高星山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『生野』、『長谷』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 6. 2.  土曜日  晴れ  気温ふつう
特にこれといって行くところが無かったので2週間前にも行きそびれた 高星山の中腹にあるという『ものいいだま』に再チャレンジしてみよう。 今回は単独なのでたどり着けるかどうか不安もあるが、うまく到着できたらオカリナも楽しんでみたい。

ただ登って下るだけでは面白くないのでルートもそれなりに考えてみました。 足尾滝をぐるっと周回するようなルートにして登りと下りで2度の滝見物が 楽しめるようにしてみましたが、はたして思惑どうりになるかどうか・・・。

足尾滝の林道入口は何度も来ているので探す苦労はありません。ゲートはありますが 施錠されていないので車で上に行くことは可能です。が、今回は入口横手にある スペースに駐車して歩いて行きます。9時05分スタート。
おじさんのお見送りを受ける植林帯にある巡視路を行く

ちょうど軽トラが下りてきてゲートを開けて道路へ出たところです。 おじさんと交代するように中へ入りました。「滝を見に行くんか。ごくろうさん」と おじさんに見送られて舗装の林道を登っていく。

二つ目のコーナーに巡視路の入口があるのは確認済みです。 そこから入ると薄暗い植林帯の中に巡視路は続いているが、判りづらいので注意が必要だ。 巡視路でよく見かける小型鉄橋で沢を越える。するとそこからは激登りのプラ階段が続く。 右手から聞こえる沢音であふれ出る汗もいくぶん引いてくれればいいんだが。

登りきると右方向に巻く。周囲は大岩が多い。足元の危ういところもあるので 小枝を掴みながら進む。 見ると古い巡視路と新しい巡視路と二通りある。もちろん新しい方を歩く。 あいかわらず植林帯だが谷の向こうに鉄塔『大河内線 bT』がちらちらと、 そして向かっている斜面の上にはbS鉄塔が見える。ということは足尾滝は あのへんかなあと当たりを付ける。斜面をジグザグに登り詰めると目的の鉄塔だ。
大岩帯からさらに登る鉄塔に着きました

10時ジャスト『大河内線 bS』に着。予想通りに展望はよかった。 しかし肝心の滝はさっぱり見えません。ここからそれが見えると お勧めできるコースになるんだがなあ・・・。 汗を引くのを待ってここから枝尾根を登っていく。

道があるか心配だったが人が通れるだけの隙間があるので安心する。 聞こえていた滝の音も徐々に薄れていく。 枝尾根にはこれでもか!と思えるほどの樅の大木が間隔を置いて 立っていた。
樅の大木が連続するるんるんるん

810mの標高点までは辛い登りが続いた。何を思ったのか今日は長靴を履いていたので 急登りで足の踏ん張りが効かずでそのせいもあるかもしれない。 810mの標高点の先で別の枝尾根と合流してようやく傾斜もゆるやかになる。 ハンター、山仕事の人たちは来ていると思うが、ハイカーが来たような形跡はまったくない。 それだけで気分は良い。

標高900m付近からさらに傾斜はゆるやかになる。この周辺は『滝山』と 呼ばれていて名前のとおり足尾滝の源頭付近でもある。左側は自然林だが、 肝心の源頭方向は薄暗い植林帯だった。 その植生界を歩いていく。 標高900〜910m付近とおぼしき地点から左手の斜面をトラバースしていく。
標高910m付近。矢印方向へトラバースものいいだまから長谷ダムを見る

目的の『ものいいだま』は南と北に二箇所ある岩場がそう呼ばれています(別途地図のB・C地点)。 昔はその付近まで炭焼き窯があって川上のおじいさん(当時はもちろん若い)が 通っていたそうです。その『ものいいだま』の二つの岩場のあいだに立って 大声を出すと二つの岩に反響して得も言われぬ音になるという。 トラバースしながら『ものいいだま』の地点を探るが案外簡単にわかった。

着いたところは南のものいいだまだ。周囲は木々が生い茂り岩場だということすらわからない。 木々をかきわけて岩の先端に立つと、そこから長谷ダムの調整池と水汲み場が見えた。 もう一つある北のものいいだまは真向かいにあるものの、木々に阻まれて明確な写真に撮ることすら出来ない。 ただ、木々に覆われた岩塔の下部は垂直な岩盤が確認出来ていかにもすごい。

その北のものいいだまに行こうと思ったら扇の山のたぬきさんと無線が繋がり 「矢問さんが平石山に登ってるよ」と言う。その交信後に矢問さん本人と繋がる。 なんと高星山山頂にいるという。う〜ん、ものいいだまはあきらめてそっちへ行きたいぞ。 矢問さんに山頂で待っててと言い、リュックを担ぐ。おっと、その前に声を出してみよう!! 「ホーッ!!」と大声を出すと、今まで聞いたこともないようなすごい反響だった。 がまんできずにオカリナで1曲だけ演奏するが、これまたすごい音色だ。

