ヒルガタワ〜荒尾山(滝山)

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『西河内』、『音水湖』、『安積』を参照していただくようお願いいたします。

2008. 8.31.  日曜日  晴れ  気温暑い
滝山というピークが宍粟市の野尻にあるという。 山登りを楽しもう のmkさんが子供の頃、野尻の集落からここに登ったと言い、現にその集落を通る29号線からも 尖ったピークとして見える。さらにそのピークは大甲山よりも標高が高いらしい。 そこまでわかっていれば、カシバードなどで調べれば簡単に見つかるのだろうが、そこは実際に歩いて、見て、聞いて 確認するのがやまあそ流だ。

同じ日にOAPさんをリーダとする一行が植松山から荒尾山へ縦走してトリガタワへ下るという。 ならば、私は滝山の候補となるピークを経てヒルガタワへ向かい、そこでOAPさん達と合流して 下山しようと考えた。だいたいのコースを考えたものの、単独では心許ないので TQFさんに同行をお願いする。

ゴール地点であるトリガタワにTQFさんの車を止める。まだOAPさん達は来ていないようだ。 置き手紙をしてスタート地点へ向かう。29号線の野尻を北上して最初の橋を渡って左にある 林道へ入る。 林道『ウツノミ線』だ。フラットなダートですぐに広い空き地がある。そこに駐車して 9時20分スタート。
林道の途中にある空き地に駐車舗装された所もある

ここから長い林道歩きが始まる。車高が高い車ならさらに奥まで行けるが、路面には尖った石が多いので パンクの恐れもある。谷に沿って続く林道(地形図とは違って川の左岸にある)が 右にターンする箇所で大量の鉱滓を発見。横手には鉱滓の小山が出来ている! そうとうでかいタタラ場だったようだ。

谷に沿ってあった林道はターンして後は山腹を巻くようにあるので29号線越しに 阿舎利、日ノ原山が大きく見える。ガードレールもあるしっかりとした林道だが、 一箇所ある崖崩れが放置されていることから、ずいぶんと使われていないことがわかる。 林道終点には9時55分。
展望のある林道植林の中を登る

途中からよじ登ることも考えていたが、 ここからの取り付きが正解だった。踏み跡もあって登りやすい。ちょっと登った所で 山腹を巻く道のようなものがあった。鉄穴(かんな)流しの溝跡だろうか。
激登りの手前南を見る

砂鉄を採取した跡なのか緩やかな斜面の登りが終わると、 細い尾根となる。この先から激登りが始まるので気合いが入る。 ここの左手は伐採されていて南となりの支尾根、さらには大甲山、 荒尾山がよく見える。 ふと気が付くとすぐ下に作業道がある。 どこから登ってきているのだろうか? TQFさんは林道にあったタタラ場付近からあるのだろうと言うが、 あの南尾根からこちらに延びているとしたら、これまたおもしろいルートが考えられそうだ。
癒しの森が始まる

激登りをヒーヒー言いながらクリアすると そこには天国のような癒しの森が待ちかまえていた。 ただただ、だだっ広くてほとんど平坦だ。幸いにもここだけは 植林がされていなかった。 途中にはタタラ場やら砂鉄採取跡などがあったし、雰囲気からしてもここはまさに もののけの森と言える。
ひろーい尾根なんです

ここばかりはのんびりと歩きたい。時間があればここでゆっくりとオカリナも 吹いてみたいものだ。すると一箇所だけスポットライトのように 太陽光が差し込んでいる所があった。あそこがステージだ!!
ブナを見上げるスポットライトが!!

