もっつい山オフ

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。

2009.12. 6.  日曜日  小雨後晴れ  気温ふつう
生野はなんと言っても銀鉱山で有名だが、播磨で多くの寺院を開基した7世紀の怪人、法道仙人に とっても聖地と言える場所である。 生野で生まれ育ったジローさんも興味があるようなので、その聖地である法道谷を 案内することになった。 ついでなので谷を詰めたピークであるもっつい山にも登ってみよう。 掲示板で参加者を募集すると多くの方が来てくれた。

今回の最初の目的地は法道谷の奥にある『行者穴』の見学である。 その発見に至る経過は2006年7月の 法道寺渓谷という レポートに詳しく書いているので、今回はほとんど書くことはなさそうだ。(^_^;)

今回ちょっとしたハプニングがあった。一つは もっつい山の頂上から下山コースに設定していた途中に地滑りポイントがあって 女性、子供には下山が困難なことがわかったのです(数日前に下見しました)。 このコースは巡視路なので本来なら簡単に下山可能。しかも生野でも有数の 展望尾根なので使用出来ないのは残念ですが仕方ありません。

大日如来に安全を祈願

二つ目は参加者の中に小学生高学年の子供がいるとジローさんからの連絡があった。 ちょっとしんどいかもしれないが、大丈夫だろうと安易に考えていたら、 なんと4人の女の子たちです。しかも世話をすると言っていたジローさんは 二日酔いでゲロゲロ状態。ジローならぬゲローさんです。

とりあえず、出発に際して山行きの安全を祈願するために、貸しボートの発着場にある 大日如来の石仏にお願いをする。 オフでいつも気になるのが天気なのだが、出発前なのに霧雨が降っている。 この時点で子供達との頂上は無理だと判断して途中でのUターンも考慮に入れる。

元気にスタートここを渡って右に折れると一の滝

簡単な自己紹介をして9時20分スタート。子供達は遠足気分で、林道の水たまりに足が入ることにすら 大騒ぎしている。とりあえず彼女らの世話は私がすると決めて、足早に先頭を行く彼女らの行動を カルガモの親のように見守る。最初にある石組みの橋梁を渡って右に折れると一の滝(布引の滝)だ。
一の滝(布引の滝)二の滝

そして次の同じような落ちた橋を渡って右に折れると二の滝となる。 一の滝と二の滝の間にある平坦地には 石の祠の中に安置された地蔵菩薩がある。光背部分に彫られている 『安永三(1774)年  午十月吉日』と説明してもわからないので、 アメリカの独立戦争の前の年だと言うと、ドイツからの参加者である エマ君も納得。ここまで見送りに来てくれていたやまごさんと別れる。
観音屋敷跡?二の滝の上にある谷を歩く

二の滝を越えるソマ道がある。ここが最初の危険ポイント。子供達は私が先導して事なきを得たが、 ジローさんは降りてはいけないところから降りたために、川底の岩盤に立ったまま、ツツッ〜っと滝の落ち口に向かって スケーティングしている。裏人さんが手を引っ張ったので滑落を免れた。
行者穴横手にある『浄土岩』?

法道仙人が修行したという『行者穴』には10時40分(良いペースだ)。 ここで観音像を彫ったと言われるのだが、穴の入り口付近が崩れており、 よじ登るのもやっかいな感じで奥がどうなっているのかはうかがい知れない。 その横手に垂直にそびえ立つ岩がある。ひょっとしたらこれが『浄土岩』と呼ばれる ものかもしれない。その岩盤には古いリングボルトが残置されているのがわかる。 つまり過去に登山家がここでクライミングをしていたといことに他ならない。
ここから入るとここに出る

この先からいくつかの危険地帯が続く。子供達には安全コース(といっても危ないのだが)を行かせて 他のメンバーは上の写真コースを行く。洞窟のような感じになっていて、中を川が流れている不思議な 空間だ。この上からようやく穏やかなナメの川筋となる。
もう安全ナメが続く

