婆婆岩周辺

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『比延』を参照していただくようお願いいたします。

2007. 1. 3.  水曜日  晴れ  気温ふつう
今年の初登りはどこにしましょう?初日の出は近所の升田山に登りましたが、 あれは登山というより散歩の感覚です。どこにするかM氏と電話で相談しましたが なかなか結論が出ません。 西光寺山塊の南端からある篠山・西脇の境界は距離は短いですがまだ歩いていません。 その付近にある多田繁次氏も見たという 婆婆岩のことを話すと「そらおもしろそうや!」と行く気満々。

『やしろ鴨川の郷』を起点として、シザ坂峠から婆婆岩、334.1mの四等三角点(点名、西山の北)から 西脇・篠山の境界尾根を北上して標高600mのピークから一転南下。 437.3の四等三角点(点名、上鴨川)、394mにあるウバメガシの林からは鴨川の郷の遊歩道となって ゴールというコース設定をする。(ほぼ同じコースを大柿さんはすでに完歩ずみでした)

9時20分にスタート。鴨川の郷の敷地を出て県道に出てシラ坂トンネル方向を見上げると はやくも婆婆岩が見える。我々はそこにあるとわかっているが普通の人が トンネルの上を見上げながら運転するわけもなく、ほとんどの人がその存在も知らないと思う。
『やしろ鴨川の郷』をスタートシザ坂峠への登り口

シザ坂の登り口には『明治三十年(1897) 丁酉十一月』なる石の道標がある。 パッと見て『右 たかのこう 左やしろ□つ』と読んでいたが、 大柿さんのHPで太子町のIさんがこの石碑について明確な解答を投稿されている。 それによると、『右 お(於)かのこうち 左 やしろほつけ』ということだった。 それぞれ一文字が地面に隠れていたのだが、『ほつけ』は法華山一乗寺、『やしろ』は 播州清水寺とどちらも三十三箇所霊場のこと。『お(於)かのこうち』は 篠山にある岡野地区・河内という地名で、そこから成相寺へ至る、つまり観音霊場の道標だった。
峠道を登る峠の地蔵に安全をお願い線刻された錫杖を持ってます

峠道を登っていく。路面が岩盤で、その上に濡れた落ち葉が積もっているので どちらにしても滑りやすい。それらに気を付けながら15分ほどで峠となる。 社町鴨川から西脇に抜けるにはこのシザ坂峠は標高差といい便利なことこの上なかったであろうと思う。 その峠から西脇側に下ると廃道状態の林道に出る。右(北方向)は婆婆岩、左(南方向)は 数曽寺山塊。

その左側には石仏がある。地蔵菩薩の立像で光背部分には『嘉永三年(1850)戌三月二十四日』 『清岩恵明禅尼』とある。顔は摩耗しているが線刻された錫杖は妙にはっきりとしていた。 この清岩恵明禅尼さんは別の峠でも石仏を寄進しており、ここもそうだが、どちらも清水寺への 参拝道という共通点がある。 この後の山行きの安全を祈願して婆婆岩方向へ10時スタート。
手堀の坑道跡??岩場の下り

378mピークの手前右手にボコッと2m強ほど陥没したところがある。 岩などでふさがってしまったのか明確な穴は確認出来ないが 見た感じは手堀の坑道跡のように見える。 実際に下に降りるといいのだがシダなどがうるさそうなのでパス。

登り返した378mピークにはさほどの展望はないが、その先にある岩場が なかなかの展望である。M氏と一緒に岩の上から山座同定をする。
婆婆岩を仰ぎ見るこらこら!!ありゃ〜

展望の岩場から下るのにロープが設置されていました。たしか前回はなかったように思う。 さらに下った鞍部には『婆婆岩 鴨川の郷』と書かれた道標があり右(東方向)に 下っていく道があった。これも前回はなかったはず。その 婆婆岩には10時37分着。

南側から見るとそうでもないが、北側から見ると下部が細く見えてまるでサツマイモが 垂直に立っているように見える。下界の県道沿いにある案内板には高さ5.5m、岩の周り 6m、鴨川寄りに20度傾いていると書かれています。

婆婆岩で写真を撮りあったりして遊ぶ。本来なら『点名、西山の北』へ向かい、そこから 境界尾根を北上する予定だったが、その西に面白そうな岩のテラスが見えていたので そちらへ寄り道することにする。シザ坂峠から婆婆岩までは遊歩道と言っていいような 道だった。婆婆岩から『点名、西山の北』までは歩くには支障ない程度の道がある。 その四等三角点には11時15分。展望は無し。北へ向かう細いトラックも確認。
展望のある食事ポイント

