平荘湖周回

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『加古川』を参照していただくようお願いいたします。

2005. 1.16.  日曜日  晴れ後曇り  気温寒い
普通ダムというと深い谷の流れをせき止めて水を確保する様をイメージしますが、この平荘湖は平地に お盆をポンと置いたような形をしています。これでも立派なダム湖で、周囲を取り巻く低い山並みを 堰堤に利用しており、自然の地形をうまく使っている巨大なため池です。 その縁をぐるっと一周してみるというアイデアはいかがでしょうか? 加古川の施設であるウエルネスパークの駐車場がスタートゴールには最適です。

意気揚々とやってきましたら、なんと!そこには我々が考えていた周回ルートが そっくりそのまま地図になって、大看板として駐車場に設置されているではありませんか。 知らない間にハイキングコースとして整備されているようです。 しかし、そんなことで意気消沈するやまあそではありません。地図があるからといって その通り歩くはずもないしね。9時17分スタート。

ダム湖の周遊路に入るところに最初のピークがある。もちろんハイキングコースからは除外されていますが、 我々はこんな小ピークも見逃しません。入口からわずか5分ほどで『神吉線 21』鉄塔のあるピークに立てます。 三角点はもちろん無し、標高80+m。 そんなお手軽ピークにもかかわらず以外に展望はよろしい。う〜ん、これから先が楽しみやん。 下山は注意しましょう。朝早いので岩盤が濡れていて、気を抜くとツルッと滑る。
最初の小ピークから湖を見る升田山古墳群の一つ

次なる升田山も昔は取り付きがわかりにくかったのに、今では丸太に白ペンキで『←升田山へ』などと 道標まで完備しています。それに従って入り込むと、これまた道もしっかりと踏まれています。 草むしていた昔がうそのようです。ここは古墳が多くある山域で、所々に『升田山○号墳・・・』という 看板が立っています。それによるとこの周辺の古墳は6〜7世紀頃のものらしい。 残念なことに全て盗掘されていて、看板があっても石棺はもちろんのこと、石室の 形跡すら残っていません。

唯一道沿いに大きく窪んだところがあり(写真)、そこには大きめの石が無造作に転がっています。 これって石室かなにかに使われた石かなあ・・・?古い木柱が転がっていてそれには『遺跡の土を 取ることはできません』と書かれている。遺跡の土には何か秘密があるのか??・・・・謎です。

ほとんど高低差もなく快適な道でした。 「なあ、ここってMTB乗れるんちゃうの?」「ほんまやなあ。持ってきたらよかったなあ・・・」 大勢の人が歩いたためか下草も倒木もなく、MTB的にはもってこいのシングルトラックになっています。 『別当谷』の鞍部を過ぎれば補助ロープのある岩盤の登りになりますがほどなく頂上に着きます。
MTB持ってきたらよかった

ここは大きな岩の固まりピークです。岩盤にどうやって埋め込んだのか、三等三角点があります。標高105.1m。 待ちに待った大展望がここにはあります。南から東方向は逆光のためにカメラ的にはだめですが、 順光の平荘湖はきれいな湖面が。わずか100mほどの標高ですがワクワクするような展望ですぞ。 この升田山はその昔には斗形山と呼ばれており、播磨風土記には「石を以って斗(ます)と乎気(おけ)を作った。 故に斗形山といった。石橋がある。伝えいう上古の時、この橋天に至り、八十人衆が上下往来した。故に八十橋といった」とある。
升田山頂上からの展望
つまりここに八十人からなる神様達が天上界と地上を行き来していたということです。 そういう神話のたぐいの好きでないM氏を神様にたとえるなら疫病神。 ならば、私は貧乏神かな・・・。
八十の岩橋を下るお社に降り立つ

さて、ここから北へ行けば採石場跡の縁を通って湖の遊歩道に降り立ちます。 そこには弁天社と家形石棺の蓋のある『稚児が窟古墳』があるので そちらから下山したかったのですが、M氏は八十の岩橋を降りようという。 激下りだし、岩場で滑りそうだったので躊躇しましたが、目の前に広がる 加古川流域の展望を見るとついフラフラと岩橋を下っていました。

本来の岩橋はたぶん途中から左手に入るのだと思う。我々はほぼまっすぐに下降 して中腹にあるお社に降り立ち、そこから県道へ。10時40分。 道路を少し歩いて行くと『風土記の道 八十の岩橋 入口』と看板があった。 どうやらここが正式な岩橋の登り口らしい。見ると確かに階段状の石段が続いています。 民家横の道路を歩いていき次のピークを目指します。鉄塔『国包線 7』を目印に進んでいくと墓地になり、 そこから巡視路を登っていきます。
地蔵寺山(愛宕山)からの展望
地蔵寺山の鉄梯子採石場跡の上部を通過

