笹山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『龍野』を参照していただくようお願いいたします。

2006. 1. 3.  火曜日  晴れ  気温寒い
最近、赤穂郡やら相生市方面の山を登る機会が多いのですが、2号線を帰路に着くとき バイパスから特徴のある岩場が目に付きます。調べてみるとそこは笹山という山塊で、 見えていたのは女明神、男明神という名前の大岩でした。 小さな山ですから2時間もあれば一周できるかと思いますが、やまあそは半日掛けて 舐め尽くしますぞい!!

南向けの広い谷に大きな医療施設がある。その周辺に駐車できそうな所を探してみたが良いところがありません。 谷口池という小さな池があってそこの西端にわずかに一台ほどのスペースがある。 もちろん施設の駐車場もあるのはありますが、関係者でない我々はちょっと遠慮してしまいます。 出発の用意をしていると、なんとデジカメを忘れているのに気が付く。 (ということでM氏からの画像を使用しています)
実はここも・・・・巡視路で登ります

プラカードを下げている私の後ろからも行けるようですが、ちょっと上には『女明神 0.5km』という 道標があり、そいつが気になってそこから登ることにする。 それは巡視路だった。すぐに『姫路鵤線 36』の鉄塔と出会う。 鉄塔からさらに登ると雑木の斜面となる。なかなか気持ちがよい。 わずかな登りで稜線に出合い、そこにも道標が。

『←展望舎0.4km 女明神0.2km→』とある。右に200mならすぐそこやなあと行きかけると、 M氏は展望舎へ行ってみようと言う。ほえ〜、せっかく登ったのにまたぞろ下る羽目に・・・。
展望舎へ向かって下っていく沖縄の慰霊碑です。厳粛な態度で!

途中に沖縄の慰霊碑があると聞いています。 大きな石碑が前方に見えたのでそれがそうだと思ったらさにあらず、表に回って見てみると 『笹山開拓記念碑』というものでした。平地を開拓するならともかく、こんな里山をどういうふうに開拓するの だろうか?そういえば、登る途中も山腹は段々になっていていた。きっとこの記念碑が 出来た頃は畑地として機能していたのだと思う。

その先にあったのが沖縄の慰霊碑だった。参道には多くの石灯籠が立ち並んでいて、 その奥にあるのが五つの丸玉が直列した慰霊塔だった。どうしてこの地に沖縄の 慰霊塔があるのかは謎です。新年にもかかわらず榊は枯れたままだし、誰もお詣りした 形跡はありません。まったく無関係な我々が代わりにお詣りしておきました。
ツリーハウス?バカと煙は・・・

展望舎に行ってみて驚きました。展望舎に驚いたのではなく、そばにあったツリーハウスにです。 それには屋根が無かったので正確にはハウスではありませんが、ちゃんと縄ばしごがあって、 その上には丸木が敷き詰められた床もあります。こんなのを見てM氏が じっとしているはずがありません。さっそくよじ登ってお山の大将を決め込んでます。

私も登ってみましたが縄ばしごって見た目より登りにくいのが初めてわかりました。 上に行ってみるとこれまた想像以上に高度感があります。 誰がこんなのを作って楽しんでいるのでしょうか?? 地面とこの樹上砦を結んでいるのは縄ばしご以外にステップの刻まれている丸太の一本橋 が斜めに取り付けられています。しかしこれは怖くてとても歩けません。 これらが発展して木から木へ渡り歩けるようになると面白いなあ。

太子町のIさんからメールを頂きました。
『(天井桟敷のある所) は土地の人が「嶽ヶ端(かけがはな)」と呼ぶ所です。(私は2005-10-2に森林 ボランティアとして天井桟敷に上る傾斜階段のステップ切りを手伝いました。』


さーて、引き返していよいよ女明神へ行ってみます。枝道がたくさんあるのでちょこっと 違う道で引き返します。途中にある道標を見てみると『左 慰霊塔 右 奇妙岩  参道』と 文字の彫り込まれた石柱が立っていました。現在は女明神と呼ばれていますが、昔は奇妙岩だったのかな? どんな奇妙さかさらに楽しみが増してきますぞい。
女明神の岩壁をよじ登る?大展望やん!これってどう見ても・・・
いや〜ん、H!!

下から仰ぎ見ると10mは楽にありそうな高さです。大岩の真ん中がくびれていて桃か お尻の様に見えます。なんだかエロい予感が漂ってきました。上によじ登ると 期待通りの大展望です(標高110m)。自分のデジカメを忘れているのでいつものようなパノラマ写真は 撮せませんし、逆光なので撮してもあまりきれいでないかもしれません。 しかたなく網膜に焼き付けておきましょう。

大小一対の物体の名前に対して『男女』の冠が着くことはよくあります。 ここも東には女明神よりさらに大きな巨岩がそびえていて男明神の名前がついています。 しかし、実際に女明神の真上に立ってみると、どうして女の冠が着いたのかはっきりと わかりました。もうこれ以上は書けません。(*^_^*)
鬼の足跡円勝寺跡へ降りる

鬼の足跡という岩に来ました。確かに凹んだ部分が足跡に見えないこともありませんが、 先ほどの女明神といい想像力の豊な人がいたと言うことは確かです。 谷を挟んだ東には男明神の大岩がでかく見えています。 標高150mのピークにやってきました。すぐ下には高圧鉄塔があります。 ここから西に尾根が発生していて踏み跡もありましたのでちょっと探索に入りましたが すぐに藪っているので縦走路に引き返します。

次に現れたのが『円勝寺跡30m→』という道標。30mならすぐそこですから行ってみましょう。 朽ちかけた木製の階段を少し下りると平坦地になります。石垣跡とか瓦とかお寺の痕跡を 示すものが無いかと周囲を歩きましたが何もありません。ただ、階段はそれ以降も 続いています。どこまであるのか、ここから下山できるのか?