三角点からさらに5分ほど西に行けば岩のテラスがある。 ここかも展望が良く、県道とシラ坂トンネル、さらにはその真上にある婆婆岩(ずいぶんと小さいですけど) までが見渡せます。 南方向に座れるし頭上の岩が北風を防いでくれます。 時間もちょうど良いのでここでお昼にしましょう。

食事も終えて三角点ピークまで舞い戻り、そこから北上を開始する。 途中の展望は無いに等しく、道も細くあまりおもしろいルートとは言えない。 前回下山に利用した鞍部までやってくるとM氏も「これ以上進むのはやめよか」と言い出す。 未知のルートへのあこがれはあったがパートナーがイヤがるので無理強いは出来ません。 「代わりに鴨川の郷の遊歩道を行きましょうか。これだけならあまりにショートだしね」

というわけで前回の下山道で小藪谷へ降りてそこから鴨川の郷へ向かう。 谷には幅のある林道があるが『松茸山につき入山禁止 100万円の罰金を頂きます』と 看板がぶら下がっていた。「う〜ん、百万とはすごい罰金やなあ」
すごく良い谷です。この奥が万丈峠展望の東屋に着

テニスコート、駐車場、管理棟の裏手を通って才神池の横を歩く。 ここはもう遊歩道です。谷の入口にも東屋がある。 どんぐり広場と名前がつけられているだけあってこの谷は広い。 その最上部手前に分岐があって正面の階段を登ると万丈峠だ。13時05分。

特に見るものもないので峠下の分岐に戻り、その先を登っていく。婆婆岩付近ではそれなりに 寒かったが、ここは風がなくて暑いぐらいだった。そして婆婆岩からもよく見えていた東屋に到着。 逆にここから婆婆岩を見るとかろうじてそれと判る程度で、あの特徴ある姿では見えなかった。 東屋で小憩して、ここから『ウバメガシの林』と名付けられた394mのピークへ行く。 名前通りにウバメガシばかりだが、炭焼きに利用されないために大きすぎるほど育っていた。

さーて、遊歩道はここまで。いよいよ藪へ突入です。大げさに言いますが 踏み跡はちゃんとあり、大柿さんのマーキングも所々にありました。
かがまないと歩けません切り通しに着(後ろが廃別荘地)

シダまみれになりながら437.3の四等三角点(点名、上鴨川)には13時55分。 展望はなく大柿さんのプレートが揺れているだけ。 そこから激下り斜面を鞍部に向かって滑り落ちるように下る。 ここで右手に注意。地形図でも舗装路が登ってきていて肉眼で確認できるはず。 それはうち捨てられた別荘地?の道路だ。

鞍部手前から道路側に降りてみる。今でも利用されているのかわからないが 確かに舗装された道があたった。その道路から鞍部に帰ってみると そこは人工的に切り通しのようになっていた。

先ほどの三角点の頃から小雨がぱらついていたので この鞍部から下山することに。14時10分。
気持ちの良い谷道MTBを操縦している気分で走る

鞍部からの下山する斜面を見るとゴミが多かった。 なんのために切り通しを造ったのかはわからないが、その切り通しを利用してゴミを投げ捨てているのだ。 鞍部と言うことは谷の源頭部でもある。 つまり水が湧き始める地点なのにこういうゴミを捨てる人間がいるということが 信じられな〜い。

下り始めるとすぐに踏み跡が現れ、それはやがて小径となる。 当然ながら下るに連れて道幅は広く、快適な路面になってきます。 「MTBなら極楽やのになあ・・・。そうや、MTBに乗ってるつもりで 走ってみよか?」ヒマな中年はつまらないことを考えるものです。 普通なら拒否しますが「それええねえ」と二人で走ります。
遊歩道に合流

『やしろ鴨川の郷』の遊歩道と合流して快適に下ります。 14時40分駐車場に着。 シラ坂トンネルを西脇側に抜けたところには婆婆岩の解説板もあります。 ちょうど1年前にそれを書いた人と知り合うことが出来たのですが、 また登ることが出来てよかったです。

今日は暖かかったので結構汗もかきました。 そして婆婆岩では冷や汗もかきました。

今回の婆婆岩周辺の地図は こちら(約130k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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