はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『安積』を参照していただくようお願いいたします。 2007.11.10. 土曜日 晴れ 気温快適
この山が『宍粟50山』の候補に挙がっているとOAPさんから情報をもらう。
登るならどういうルートが考えられるか、地形図でいろいろと考えてみた。
伊沢川の上流にある岩上神社を起点に登ってみるルートはどうだろうか。林道終点から頂上まで
の距離が短すぎる。これはあまりに簡単すぎておもしろくなさそうだ。
野々隅原にある大国農場を起点にすればわりとロングコースになりそうなので 楽しめるかもしれない。さらには牧場内の雑木林の黄葉も期待できそうだ。 偶然にも?この近所が出身地であるTQFさんが同行してくれることになったので 心強い。河原山川に沿って県道546号線を登っていくと大国農場に着く。 農場主であるOさんとTQFさんは知り合いなので農場内通過の許可はすんなりともらえます。 |
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校舎のような農場の住居棟 | 農場内にある要注意分岐 |
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すぐ先が林道の分岐です。右に曲がれば黒尾山への登山口となる。車が一台止まっているのは
登山者のものだろうか。
正面に続く未舗装一車線は農場内に続いている。本来ならここにあるゲートは
閉まっているのだが、今日は奥で林業作業が行われているらしくて開いたままだ。
そのまま車を走らせて行くと関係者の軽自動車が止められていたので、
その手前に駐車する。9時25分。
この周辺も黄葉がすばらしい。が、それらに目を奪われたためにとんだミスコースをしてしまう。 軽自動車が止められている『A』地点(上の写真)が要注意分岐です。『1』はその奥で 今まさに林業作業が行われようとしている林道です。我々は『2』を進んでしまったが、 ほんとうは『3』が正解だった。黄葉に目を奪われて『3』にあった『小野』という 標識を見逃してしまったのだ。 |
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放牧地を行く(これは間違い) | 峠道に復帰 | 峠に着 |
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なんだか昔に来たときと雰囲気が違うなあ・・・。でも黄葉はきれいだし、ええか。
まったく気がつかずに進んでいく。牧場内とは言いながら一応県道なので
はっきりとした道だったはずなのに、なんだか怪しいぞ。
間違いに気がつき本来の峠道(県道546号線)に復帰する。そして峠に着。 黄葉を愛でながら放牧地をうろついたので9時55分着。 せっかく牧場内を歩く許可をもらったのだから、紅葉狩りをして 放牧地の芝生で弁当なんて優雅なハイクを楽しむのもいいなあ。 峠から左方向へ登っていく。最短で深山に登るのなら『A』地点から ダイレクトに908を目指すのが手っ取り早い。 でもこの峠になにかあるのではないかと思いここまでやってきました。 そもそもこの牧場は古くは砂鉄の採掘場であったらしい。その墓石が 峠にあると古い本で読んだことがあったので 二人で周辺をうろついてみるが何もなかった・・・。
峠から北西方向に斜面を登っていく。最初は手入れのされていない暗い杉植林帯だ。 こんなのが続くと気分も滅入る。急な登りをクリアーするとまもなく908ピーク。 深山は標高が907.7mだからこことほとんど高さが同じだと思うと気持ちも楽になる。 そのとおりで連続するアップダウンは小さいものばかりでまもなく916ピークだ。 916付近から波賀側は雑木帯となり一気に色づいてくる。 進行方向右奥を見ると黒尾の頂上が見える。もちろん頂上にある電波塔跡が目印だ。 正面はるかむこうの山腹にある人工物は東山フォレストステーションだ。
916から20分ほどで三等三角点のある深山頂上となる。11時10分。 標高はそれまでにあった分岐ピークよりも低い907.7m。 宍粟の古い山名が書かれている資料によると『はいざこ』とも言うらしい。 案外と短時間で登れて、難所もなく、快適といっていいルートだった。 ただ、この三角点の周辺では食事が出来る雰囲気ではない。 ちょっと北が開けているのでそちらへ移動してみると、そこから見える『C』地点が 伐採されており展望もよさそうだ。そちらへ移動開始。 |
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伐採地からの展望 |
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移動して正解でした。ぽかぽかと暖かく、風も無い。
ゆったりと食事を楽しむ。とにかくここは展望が良い。
そこから見えるのは宍粟の主峰たちだ。特に植松、荒尾、大甲と続く
山並みはすばらしい。植松と荒尾のあいだにある山上湖のある
笹原が見えるのはここからだけだろう。
ただ、無線のロケーションはまったくだめで、すぐ近くの三久安山に登っているかねちゃんは ともかく、さほど離れていない山崎町のOAPさんとの交信もぎりぎり繋がっている感じだった。 そろそろ下山しましょう。12時35分。
深山と916との中間付近に大岩がある。登頂途中にみつけたのだが、 尾根から見ると洞のようなくぼみが見えた。ひょっとして何があるのでは?と 期待を込めて帰りに寄り道してみる。石仏でも安置されていたら 世紀の大発見だったのだが、これまた峠同様に何もなかった・・・。 まったくのピストンではなく、途中から西に折れる。伐採作業中の林道に 降りてみようという計画です。予定の分岐(わかりにくい)から西方向に進路を変える。 チェーンソーの音が大きくなるにつれて、足元には間伐された杉が多くなり 歩きにくくなる。これ以上先に行っても仕方なさそうなので谷を下る。 |
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乗せてって〜!! | 牧場でおいしい牛乳 | そしておいしいジェラート |
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ほどなく予定の林道に降り立つが、地形図以上に林道は延伸されているようだった。 その上からキャタピラーの運搬車が降りてくる。運転手とちょっと話をする。 乗せてくれたらおもしろかったが砂煙を上げて下っていった。 我々はてくてく歩いて駐車ポイントに13時55分着。 下山の挨拶をするためにTQFさんが住居棟に入っていき、数分後私も呼ばれて入っていく。 もちろん初めての訪問だが、校舎のような建物は建てたときのまま現在に至っているという。 現在、この農場では牛乳からジェラートを製造していて、カップに詰めて販売しているのだが、それを ごちそうになる。その前にしぼりたての牛乳もいただく。 どちらも当然ながらおいしい。 戦後まもなくここに入植されたご主人は故人となられていますが奥さんはご健在で、 そのお子さんと幼なじみだったTQFさんとの昔話に聞き入る。 そもそも『大国農場』の名前はこの道を大国主命が通過したという故事に由来しているという。 敷地内には大黒様の像がいくつかあったのはそういう訳だったのか。 TQFさんのおかげで美味しい山行きができました。 今回の深山(ふかやま)の地図は こちら(約145k) でごらんください。 |