はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『若桜』を参照いただくようお願いいたします。 2005. 7.24. 日曜日 晴れ 気温ふつう
夏の暑い頃にMTBで遊ぶのは辛いものがある。出来れば標高1000m以上の涼しい所で乗りたいものである。
氷ノ山にも登ったし、扇ノ山にも登ったし・・・。ん?じゃあ、その途中にある山はどんなのがあるのかな?
地形図で氷ノ山から扇ノ山の間を見てみるとそれは兵庫と鳥取の県境尾根をたどることになります。
赤倉山を過ぎるといきなり標高差のない尾根になってしまいます。
曰く、1059.6m(三角点)−1082m−1077m−1040m−1057.0m(三角点)−1047m−青が丸と続きます。
その中で1057mの三角点ピークが現在まで未登の悪谷の頭です。悪谷という谷は兵庫側にある 小代渓谷にある支谷の名前なのでしょう(たぶん・・・)。兵庫からの登路はありませんが、 鳥取側には東因幡林道が頂上から120mほど下の山腹を走っています。こいつを利用すれば いとも簡単に登れるはず?? 鳥取の舂米から登るべく車を進める。スキー場、キャンプ場をすぎて峠まであとあとわずかの所、 『氷ノ山命水』の 水汲み場から通行止めになっています。仕方なくここに車を止めて準備をします。 ついでだから水もここで汲んで行こうとしましたら、なんとこの水は有料(30円/L)で管理の おじさんも出てきました。 このおじさんが無類の話し好きで(そらそうです。誰も人のおらんような所で 水の番してるんですから・・・)我々のそばで話し続けるために支度がはかどりません。 お引き取り願うために有料の水を30円で購入しましたがなおも居続けます。(^_^;) それから逃げるように舗装の道を走り始めます。10時15分。
舂米から香美町へ抜けるこの峠には名前がないのでしょうか?『土砂崩れのため 通行禁止』の 看板とチェーンで封鎖されています。目的の東因幡林道はこの左手から始まります。 ここもチェーンのゲートがありますが、チェーンは下ろされたままになっていてオフロードバイクも 入ることが出来そう。10時25分。 この林道を走るのは10年以上ぶりです。記憶はほとんど残っていませんので新鮮な気持ちで 走ることが出来ます。道幅は軽トラックぐらいは大丈夫そうですが、途中には路肩の崩落や 落石箇所、倒木ポイントなどがあったのでオフロードバイクがかろうじてOKと言うところでしょうか。 もちろんMTBは楽勝です。 林道のセオリーというものがあって、グニグニと山腹を横切る林道にはある一定の法則があります。 それは谷に向かっては下っていき、枝尾根に向かっては登っていくというものです。 その傾斜がきついときはMTBには辛いわけですが、この東因幡林道はほとんど傾斜が無いと 言って良いほどフラットな道となっています。
路面には浮き石などがあってタイヤが取られそうになったりしますが、このゆるやかな 傾斜のお陰で楽勝に進んでいけます。「えらい楽やねえ。でも、あんまり先に行かんといてや。熊が 出たら嫌やから」てなことで、M氏も今日は私にペースを合わせてくれます。 もひとつ、林道のセオリーがありました。それはグニグニと山腹を回り込む回数が多いと いったいどこにいるのか自分の位置がわからなくなるからです。 二人ともGPSなどというお役立ちグッズを持っていないため そういう体験は何度もしています。 今回もそのおそれがあるので前もって位置の確認しやすい所を 決めていました。
それは県境尾根から陣鉢山へ向かう枝尾根を越える所です。今回の林道で標高の一番高い所でもあるし、 そこには何かしら陣鉢山へ向かう目印もあろうと想像してのことです。 そこには予想通りに赤いテープでのマーキングがありました。 マジックで『夢山歩』と書かれています。しかし、暑くてヤブの茂っているこの時期ですから こんなヤブに入り込むと『夢山歩』どころか悪夢を見ること必至です。 時間があれば陣鉢山も・・・という考えは破棄しました。(>_<)
ここからは下り基調で気持ちよく林道を走ります。ほとんど展望のない林道ですが、 展望が無いと言うことは木陰の中を走れるということで涼しいです。しかもブナの木陰ですから 言うことはありません。やがて悪谷の頭も目の前に見えてきましたが一見すると展望のあるような ピークには見えませんね。 悪谷の頭を通り過ぎないように注意します。すると、左手に赤いテープがヒラヒラと5本ほど ぶら下がっている所がありました。ここが水売りのおじさんが言っていた登り口です。 MTBを林道に置いてそこから登ることにします。ダニがいやなので長ズボンをはきましょう。 11時53分。 あとで距離を調べてみたら林道の入口からここまで7.2km弱だった。もっと長いように感じたが それほどでもないのでアレ〜??って感じ。わずか7kmに1時間半もかかったんか。(>_<)
話には聞いていたが赤テープが斜面に続いており、踏み跡もしっかりとある。 テープは新しいが、ナタ目は古い。 誰が何のために作った道なのか?不思議です。 踏み跡がなければ笹藪を漕ぐことになっていたでしょう。おかげで楽ちん させてもらってます。途中にあるのはイワウチワ?それにシャクナゲ?? ブナの木立の向こうに見えるのは扇ノ山です。ずいぶんと近くに見えますね。 |
頂上から見えるのは東方向 |
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標高1057.0m、三等三角点のある頂上には12時13分着。
ありがたいことに、ここも三角点を中心にヤブが刈り払われています。
日光が直接なので暑いのですが、笹藪の中で食事は出来ませんので
ここでお昼にします。
展望は写真のように東方面に開けています。これも自然に開けているのではなく、 ここを刈り払った人が目の前の木々を切ったので展望があるのです。 「ここから見る鉢伏山はまたちゃうなあー」とM氏。 「オッ!青が丸に仏の尾もバッチリやん」「木に登ったら氷ノ山も見えるそうやが、どれに登ったらええねん」 登れない癖にその辺の木にしがみついてズルズルを滑っています。 山頂からの下りは10分。MTBは誰にも盗まれることなく横になったままありました。(^_^;) さ〜って、帰りましょう。我々の山行きにはめずらしくまったくのピストンですが、 これは致し方ありません。帰りはさすがに疲れてきましたし、久しく乗っていない証拠に お尻が痛くなりはじめました。路面がデコボコだからM氏も痛くなり始めたらしい。
誰にも出会わないと思っていたが林道の出口付近でオフロードバイクに出会った。 あの倒木を乗り越えて行けるのだろうか?? どういう理由でこの林道が造られたかわかりませんが、現在ここを利用できるのは オフロードバイクとMTBぐらいです。 14時30分、水汲み場に戻ってきました。おじさんに見つかるとまた話が長そうなので ブレーキ音も出ないようにこっそりと車の後ろに付けます。するとタイミング良く水汲みの お客さんがやって来ました。おじさんはそちらに気を取られ我々には気が付きません。 それッとばかりに自転車を車に放り込んで汗と泥で汚れたままの身体を車に滑り込ませてドロン!! 顔も洗いたいし、服も着替えたいし、第一すねやら太股は泥はねでドロドロに汚れていますがな。 少し下ったところで川がありました。「ちょっと、Uターンして!!川で水浴びしような」 てなことで、写真のようなことに相成りました。心は一気に子供に帰ります。(知能も子供並み・・・) 道路から見られても平気。着替えも道路でやりました。もちろんフルヌードで。 多分警察に通報されているでしょう。頭の変な男が二人裸で走り回ってますって・・・。 今回の悪谷の頭の地図は こちら(約160k) でごらんください。 |