行くべき方向は903ピークなので広い尾根を左よりに歩く。それを意識せずに、 この広い尾根を歩けば903ピークの北を巻いて原不動滝の上流へ下っていくだろう。 それもまたおもしろそうなルートだ。
903からはヤブ1083を過ぎると良い

もののけの森とお別れして903の尖りピークには10時55分。 コンパスで方向を確認して真南へ向かうが踏み跡の薄い若干ヤブっぽい尾根が続く。 尾根の真上が歩きにくくて、獣の踏み跡のある東斜面を歩く。正面右手にヒルガタワの ピークが見え隠れする。

988ピークには11時40分頃。えらい時間がかかったように思うが、 途中で小憩をしたり、六甲のLNWさん、植松途中のMXFさんらと交信していたためだ。 ヤブっぽくて遅々としてはかどらなかった尾根だったが徐々に道も良くなり、 開けたところから一山、三室、竹呂などのピークも見えるようになった。 1083を過ぎる頃からブナも現れ始める。
登りはつらいがブナが癒してくれるそんなブナの乳首がかわいい

はたしてここまでに滝山と言えるようなピークはあっただろうか? どう考えてもそれらしいものはなかった。ではどこにあるのか? う〜ん・・・。

樹間から東方向を見ると大甲山の北斜面にある林道が見えた。まだ工事の途中なのだが いずれはカンカケ林道に合流するという。 とすれば、先ほど通過してきた尾根のどこかを横切るはずだ。 それを想像するだけでも愕然とする。どうか あのもののけの森だけは避けて欲しいと願う。
ヒルガタワ着北を見てみる

ヒルガタワのピークには12時30分着。標高1171m、三角点無し。 OAP隊はとっくに植松に到着して食事も終わり、今頃はゆったりとしている 頃だろう。我々も木陰で食事を急いで済ます。 ひょっとして小雨とかを想定していたので温かいうどんを用意したが 仇となってしまった。あ〜暑い。
ここから見る植松は最高やね。なぜかTQFさんが二人・・・。

OAP隊は植松を出発してこちらへ向かっています。 われわれも途中にある山上湖まで出向いてそこで彼らを 迎えることにする。木陰は涼しかったが日陰の無い山上湖周辺は暑い。 日照りが続くとあっという間に干上がってしまうこの山上湖だが、今日は水があった。
山上湖で泳ぐヤマカガシOAP隊現る

オカリナを吹いて一行(OAPさん、MXFさん、とうこさん、わーさん、umtjさん、umtjさんのお友達)を出迎える。 おーっと、人間は5人だがumtjさんの愛犬ごりちゃんもメンバーの一人?でした。 数曲のオカリナを聞いてもらっていよいよ荒尾山へ下山開始。

ヒルガタワから200mも下る。何度も歩いているのに右に左に迷走しながら鞍部に着。 ここからは130m登り返しだ。いくら山登りとはいえ、このアップダウンは 無駄と言えません??いっそヒルガタワから荒尾山へ橋を架けてほしい。 登り始めてMXFさんが足を攣りかけたので消炎剤をスプレーする。私もしゃべりすぎて口が攣りそうだ。
荒尾山着さーて下山だ

荒尾には14時50分着。ここからトリガタワまでは正真正銘に下りだけのルートだ。
点名『細尾』悪い虫も男も寄せ付けません

熊の糞を見つけたと言っては大騒ぎ(熊の糞ではなかったが・・・)。 ヤマボウシの赤い実を見つけたと言ってはそれを食して大騒ぎ。 すっかり滝山のことは忘れてしまっています。
トリガタワの手前にある旧峠

以前見逃してしまっていた峠の石仏を見物する。トリガタワの舗装路峠と違って ここは昔に使われていた古道だ。ヒノキの巨木の根元に石組みの祠があって、 その中に大師像が祀られている。斉木村の念仏講中十二人が寄進したもので 宝暦の年号があった。

トリガタワの駐車ポイントには16時20分。前半きつくて、後半はだべりながらの楽しい下山でした。 OAP隊と別れて登山口に置いてある車の回収に向かう。途中で野尻に寄り、畑仕事のおじさんに 聞いてみた。「あそこに見える尖がった山は何て言うんですか?」すると 「あれは滝山や、すぐ横には大甲山(おじさんは『おうごんさん』と発音していた)があるやろ」 と言う!やはりというか、滝山=荒尾山であった。
野尻から見た滝山(カシバード)



今回のヒルガタワ〜荒尾山(滝山)の地図は こちら(約180k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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