三久安山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『音水湖』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 4.30.  月曜日  晴れ  気温ふつう
28日に足慣らしを兼ねて高場山を登りましたが、今日はかねてから計画していた 三久安山にチャレンジです。この山はいつも一宮町側から登っていたのですが、 今回は波賀町の音水湖をスタートゴールにしています。 知っている人は知っている円形の建物がそのスタート地点。

それは波賀町の小学校だったのを姫路市が野外活動センターとして 管理運営をしているものです。 センターの川を挟んだ向かい側に林道の入口と3台止められる駐車場がある。 今日は単独だと思い、準備をしているとOAPさんから携帯があり、 まもなく到着だと言う。ベテランの同行はたいへんありがたい。 そのOAPさんが到着してほどなくしみけんさんも現れる。 今日は用事で参加できないということだったが、山の誘惑に負けたようです。

準備を済ませて9時30分スタート。円形の施設は外見もきれいです。 波賀の小学校として建てられた頃、OAPさんは円形でめずらしいということで 見学したらしい。しみけんさんは姫路を施設になってから利用したそうで、 入口が小さく奥行きが広い奇妙な部屋だったらしい。
林道の入口と矢印は活動センター不動を祀ったお堂がある

施設のちょっと上にトタン壁のお堂がある。その名も『三久安山不動明王』となっていて 中には不動の石仏がある。近くに滝でもあってそこに祀られていたのを降ろしたのでしょうか?

さて、舗装の林道を歩いていきます。入口から400mの所で鎖ゲートがあるのですが、 今日は開いているようです。なんやかんやと話をしながら歩いているといつのまにかその 終点に着いてしまいました。10時ジャスト。
舗装林道の終点

重機がその終点を塞いでいて、さらに数台の乗用車が止まっている。 重機はどうやら伐採の林業関係のものらしい。乗用車は まさかその関係ではなさそうだし・・・。

右を登ると去年M氏と登った 阿舎利山へ向かいます。その時に予想したのが、ここから左にあるダートのシングルトラックを 登れば比較的簡単に三久安山へ行けるのではということでした。
伐採地を登るので展望は良い多くの人が山菜取り
矢印(植林コース)で三角点を目指す

そのもくろみで登っていくと広い伐採地が行く手に広がる。 高度を上げるほどに周囲の展望は広がっていきます。 伐採地はイバラもなくまばらに小木が生えていますが、 その間を数人の人影が動いているのがわかる。近づいて聞いてみると どうやら山菜を採っているのでした。下の乗用車は彼らのものです。

地形図にある点線の道をたどってその終点までやってきました。 ここからも伐採地の急斜面をよじ登っていけば予定の三角点に到着 できるのですが、いかんせん暑い。そこで横手にある植林地を 登ろうと提案する。予想通り風が吹き抜けて涼しく登れました。
三角点付近から伐採地を見下ろすブナとミズナラの明るい尾根

四等三角点、点名『新道』、標高981.6mには10時47分着。 実はこの付近から音水湖がくっきりと見えたらうれしいなと思っていたのですが、 周囲は植林で暗い(そのぶん涼しい)。 目的の三久安山へはくっきりはっきりと道がある。 次のピークへ登り始める頃から周囲は明るくなり ミズナラ、ブナが現れ始める。

山頂付近のブナ、ミズナラは大木が多いがその分古く、傷んでいる様子がうかがえる。 だが、ここのは若くこれからという感じで楽しみだ(大木になるまで生きているはずもないけど)。 そのブナも鹿の食害にあっていて表皮が無惨に剥がされているものもある。

三久安山の頂上が見え始める。というとはまもなく1110mの分岐ピークに 到着ということ。そのピーク手前で目の前で道が横切っていて驚く。
分岐ピーク手前で変な道発見頂上はまもなくです

作業道だが明確なものでMTBも乗れそうだ。左右に延びているがどこへ向かっているのかは不明。 それを越えて分岐ピークに着。11時28分。 一般に知られている三久安山の登山道は『ハシゴコース』と呼ばれるコースだが、 それを利用するとこのピークを経て頂上を目指すことになる。 今、それと合流したわけだ。

ここからはブナの大木が次々と現れる。感嘆の声を上げながらあっというまに 山頂着。いつきても不思議に思う土盛りの上にチョコンと三等三角点、標高1123.2m。11時40分。
土盛りの上に三角点

さっそくめいめいに食事の準備を始める。2日前にはここを矢問さんが訪れているが 今日はなんとお向かいにある阿舎利山に登っている。その矢問さんと無線も繋がり あれこれとおしゃべりをする。OAPさんも床尾山にいる無線局と話が長くなり なかなかラーメンが食べれないでいた。

