたが 普通の靴だったので歩きにくいだろうと気の毒に思えた。我々は途中からショートカットして 登山口のすぐ上で復帰。そのまま林道を歩いて駐車ポイントには14時25分着。 今回の竹呂山〜三室山の地図は こちら(約85k) でごらんください。 |