後ろ髪を引かれる思いですが、木々の葉っぱが落ちたシーズンに再訪を約束します。 ここから頂上までは地図無しでもOK。だって登っていけば頂上になるはず。 町境界コースと合流してアセビの藪をかき分けると高星頂上。ジャスト12時。 (ものいいだまから30分弱)
矢問さんと高星頂上2001年の頂上

頂上には平石から縦走してきた矢問さんと、千町峠から縦走してきたHさんとそのお連れさんの 三人が出迎えてくれました。Hさんは私のHPも見てくれていますし、MTBのイベントにも 参加してくれています。そのお二人は千町峠への帰路へつき、私と矢問さんは ペコペコのお腹を満たすべく食事にとりかかります。

実は矢問さんとはこれが初対面なのですが、誰に対してもあつかましくおしゃべりをする やまあそにも嫌な顔もすることなくお付き合いしてくれてます。 ついでですから下山もいっしょにどうですか?

しかし、この山頂のアセビはどうよ!!記憶ではこんな感じではなかったはず。 昔の(といっても6年前)山頂の写真を見て驚きました。アセビも小さくて 開放感があります。アセビだけは鹿の食害からも免れているためか のびのびと育っています。千町峠までの稜線上にもアセビの藪が拡大しつつあるようです。 このまま放置しているほうが良いのか、適度は伐採が良いのか・・・。 気の早い奴がいるようで山頂のアセビの一部は切り取られています。
町境界を下るそして空中庭園

12時45分下山開始。まっすぐ下っていけば生野学園ルートだが、町界を見逃さないように (アセビに隠れて発見しにくいが道標がある)右に折れる。 すぐに私がものいいだまから登ってきたルートとの分岐になる。 実はここにも道標がある。生野学園へ続く町界ルートはわかるが、私の来た方向には 『足尾滝方面』と書かれていた。どうやらだれかがここから足尾滝へのルートを 作ったようだ。たぶん道中はテープまみれになっているはず。(>_<)

我々は町界を下って行き、空中庭園から右へ方向を転じる。 複雑な起伏がいくつもあり、周囲は植林ばかりなので目標に出来る所もない。 ルートハントを楽しむにはもってこいの場所です。 私は何度も来ているので898.6m三角点はパスしてショートカットコースで 滝を目指す。

深い植林帯を抜け、展望のある820Pにやってきました。 ここにもあの忌まわしい真っ赤な道標がありました。 矢問さんに山中にあるマーキングについて意見をうかがうと奇しくも私と 意見が一致した。やはり山を判っている人だね。
展望の良い820P登りに使った鉄塔がむこうに!!

鹿避けネットに沿って下っていくと巡視路と合流する。それを右に折れると 『大河内線 bT』に到着だ。13時50分。 ここからは登りに使ったbSの鉄塔もよく見えます。足尾滝へ向かうには この鉄塔から斜面を下るのが一番手っ取り早い。

鉄塔のすぐ下には古い炭焼き窯跡もあるが、それに使われた作業道の痕跡はもうない。 とりあえず下れそうな所をしゃにむに下る。すると滝音はどんどんと大きくなり やがて滝への遊歩道に降り立つ。あの馬鹿道標もさすがにこのルートには付けられないだろう。
水量乏しい足尾滝

足尾滝の水量は悲しいほど少なかったが、沢屋の矢問さんの面白い話に おもわず引き込まれる。これだけの滝だが沢屋さんが言うには登れるらしい。 あの落ち口からここをのぞき見たらさぞかし気持ちよいだろう。 でも私はようしません!!と宣言する。

さて帰ろうとするとアベックがやってきた。 おっさん二人がいるのはいかにも邪魔だったのでさっさと退散する。 遊歩道を戻り、舗装の林道に出る。ジグザグの林道も、あーだ、コーダと 会話しながら下ればあっというまにゲート着。14時50分。 矢問さんは川上の集落内に車を置いているのでそこまで送り届けて解散となりました。

川上にあるゲートボール場に寄り道をする。そこにたむろするおじいさん達に 今日の山行きを報告する。「ものいいだまの炭焼き窯で炭を焼いていて昼寝をしていたら 鷹に襲われたことがある」「水汲み場からも行けると思うよ」などといろんな話を伺った。 そうだな、初冬の頃に『ものいいだま』再訪をしてみようかな。

今回の高星山の地図は こちら(約110k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


ホームにもどる