はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『長谷』を参照していただくようお願いいたします。 2009.12.12. 土曜日 晴れ後小雨 気温寒い
今回のルートは神河町の南小田にある『南小田第一発電所』から、
地形図に記載されている点線ルートで
太田滝を経て太田池へ行くのが前半。後半は以前から考えていたコース(秘密)を辿って周回のはずだった・・・。
はずだったと言うのは、この太田池までがすごく手強いコースだったからです。
そうとは知らずにお手軽コースだと思いこんだいつものメンバー(OAPさん、TQFさん、わーさん)と
私は魔のコースへと入り込む。
赤さびた鉄の門扉前に駐車して9時40分スタート。果たしてここを歩いて良いものか、 いけないのかもわからぬまま門扉を超す。すぐに行き止まりになるのだが、そこには『進入禁止』の 立て札がある。ありゃ〜、だめかと思ったら右手の植林の前に『太田池へ 約3.9km』と立て札がある。 つまりここが古い遊歩道だったと言うわけだ。これは今初めて知った心強い事実。 |
古い道標があった | 目の前は三椏の群落 |
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暗い植林の中の道は崩壊が進んでいる。右上に林道があるのでそちらへ移動する。 正面に川があって、その向こうは三椏のすごい群落がある。そちらへ道があるので 橋のない川を渡るが、濡れた石に足を滑らせてズボっと水に片足がはまる。 スパッツのおかげで濡れなかったがなにやら不安なさい先。 みごとな三椏だったがその先はまたもや行き止まり。
仕方なく林道があるはずの右斜面へ三椏をかき分けて登る。するとすごい石垣と平坦地があった。 桑畑の跡だろうか。石垣を回り込むと偽木の階段があったのでここが遊歩道の続きだ。 倒木を乗り越えながら進んでいくと再度林道に出た。遊歩道は林道の右斜面を登っていて、 林道と平行に続いているようだが、見た感じでは歩けそうにないのでそのまま林道を行く。 (早い話が、ずーっと林道を歩けばよかったということ)
枯れたタケニグサをかき分けながら進む。所々にジャケツイバラがあって、さっそくOAPさんが
捕まっている。その先で『うぐいす滝』の標識を発見。聞いたことのない滝だったので
こんな所にあるのかと驚く。きっと昔はよく見えたのだろうと思える場所だったが木々が
邪魔をして良く見えない。しかし、すごい滝だ。優に20mはあるし、水量も多い
(太田池からの放水が多かった?)。時間が無く下に降りられなかったのが残念。
林道はさらにひどくなっていく。岩がごろごろで、しかもその岩は滑りやすいときている。 この時期だからマシだが、タケニグサが生い茂るともう歩けないだろう。 林道は右に折れているが正面を行くとそこは行き止まり。仕方なく再度右斜面をよじ登る。 |
はるか向こうに太田滝(ズームで撮影) | 振り返ると深い谷だ |
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けっこう高くまで登ってきたみたいで正面を眺めると遠くに滝が見えた。 あれが目的の太田滝だ。後ろを振り返るとV字の谷の深さがよくわかる。 しかし、この林道のおかげでずいぶんと時間が掛かってしまった。 あの滝の方向に歩きたいのだがその道は無いようで、とりあえず林道の跡らしきものを たどるしかない。
メンバー達はさすがにうんざりというような感じだったが、私はそれなりに楽しかった。 ただ、スムースに滝に行けなかったのが残念でならない。斜面をよじ登りきると 、なんとそこには林道があった。11時50分。そこから太田湖はわずかの距離だが、 この林道の反対方向はどこに続いているのだろうか?興味有りだ。 |
無人の太田湖ダム湖堰堤 |
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谷を登っているときは空は真っ青だったのに、太田池に着いたときはどんよりと曇っていて 今にも雨が降りそうだった。というより、小雨が降り始めて風も冷たい。 どこか雨宿りできそうな所でお昼にしたい。ダムの管理事務所は無人で雨宿り出来そうな 感じではない。 門の外に出ると『立ち入り禁止』の看板があった。心の中で関係者各位に陳謝する。 門の外には太田池を眺める公園があってそこで食事を済ませる。 ここから予定通りのコースを進もうかとも思ったが天気も悪いし、再度進入禁止のダムへ入る 必要があることから躊躇する。
そこで考えたのが、ここから舗装路を砥峰高原方向に歩いて、黒岩滝コースから
下山をしようというものだ(後で考えたら、予定通りのコースにすれば
下山時間も早かったと思う)。
太田滝も見たかったが雨が降りそうなのでパスして林道を行く。 しばらく歩くだけで 林道歩きはつまらないとわーさんが吠える。私も同じ気持ちだが仕方ない。 やがて雨も本降りになってきたちょうどその時、左の植林の中に道を発見する。 いっそここから下山しようかと踏み込んでみると、なんとそこには水路があった。
横手には古〜い木製の道標が立てかけられていた。『峰山高原へ 約5粁』その下には 『峰山・砥峰高原登山路略図』というのがあるのだが赤外線でないと判読できそうにないほど 消えかかっている。 「昔は『峰山バス』というのがあって、峰山高原は登山の定番コースやったんや。40年前にも この水路はあったなあ・・・」と、遠くを見るようにOAPさん。
そもそも登山口にあった『南小田第一発電所』は明治42年に建設されて(ちょうど100年前!!)、その貯水池である太田池へ
峰山高原の水を導くために作られたのがこの水路です。
よく見れば水路の石組みなどは古い感じがしています。それと何カ所か岩をくり貫いた隧道の所もある。
ほとんどは向こう側が見えている程度の距離だが、一つ長いのがあった。中を歩いてみたいなあ・・・。
水路を流れる水量は少ない。防水の登山靴ならなんとか歩けるぐらいだ。 もうそろそろ黒岩滝への下山口と合流するはずだと思っていたら通行止めのバリケードが現れる。 その向こうに『仏岩』があった。まあ、単なる岩ですけど・・・。 バリケードの原因は水路が崩れているからだった。
水路を支えている斜面が崩れたために水路も壊れているのだった。そのために
水路へ水を流すのを止めているのだろう。特に危険もなく通過すると、そこが黒岩滝への下山口だった。
14時25分。先ほどの水路の土砂崩れはこの下山道を直撃していて、どこが登山道だかわからない。
TQFさんはダイレクトに滝へ下っている。危ないと思うけど・・・。
滝はすごい水量で轟々と音をたてている。滝から滑りやすい岩場を経て登山道へ復帰する。 ここからは楽勝のはずだったが、途中に登山道が崩落している箇所もある。 こりゃ、危ないんちゃうん?と思いつつ舗装路に到着すると、登山道の入り口には『山腹崩壊のため 黒岩の滝 立ち入り禁止』とあった。15時25分。
あとは舗装路を延々歩く。こんなことなら当初のコースを歩くべきだった。
GPSによると今日のコースは15kmになるそうだ。前半はイバラに痛めつけられ、
その後は雨で濡れて、最後の長い舗装路で足もパンパン。
それはそうと今日は何回立ち入り禁止と出会ったのかなあ。
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