はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『村雲』を参照していただくようお願いいたします。 2007. 4.15. 日曜日 晴れ 気温暑い
ヒカゲツツジのシーズンになりました。向山のそれがすばらしいのはわかっていますが、
いかんせん登山者が多すぎます。そんなわけで、人がいなくてヒカゲのある山はないだろうかと
地形図を眺めていると、もっさんから表題の山の情報をいただきました。
見ると、中央分水嶺に隣接したピークなのでヒカゲを楽しんだ後はちょこっと分水嶺も歩いてみましょう。
たぬきさん夫婦とこれかねさん親子の5人で登ることになりました。 下山予定の藤坂集落に車を止めて登山口に予定した京丹波町の高畑へ向かう。 もっさんが教えてくれたルートは高畑にある神社マークのある枝尾根から 頂上を目指すルートです。傾斜もゆるやかだし、その途中にヒカゲがあるらしい。 ただ、詳しく聞かなかったので道の状態がどんな感じなのかはまったくわかりません。 9時25分、静かな集落の交差点にやってきました。だいたいこの辺から参道があるだろうと 来たもののそれらしい所はありません。まあ適当に登ろうと民家の裏手から登り始めます。 害獣除けの金網をクリアーしたものの道は無く登りはじめからいきなりのヤブとなる。 今回のメンバーはそういう状況に慣れた人ばかりなので文句一つ無く登っていきます。 「こっちに参道が無いのならどこにあるん?」周辺を見渡してもそれらしいものはない。 お社の屋根が見え始めた所でいきなり参道に飛び出る。 まったくもってきれいな参道です。登ってきている方向からして、 道路の途中にあった入口を見逃したのかもね。
9時40分、道中の安全をお願いしていよいよ尾根歩きの始まり。 尾根には道があった形跡はあるのですが、ブッシュが生え込んできており 枝を払いながら進むのがうっとおしい。 それぞれが近づきすぎると払い除けた枝が顔をヒットする恐れ有り。これが当たると 超痛〜い!!そんな目にあわないためには先頭を行くべし。
360+mピークからはマツタケ山の様相を有す。したがって踏み跡もしっかりしてくる。 そこそこの幅のあった尾根がいきなり細くなり、しかも岩が龍の背のようにゴツゴツの 箇所に遭遇する。岩があって北斜面ということでヒカゲツツジの登場となる。 470+mピーク手前にはあふれんばかりにヒカゲがあるのだが、 手の届かない離れた所にあるのがまどろっこしい。 ヒカゲの淡い黄色(ちょっと緑がかっている?)とタムシバの真っ白、 ミツバツツジの紅色、これらが丹波の春の色ってところか。 正面に壁のように立ちふさがる岩場が登場。右に巻いていけばクリアー出来そうだ。 私だけ調子こいてそこをよじ登ってみる。するとそこには大展望が開けていた。 おっつけ巻き道からみんなもやって来てそれを楽しむ。 つい最近登った鏡山も確認出来た。でも、残念ながら少々カスミあり。
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そこから北方向が望めます |
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二つ目の岩場に出会う。これかねさん親子は迂回路を選ぶが 私は再度ダイレクトに岩場に貼り付く。簡単に行けそうだったので 「たぬさんもこっちへおいでよ」と誘う。 ところが岩はもろいし、不用意に掴むとポロッと取れる。さらに上部はヒカゲが行く手を塞いでいる。 リュックを引っ掛けながらなんとか抜け出すとそこが三角点のある頂上だった。 11時22分、標高559.7m、三等三角点。
地形図には西山(さいやま)と記載されているが、たぬきさんが調べたのでは 西谷山(さいだんさん)と言うらしい。2枚のプレートがぶら下がっていて 1枚は西山、もう1枚は西谷山となっていた。 時間も時間でお腹も減ってきたが周囲は展望無しでここで 食事をする気にはなれない。 地形図を見るとこの三角点が最高点ではない。ちょっと南東へ行ったところが 最高点なので、どんな所が確かめに寄り道する。 周囲は雑木帯で明るい。しっかりとした道がありそれを進むと岩が一つあるところが最高点のようだ。 その先へも道は続いていたが予定の方向と違うので引き返す。
三角点から真西へ延びている稜線を行く。 この辺りも北斜面を見るとヒカゲが多い。 次のピークを乗り越えてしまうと送電線鉄塔に降り立ってしまうので そのピーク付近で食事をしようと提案する。 すると展望もある岩場があったのでここが良さそうだ。11時55分。 |
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景色を見ながら、まいう〜 | 多紀アルプスだ〜い |
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南には毘沙門山と雨石山、首を伸ばして西を見ると八ヶ尾山を終点とする多紀アルプスの 稜線が延々と続いており、小金、三嶽・・・と続く稜線は壮観な眺めである。 また、私の座っている岩場は兵庫と京都の境界で真南から真西へ 90度折れるポイントであった。さらにこの境界は日本の背骨である 中央分水嶺でもあるのです。 食事中にグラッと揺れを感じた。たぬきさん、これかねさんがラジオをつけると なんと三重県が震源の地震だった。山の上で地震にあうなんて初体験だったが 不安定な岩場なんかで遭遇したらタダでは済まないだろう。食後は 三重県の地中深くにいると思われるナマズを鎮めるためにオカリナを吹く。 12時50分、分水嶺の稜線歩きのスタートです。 大きく下って送電線鉄塔となる。この鉄塔は1本ではなく1対で南北に走っていて 東にある鉄塔は『乙61』西は『甲60』とある。この甲乙のペア鉄塔の 巡視路はMTBで何度も楽しませてもらってます。ちなみに3本あったら『丙』と 名前が付けられるのでしょうか。
次のピークは太平山(たいらやま)だ。名前のとおりフラットで長いピークが続きますが 西端が最高点で540+m、三角点はありません。13時35分。 ここからの下りが要注意。コンパスで方向を確認して、そのまま まっすぐに下って行けばOK。 大岩の横をすり抜け、クロモジの林を通過すれば ちょっと薄暗い植林の鞍部に着く。
先行の父たぬきさんが何か見つけたようだ。行ってみるとそれは石の五輪塔(残骸)だった。 弓谷峠はまだ先だが、ここも左右に道がある。倒木で塞がれてはいるが 五輪塔の存在は峠として利用されていた証拠である。 次の小ピークがヤブだった。それでも伐採された頂上から振り返った太平山、毘沙門、雨石は 春の色に染まっている。て、のんびりとしたことを言っているが、太平で水を飲み干したので 喉がカラッカラになっている。今日は暑いのです。
藤坂峠まで行けそうにないので弓谷峠でゴールとする。 ところが地形図をリュックにしまい込んでしまったため、 最後のピークから南にミスコースしてしまう。 後ろから追いついてきた母たぬきさんにも「なんでこっちに来たん?」と言われる。 血液がドロドロになっていて脳梗塞の前兆なのかもしれません。 引き返すのもめんどくさいのでそのまま斜面を下りきる。 害獣除けの金網の出入り口にドンピシャに降りられてラッキー。 そのまま村道を歩いてやまあそ号の置いているポイントへ。 この余勢をかって来週もこの周辺かも・・・・。 今回の西山(西谷山)〜太平山の地図は こちら(約110k) でごらんください。 |