要滝〜吉滝

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『村岡』を参照していただくようお願いいたします。

2005. 8.15.  月曜日  小雨後曇り  気温蒸し暑い
天気も良くないし、蒸し暑さが格別なこの時期。ならば山歩きはあきらめて滝巡りをしてみよう。 去年の秋に仏の尾を登ろうとしてここ香美町へ来ました。ところが着いた途端に雨が降り出して 結局は登山はあきらめました。その時に帰りに訪れたのが、表題の吉滝と要滝。 後で地形図を見ると二つの滝を結ぶ山道がある。

歩ける道かどうかはわかりませんが、たぬきさんご夫婦も同行してくれると言う。ならばと、集合場所は 瀞川山の時と同じく道の駅『ハチ北』にします。加古川からそこまでの道中、天気は猫の目のように変化しています。 はたして現地は晴れているのやら、雨が降っているのやら・・・。 携帯メールが鳴る。読んでみると早くも道の駅に到着しているたぬきさんから『大雨に雷まで鳴っている』とある。 あちゃ〜っ!!

道の駅に着。 確かに雨が降っていて雰囲気としてはやみそうにありません。まあ、どちらの滝も車ですぐそばまで行けるので 私の車は道の駅に置いておき、手ぶらでたぬき号に乗り込んで滝見物に行ってみましょう。 道の駅から要滝のある久須部へ向かうのに9号線は利用せずに一二(ほい)峠を越えて行きます。

瀞川稲荷の入口にあたる萩山集落から一登りで一二峠に着きました(それにしても、この峠の名前の 由来はなんでしょう?)。峠には石仏はありませんでしたが、 ここにはそれ以上のお宝があります。それは兵庫で一番でかいと言われているブナの大木です。 小雨の中車を降りて近寄ってみると・・・。
哀れ!一二峠のブナ幹は空洞になってます

なんと、去年の8月31日の台風で幹がばっさりと折れてしまい上半分がありません。 その残っている幹も内部は空洞になっています。これ以上幹が割れてしまわないよう 周囲にはギブスで覆われて、空洞の内部に張られたワイヤーで幹の割れを防いでいます。 人間で言うと瀕死の重傷というところでしょうが、健気にも残った枝には若葉が青々と 茂っていました。

すぐ横には山名氏の御廟もあります。家紋の彫られた石板が箱状になっていますが、上部が空いています。 覗くと、そこには石で出来た五輪塔がありました。ただしこの五輪塔、削り取られてしまっており、 五輪塔の形をとどめていません。よくあることですが、たぶんお守りとか薬とかで昔の人が削ったんでしょうねえ。

さて、 矢田川の支流である久須部川その上流に要滝はあります。『滝見亭』の幟を目印に行き止まりに なりそうな細い道を行くと駐車できるスペースがあります。そこに車を止めて準備をします。 雨は上がっていて、これなら難なく歩けそう。手ぶらで来た自分がうらめしい・・・。
まずは鈴滝滝見亭の入口を素通りして・・

この駐車場には鈴滝があります。細くて小ぶりな滝のように見えますが、上の方がよく見えないので 落ち口がどのへんなのかよくわかりません。鈴のように軽やかな水音をたてて落ちています。って、ほんまかいな?? 赤い小橋を渡るとそこが滝見亭です。 中の従業員が「お客さんかな?」という視線をしますが、入口を素通りして奥へと進みます。

『古のひびきを今に偲ばせて 要の滝の音はこだます』という石碑の横にある小橋を渡れば小広場がある。 要滝は小橋を渡る前から左手奥でごうごうと豪快な水音を立てています。 落差はさほどありませんが、幅広く水量も多いので細かいしぶきが橋まで届いてきます。 マイナスイオンいっぱいや〜。
小橋の上から撮してみる。要滝と小広場、そして三段滝
小広場の正面には上に登る階段と謎の電話。受話器を取るとどこに繋がるのでしょうか? さすがに試す勇気はありませんが、きっとどこかのおっちょこちょいは試しているでしょう。 さらに足元には謎の穴が!!落ちないように周囲は鎖で囲まれています。 この穴はいったい何か?

右手に行ってみるとベンチに石のテーブル、そして三段滝です。 ようするにここは二本の違う川が合流する地点で、二本の滝もあるという次第です。 どちらの川も仏の尾を源としています。
要滝三段滝

正面の階段を登っていくとすぐ上に釣り堀があります。が、まったくの無人。 この管理棟の裏側には滝見台があります。そこへ寄り道。
無人の釣り堀滝見台から二段目?を見る

三段滝と言う限りは滝は三段になっているはず。ここからはその二段目が見えます。 周囲に木々が生い茂っているのでひょっとしたら見えているのは一段目かもしれませんが・・・。 さらに上には林道が貫通していますから、そこへ行けばさらに滝があるやもしれません。

管理棟の表に戻って道を進んでいくと林道に出会います。そこには木製の道標があって、 吉滝キャンプ場まで『2400歩』と書かれています。それに従って「1歩、2歩、3歩・・・」と 数えながら前進(そんなあほな・・・)。

しばらくするとまたもや道標が。そこは『久須部であい橋』とあり、道なりに進んでいけばキャンプ場まで 1.7kmとあります。我々はキャンプ場へは行かずに、ここから『であい橋』を渡って未知のルートをたどります。 それは地形図にある点線のルートです。

その地形図にもない渓流にそった道(写真の×の道)があったのでそれを歩いてみる。しかし、数10mでヤブとなる。 秋以降なら歩けそうだが雨に濡れたヤブは歩きたくないのでUターン。 地形図の点線ルートはむこうに見える小屋付近からありそうだ。そちらへ行ってみようとするが またまたヤブっぽくてUターン。

『であい橋』でしばし協議。唯一歩けるこの道でキャンプ場まで登り、そこから 吉滝へ行くのもたいへんだし〜、ってことで、結局車で行くことにする。
出合い橋付近でUターン滝見亭にある謎の穴

元来た道を引き返してまたまた滝見亭前をこっそりと通過する。赤い小橋の左手には 謎の洞窟がある。先ほどの広場の穴とこの洞窟。どうやら鉱山跡のように思える。 というのもこの近くに精錬所跡なるものがあるからです。 いったい何の鉱物が採れたのかな??

吉滝の駐車場に来ました。しばらく歩くと通行止めになっています。(>_<)
『災害及び落石のため通行禁止』とあり、横手に仮設参道と書かれた階段。 これがけっこう急で滑りやすい。ひょっとしたら落石よりこちらの方が危険かも・・・・。
落石のための迂回路灯籠の向こうに吉滝

川底まで下りましたが地形図にあるような下流に向かう道はありませんでした。 ということは、あの『であい橋』からの点線ルーとは途中で行方不明になっていると いうことでしょうか?頭の中を『?』だらけにしながら滝に着きました。

吉滝は上方23m、下方5mの二段になった滝ですが、それ以上におもしろいのは 裏手にある洞窟から見えるいわゆる『裏見の滝』なのです。 勇気があるなら23mの落差から落ちてくる水で打たれることも可能です。

裏にある洞窟には善滝神社、岩の裂け目から落ちてくる金滝、銀滝もあります。 こちらの滝は打たれるにはちょうどいいかも。

要滝周辺では一株だけ見かけたイワタバコがここでは群落になって咲き誇っています。 すぐ目の前にあってもなかなか写真に撮るにはむずかしい。
結局、道無かったなあ・・・・。(>_<)
しかも、帰りは晴れてきたし〜。たぬきさん、ごめんねえ〜。
吉滝だす


今回の要滝〜吉滝の地図は こちら(約200k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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