しみけんさんとOAPさんはGPS談義でもりあがっている。 脳内GPS(しょちゅう狂うし誤差も多い)に頼っているやまあそも それを聞いて参考?にする。さて、下山しましょう。12時35分頃。

しみけんさんが矢問さんと無線しながら歩いている。我々に遅れまいと気を遣って 歩いているのだが、こういうときは立ち止まって無線してええんよ。 我々もそういうことはしょっちゅうなのでちゃんと待っていますからね。

1110mの分岐ピークに着く。右の方が道が良いがそっちは我々が登ってきたルートで ピストンは面白くない。とりあえず左のハシゴルートの方へ下る。 そのハシゴルートへ下る1020+mのピークにも到着。左にはマーキングもあり 急下りの枝尾根が林道まで続いています。ここまでは経験済みのルートですが、それもパスして さらに一宮と波賀の境界尾根を進んでいく。
ハシゴコースへの分岐を過ぎたところにある展望地

このルートはほとんど利用する人がいないのですが、ハシゴルートの 林道の終点にある登山口に繋がっているはずです。 しばらく進んで倒木をクリアーしたところで大展望の箇所があった。 やはり違うルートを歩いてみるといろんな発見があるものです。 次には何があるのかとさらに進んでいくと・・・。
大岩が現れるそれの横を抜ける

稜線上にでかい岩が現れました。しみけんさんに先行してもらって 人物との対比の写真を撮る。 近寄って登ることが出来るかと思ったが、表面を触るだけで石がボロボロと 落ちてくる。到底登れそうにないが裏側に回り込むと登れそうな雰囲気もあった。M 氏なら喜々として登ってしまうだろう。

このまま行けば林道終点にあるもう一つの登山口に下りてしまうが、下山の目標は一宮町溝谷と 波賀町引原を結ぶ境界尾根上の鞍部まで行きたかった。そのために方向を修正して 境界尾根を外れないように進む。
伐採された境界尾根(矢印)を行くはずが・・・作業道へエスケープ

境界上には鹿避けのネットがある。その東側(我々が歩いている)は伐採されているがちょっと ブッシュになりつつある。反対の西側を覗いて驚いた。分岐ピーク手前で見た作業道が ここまで来ていたのです。これに乗ったらどうなるんやろ? 当初の計画は頭から離れつつある。するともうOAPさんはネットを乗り越え 作業道へ乗っかっている。

この作業道はすこぶる程度がよく、段差のあるところはきっちりと丸太のステップがあり、 これが三久安山への登山道だと言っても通用するぐらいのものだった。 予定の鞍部に向かってくれれば万々歳なのだが、つづらに下りていき、やがて 逆方向に向かう。「どこに向かうのか?」ちょっと不安になるころいきなり 沢の出合いで道は無くなる。

正確にはその向こうにもあるのだが、見える範囲で斜面が崩れており行きにくそうだ。 ここで思案する。崩れた所をなんとかクリアーしてその先を行く。あるいは境界尾根まで 戻って予定の鞍部に行く。沢を下ってはいけないというセオリーを無視してこのまま 沢を下る。さて、どうする?
沢を下るのは危険です滝を巻いて伐採地に出る

一般の人には絶対勧められない最後のルートを選択する。途中で濡れた岩に滑って お尻を強打する。下りが超速いOAPさんはすっかり見えなくなっているが、 同じように滑ってお尻を打ったらしい。しみけんさん慎重に下ってね〜。

「滝があったら終わりやなあ〜」とOAPさん。いったん広がった沢がまたすぼまったと 思ったらいきなり10mほどの落差の滝になってしまう。 思った通り、あるいは予定どおり? 向こうを見ると左が植林伐採の作業地になっている。そこまで行けばOKだ。 そこで左の斜面を巻いてみる。

ところがこちらも岩壁やら大岩があり危険。私としみけんさんは さらに高巻きにすべく斜面をよじ登り枝尾根に出た。伐採地の最上部である。 OAPさんを大声で呼んでみるが返事無し。みると、 さすがにOAPさんはすでに遥か下に着地していた。 大岩を巻くさいにツタを掴んでターザンまがいのことをしたらしい。
林道終点にゴール!!

反省点はもちろん当初の予定どおりに鞍部まで行かなかったことです。 鞍部からの下山道も未経験だが、昔から 集落間を結ぶ峠道だったはずなので問題なく下れていたと思う。 あっ!ひょっとしてあの不動明王の石仏はこの滝にあったのかな? お参りしたおかげで無事に下山できました。 15時10分駐車場着。

今回の三久安山の地図は こちら(約100k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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