この辺りでふと気が付いたのだが、頭上の空が晴れている。 しかも不安だった子供達は大人以上に足が速くて、しかもタフだ。 危険な場所もコツを言うだけですいすいと登っていく。これなら山頂まで充分登れそうだ。 もうしばらくカルガモの親を演じてみよう。
ここから分水嶺に乗る最後の激登り

ナメが終わって大きなヌタ場が正面に現れたら、そこから右折れに進む。こちらも ヌタっている箇所が多いので、再度川の中を歩くことになるが、水も少なくなって 石もゴロゴロとしていて歩きにくい。その川も左右にきれいに分かれているいる所まで来る。 どちらを歩いても良いが左を選択。途中で尾根と隣合う所があるのでその尾根に乗る。

この尾根が何あろう中央分水嶺だ。子供達にそれを説明するがわかってもらえたかな? 最後の激登りをクリアーするともっつい山の頂上となる。子供達は長靴が脱げそうだと言っては 大騒ぎしながら、それでも先頭を維持して登り切った。四等三角点、標高775.7m、12時10分。

大勢で登りました

子供達とジローさんは奥銀谷小学校に通っていたのだが、その学校も廃校となり、彼女たちは 統合された別の小学校に通っている。「君らはこの山頂に奥銀谷小学校始まって以来の初登頂だと思う。 そこで万歳三唱をしよう!!」と、私の提案でバンザイをする。(彼女らのかわいいバンザイ動画もあるのだが アップできないのが残念)

13時下山開始。レポートの始めに書いたように、当初のルートが使えないので、先週登りに使った もっつい谷幻の滝ルートを下りに使おうと考えた。 小さな支尾根を伝って谷に降りる。先週歩いたばかりなので迷うことなく滝の降り口まで たどり着いた。13時35分、幻の滝にみんなの歓声が上がる。

滝上にいるのは誰だ幻の滝の洞窟に入る

この滝は滝の裏がえぐれており、裏見の滝になっている。その裏側に入って 滝の水が落ちる様を見ると、まるでスローモーションのようだと子供達が言う。大人には思いつかない すばらしい感性だ。いつまでも持っていて欲しいと思う。 ここからの下山コースは標高的には平坦なのだが、小さな谷がいくつかある。
下山コースも終盤落ち葉の滑り台だ

その小さな谷への下りも転げ落ちると怪我をしそうなほど急な斜面だ。 いっそお尻で滑ってやれとばかりに私が滑り降りると、何も言わないのに 次々と子供達も続いて滑ってくる。おもしろい遊びだと感じると、考えるより先に身体が動いてしまうのだろう。 躊躇してた大人達も続いて滑ってくる。
直谷不動の滝

送電線の鉄塔からは巡視路の下りなのだが、これも案外危ない道だ。 遮る物のない斜面の真下には滝壺が見えている。 滑り落ちると一気に不動滝の滝壺まで一直線の滑落だ。 その不動滝も見物して今回のオフは終了。14時半過ぎに林道出口着。 とりあえず無事に終わってくれてホッとする。

後日ジローさんからもらったメールで一つの疑問が解決した。それは『もっつい』のこと。 どういう漢字で書くのか 簾野、上生野で聞いたときにはわからないままだったが、ジローさんのお父さんによると 『もっつい』とは漢字で書くと『持継』というらしい。そういえば、これを読み間違えて『もちつぎの谷』と書いていた HPがあったのを思い出した。その時は違う谷のことかと思っていたのだが、これで納得だ。

もう一つは上生野にあったという法道寺は、ともみさんのお祖父さんの記憶によると、 貸しボートの所ではなく、別途地図の『あ』付近だったということだ。 大日如来の石仏も水没を免れるためにあの位置まで持って上がったということです。

今回の参加者は
OAPさん、TQFさん、わーさん(いつものメンバー)
裏人さん、たらちゃん、やまごさん (MLのメンバー)
ジローさん、まきさん、ともみさん(前回、古城山でご一緒しました)
ドイツの青年エマ君、そして4人のカルガモ小学生

今回のもっつい山の地図は こちら(約110k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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