この山域の最高峰である167mのピークを南巻きに歩き、今度は南進して下っていくと 男明神(女明神と同じ標高110m)にたどり着きます。ここも予想通りの大展望!!
男明神に立つ男一匹さらにバカ一匹

風がおそろしく強くて立っていてもふらつくぐらい。それにもかかわらず M氏はあっちや、こっちやと岩の上に立っては喜んでいます。 落ちたらほっといて帰ろうっと。お昼にしたいのですがこの強風ではコンロが 役に立ちません。男明神の大岩を回り込んで風が弱い所でお昼にします。 展望は最高ですが足元は危なっかしい。

ここから医療施設へ下山すれば無事に周回達成ということになります。 見どころもあるし、展望も良し、そしてお手軽な距離ということで 地元の人達もお散歩コースにしているようです。我々はここから後戻りします。 まずは見逃した地形図にある三角点ピークを探します。 それはすぐにわかりましたが、一般の人がわざわざそれを見るために立ち寄ることはないでしょう。 四等三角点、標高162.0m。

さらに引き返して最高峰の167mのピークにも立ちました。142と彫られた石柱があるだけで 周囲は藪です。さて、ここから恒例のやまあそルートになります。まずは太子町と龍野市の境界尾根を たどって北にある鞍部を経て、巡視路を歩いて誉田町内山へ下山しようと相談がまとまります。
予想通りの藪でしたやれやれ鞍部に着

当然というか、当たり前というか藪でした。所々歩きよい空間も現れるので 昔は道として機能していたような感じです。踏み跡がハッキリしないので、 要所要所で方向を確認しないといけません。私が「こっちへ行った方がええんちゃうん?」と 言うのにM氏は無視して藪に突っ込んでいます。仕方なく着いていくと「あれっ?踏み跡に出たで〜」って、 それは僕が言うてたルートやん!!(-_-)

鞍部に着きました。龍野市誉田町と太子町広坂を結んでいます。 これは地形図にもある点線ルートが横切っている鞍部なので石仏でも無いかと期待していましたが なーんもありませんでした。ただ、巡視路も交錯していますので単純に鞍部からの下山ではなく ここからは巡視路を歩いてみます。

167mピークのある山塊の山腹中程に送電線は平行にあります。きっと巡視路も アップダウンもなく平行に進んでいるであろうともくろんでのことだったのですが、 これまた期待を裏切られました。たどりついた鉄塔からは平行に進むどころか 谷に向かっての激下りです。あっというまに竹林の谷に降り立ってしまいます。

「こんなことなら鞍部から素直に降りていたらよかったなあ」と愚痴る。 薄暗い道を進んでいると正面左右に同じような大きさの小山があった。 「なんか古墳みたいな感じやなあ」と私が言う。小山を行き過ぎて後ろを振り返ると な、なんと真っ暗な口がパックリと開いているではありませんか!! やはり古墳だったのです。まさに古墳でコーフン状態です。
一つ目の玄室二つ目もきれい三つ目にも入れます

もちろんのことですが、内部に入ってみます。土砂で埋まっていることもなく石組みは非常に緻密で内部も広い。 左右にあった古墳のどちらも保存状態は良く、その先にあった三つ目も内部に入れる状態でした。 さらに周囲を見てみるとこんもりとした土盛りがいくつか(10近く?)あるみたいです。 これだけ立派な古墳群ですから、たとえば龍野市の教育委員会の看板でもあるかと周りを見てみますが それらしいものもありません。予想外の大発見や〜。

獣除けの金網扉を開けて出ると誉田町内山集落になります。ここから田畑に沿って道路を歩いても ゴールですが、左奥に見えている送電線鉄塔の巡視路で再度笹山へ登ってみたくなりました。 巡視路の入口がありそうな方向へ進んでいき、林道の途中からここぞと思える(赤い看板はなかったが(^_^;))道へ 突入。しかし、踏み跡はすぐに無くなる。枝尾根の稜線は上に見えているのでがむしゃらに 登っていくのみ。
道無き斜面を登ります円勝寺跡から下る

正規の巡視路は林道をもうちょっと奥へ行くべきでした。しかし、枝尾根はさほどの藪でもなく 難なく歩けます。ほどなく着いたところは女明神の上にあった150mのピーク(ていうか、 そこを目指して登っていたので当たり前ですけど)。さーて、再度縦走路に出てしまいました。 右に下っても、左に下っても下山は可能です。ならばどこに降りているのかわからなかった 円勝寺跡から下ってみましょう。

これまた予想外にええ道で下れます。途中に広場があって、木のテーブル(朽ちている)もある。 そこには『るりびたきの径』、『エチガの遊ぶ道』などの手作り道標がある。医療施設からの 新しい(古くは円勝寺への参道だったと思える)遊歩道なのでしょう。 左右に道はありますが、明確な左を選んで下っていくと男明神からの遊歩道と合流して 医療施設の最上部に降り立ちました。

施設内の道を歩いて車に戻りました。 女明神に出会えたのもラッキーでしたが、やまあそコースを行ったおかげで古墳群にも 出会えました。今日もいろんな発見のある有意義な山行きでしたよ。 (それぞれの時間はわからずじまいです。笹山だけを楽に周回するなら、展望舎から登って、女明神、寺跡に寄り道、 男明神から下山がよろしいかと・・・)

今回の笹山の地図は こちら(約110k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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