はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『西河内』を参照していただくようお願いいたします。 2007. 9. 9. 日曜日 曇りのち土砂降り 気温ふつう
ちょっとメジャーな山行きが続いてしまったこの頃ですが、そろそろ涼しくなり始めたので
この手の山を登りたくなりました。
初めて登ったのは今から8年も前のことで、無事に登頂できたのはよかったのですが、
何を思ったのか竹呂から三室まで激ヤブ尾根を縦走するという暴挙に出たのでした・・・。
竹呂山〜三室山
そのときは千種町側から登りましたが、後で波賀町側から登る方が簡単だという話を聞く。 そこで『カンカケ三室林道』を利用して、波賀町側から登り、カンカケ峠へ下る 周回ルートを考える。 すると偶然にも前日にOAPさんがこの山に登ったのでした。ルートは私の8年前と まったく同じ千種ルート。 後山の板馬見登山口にある行者霊水をポリタンクに汲んで、その近くにある 『カンカケ三室林道』の千種町側入り口から波賀町へ越えるつもりだった。 これだと途中にあるカンカケ峠を通過するので、下山口の確認もできる。 そのつもりで進入しようとすると林道入り口のゲートに『道崩壊のために 通行止め・・・』と注意書きがあるではありませんか。ガビーン!! しかたなく、トリガタワを越えて波賀町側から林道を詰めることにする。 林道の入り口は波賀町にある『原不動滝』手前の『原観光リンゴ園』へ向かえばよい。 リンゴ園の建物を素通りするとそこはもう林道だ。ずーっと舗装されていて楽に上れる。
暗い植林帯を走る林道だったが、途中に左手が開けた箇所に出た。なにやらホッとする。 車外にでて下界を見る。 この少し先に『原不動尊奥の院入口』の石標と下に下る階段があった。どうやらこの真下に不動滝があるようだ。 帰りに寄ってみよう。 舗装もここまでで、それより奥は未舗装となる。どんどん奥へ向かっていくと 道路より右一段高い所に多くの墓石を見る。 何かで聞いたことがあるが、昔このあたりでたたら製鉄をしていた人々のものらしい。 ちゃんと立っているものもあれば、ゴロンと転がっているものもある。全部でどれぐらいあるのか 見当もつかない。年号を見ると江戸時代の末期がほとんどだ。中には子供のものもあった。 周囲はわずかながら平坦地らしい跡地もある。時間があればもう少しじっくり見てみたい。
この林道には支線が二つある。最初の支線分岐をパスしてまもなく、二つ目の分岐が正面に現れる。 林道は左に大きく曲がっているがそれを行けばカンカケ峠だ。竹呂へ登るにはこの支線林道を利用するので ここに駐車する。都合良く広くなっているので、帰りやすいようにぐるっと車の方向を変えて止める。 支線林道の入り口には車止めがあって、ここにも『道崩壊のために進入禁止』と注意書きがあった。 歩くには支障ないでしょう。スッタモンダあったがなんとか10時スタート。 |
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ええ路面です | 徐々に緑に囲まれる | もう車は無理やね |
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支線の入り口付近だけちょっと深く掘れた轍があったが、それ以降はフラットで 良い路面が続く。右は引原川の支流の八丈川がまあまあの水量で流れている。周囲は 杉植林だ。地形図では広い谷になっているが、あまり日が差し込まないので 薄暗い印象だ。熊鈴は鳴っているが渓流の音でかき消されているのがちょっと不安。 もし、車で来るのなら『A』地点までは大丈夫だ。そこはちゃんと転回もできるスペースがある。 そこからは車の侵入も不可能な路面となり、植生も徐々に自然林が多くなる。 気がつけばミズナラやらブナも姿を見せ始めていた。 支線の入り口から『A』地点までは林道ののり面が高かったり、崖のようになっている 所が多かったが、『A』地点以降は林道と山腹との段差が少なく、自然林の中は 障害物もなく歩き良さそうだった。 竹呂からカンカケ峠まで縦走できそうに無かった場合、どこかでエスケープする ため、これらの林道周辺の地形を頭にインプットしておく必要があった。 最後は林道とも言えない道になって終点に着く。10時40分。地形図にある林道の 終点位置と同じだった。さて、ここからどうするか。正面左右にある谷は 行けそうにない。それに挟まれるようにしてある正面の支尾根は登れそうだ。 こいつを行こう。足元が汚れないようにスパッツをつける。 |
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支尾根を登り始める | 稜線間近 | 稜線も良し!! |
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登りはじめは怪しい踏み跡だったが、ちょっと登るとそこにはちゃんと道があった。 予想外だったので驚きだ。 過去につけられたマーキングも残っている。 それよりもなによりも、若く元気なブナが細い支尾根を通せんぼするように 立っている。 足下には枯れた笹の茎だけ。勢いよく生えている笹に覆われていたら 登るのも大変だったろうが、これなら何の問題もなく登っていけます。 スパッツはいらなかったなあ・・・。 稜線が見えてきました。さあ、どうだろうかと見てみると、 ここにも良い道がある。涼しい風が千種側から吹き上がってくる。 その千種側は杉植林ばかり、波賀町側は植林から逃れた自然林。 |
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竹呂山頂上にてラーメンを食す |
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竹呂山山頂には11時半着。標高1129.2m、三等三角点。 当然だがだーれもいません。汗びっしょりだが涼しいので風邪をひかないためにも シャツを着替える。今日のような気温だと温かいラーメンがおいしい。 お湯が沸くまでオカリナをする。 登る途中は青空も見えていたが、頂上では曇っておりすぐにでも降り出しそう。 ラーメンを食べているとバラッと一瞬降り出した。 すぐに止んだがあんまりゆっくりできそうにない。高星山に向かっているOAP隊と 屋島のLWZさんと無線が繋がる。それを潮時に下山準備をする。 12時10分。 稜線出会いまで戻ってきました。もしピストンで帰るならここはちょっと わかりにくいかもしれません。マーキングをすれば迷うことなく下って行けるので おすすめしますが、必ず撤去しながら下山することをお願いしたい。 マーキングはあくまでもゴミですから。
私はカンカケまで行くのでここは素通り。登りでブナを堪能しましたが、 このあたりも自然林が多くてすばらしい。 ところが見る間に周囲は真っ暗になってくる。雨雲が低くたれ込めて来たのか。 雨がバラバラと降ってくるが木々の梢に遮られるので地面までは届きません。 これぐらいの雨なら濡れずに峠まで行けそうだ。 まるで夜のように暗くなってきました。雨を避けるのか動物が走り回る足音が聞こえてきます。 地面に届かなかった雨も勢いが強くなるにつれて身体を濡らすようになってきます。 雨具を着るのは面倒なのでリュックカバーだけつけてカメラをしまう。 いつもはマップケースに地図を入れているのだが、今日は裸なのでみるまに 地図はにじんでしまう。(^_^;) 真っ暗で土砂降り。初めての尾根をミスコースするのはやばい。カンカケまではあきらめて エスケープに予定していた支尾根を探す。 これが案外探しにくい尾根だった。周囲の地形は地形図の10m等高線では表し得ない うねりをしているのだ。ほとんど動物的勘で探し当てて下っていく。 半分ほど下った所で雨は止んで明るくなってきた。ちょっとムカッとする。
予定通りの所にドンぴしゃで降りる。13時20分。 ブッシュが生え混んでいて降りにくい箇所もあった支尾根だったので 全身ずぶぬれになってます。まあ、無事に降りたので良しとしましょう。 リュックに入れていた予備の地図(紛失することもあるので必ず2枚携帯する)を見ると、 エスケープ地点から峠まではわずかの距離だった。がまんして歩けばよかったと後悔する。 10分ほどで車まで戻る。頭から足元まで全部着替えて車を発車。 奥の院入り口付近に駐車してカメラだけ持って階段を下る。 雨上がりなので周囲はガス。コンクリートの階段なので深い山中とは思えない。
下りきった所に石灯籠があり、一段高いところにお社があった。また、ここには左右に踏み跡がある。 左手は原集落からの古い参道らしいが、崩落のため通行禁止の看板とトラロープで遮られている。 反対の右側にはシングルトラックがあり、その向こうからゴウゴウと水の落ちる音がする。 お社を覗いてみるが御簾が垂れ下がっており中を見ることができなかった。 当然だが不動明王の絵図か木像のたぐいが祀ってあるのだろう。お社の裏手を見ると 激斜面にうっすらと踏み跡があった。 石灯籠の前にある分岐を水音のする方へ歩いてみる。 滝だと思っていたらそれは砂防堰堤から落ちる水音だった。 がっかりして車へ戻る。 このあたりの地形図を持っていなかったせいもあるが、自宅で地形図を確認してみると お社の裏手にあった踏み跡を下ると不動滝だったようだ。 今回カンカケ越まで行けなかったこともあるし、次回は滝見物もやってみよう。 今回の竹呂山の地図は こちら(約160k) でごらんください。 |