『国包線 6』の先には『地蔵寺3号墳』という古墳跡があり、ここも古墳の山のようです。 そこからドーンと切れ落ちた岩壁になっていて、飯盛山方向に展望が開けています。その岩壁には 鉄の梯子がかかっていてそれを伝って降りましょう。 降りたところは採石場跡の最上部です。うれしがって先端に立ったりすると(もち、M氏のことです) いつ崩れ落ちるかもしれない、そんな危険な所ですからさっさと通過します。

地形図を見るとその次のピークが山頂らしい。三角点なし、標高96m。最高点からの 下りは超MTB向け!!今後来ることもないのにMTBのために倒木を除くM氏。 ここでも「MTB持ってきたらよかったなぁ」とため息が出る。 途中からコンクリの参道と合流。ちなみに参道の終点には愛宕社がある。 参道を下まで降りるとそこは公園でした。 (資料によっては地蔵寺山とも愛宕山とも書かれています)

さ〜て、次のピークは?? 公園の出口を出ると正面には古めかしい石の五輪塔を祀っている。そこを左(車止めがある)に曲がると 10mほど先で右にある小径を登っていく。実はこれは巡視路なのですが、入口には火の用心マークがないので 気が付かずに通り過ぎたらお馬鹿さんです。勘を働かせましょうね。鉄塔『国包線 4』の ピークは標高40+mと超低いです。ここも下りはMTB持ってくりゃよかったコースです。シクシク・・・・(T_T)

ダムの堰堤を見るとたくさんの人達が散歩やジョギングに精を出しています。それにしてもすごい人数。 あんなところ歩かんでよかった・・・・。畑の中を横切ってダム湖への道路へ出ました。 ここにも『←飯盛山へ』という道標が設置されていますので取り付きに迷うことはありません。
飯盛山への登山道

春先ならコバノミツバツツジがピンクのかわいい花を咲かせ、登る人も少ない素敵な登山道なのですが、 久しぶりに歩いて驚きました。オフロードバイクの深い轍があるからです。 それは頂上付近まで続いていました。MTBは人力ですが、あちらはエンジンで太いタイヤを 回転させているので、自然に対するインパクトはまったく比較にはなりません。

2本の鉄塔を通過して、相ノ山への分岐も通過。駐車場の地図では相ノ山へ下って周回をするように なっていますが、我々は飯盛山から北へ下山する予定です。その相ノ山を見ると犬を連れた散歩風の男性が下っている のが見えまています。飯盛山の頂上にはたくさんのハイカーがいるのが見えましたので、それを避けるために 手前の岩場で食事をすることにします。12時30分。
頂上直下でお昼にしました

ウダウダ歩きだったので予定よりだいぶ遅れています。ハイカー達がいなくなった飯盛山には13時08分。 三角点無し、標高216m。ここよりちょっとペースアップしましょう。北へ下山すると言いましたが もちろん初めてのコースなのでどこへ降りるのかもまったくわかっていません。 しかし、ちゃんと踏み跡はありました。それも予想外に良い道です。 「ここもひょっとしてMTB乗れるんちゃう?」もう耳タコのフレーズです。

116.0mの三角点を通過するのかと思っていたら、左の枝尾根でどんどんと下っている。 ここにも巨大な岩盤下りがあるが、朝方と違って岩盤は乾いているのでグリップは充分あり、 駆け足で下っていく。その岩盤から下山方向を見るとチラッと白い道標が見えた。 あそこまで行くと次のルートが決められそうだ。

そこには『飯盛山』、『畑谷池』、『登山コース』と三つの古めかしい道標があった。方向からいって 『登山コース』の方向へ向かうと洞貝山へ登れそう。そうと決まれば話は早いが、これまでと違って 道は踏み跡程度のものとなる。『←畑谷池ー飯盛山→』という新しい標識を経て出てきたところは 正面へ下れば『少年自然の家』、右に登れば洞貝山、左へ登れば飯盛山という分岐の尾根だった。13時40分。
白い矢印に道標が見えた洞貝山で遊ぶ

ここには腹立たしい看板がある。『この先を進むと少年自然の家に立ち入ることになります。 施設利用者以外の立ち入りはご遠慮下さい』・・・・・。
では、ここまで来たハイカーはどこから下山すれば良いのでしょうか? この尾根から再度飯盛山へ戻るのか?個人の敷地ならともかく、市の施設内をその市民が 単に下山のために通過するだけが、それほど問題のあることなのでしょうか?? 完全になめられています。だから私は頭の悪い非人間的な役人どもが嫌いなのです!!

私一人なら喧嘩覚悟で自然の家に降りていきます。そこを通過する不都合が何なのか 突き詰めてみたいからです。しかし、一般のハイカーがこのレポートでここに来ることも 考慮してそれは止しましょう。M氏も激昂している私が落ち着いたのでホット胸をなで下ろしています。 とりあえず洞貝山へ登りました。三角点無し、標高132m。 頂上の東屋には自然の家の利用者と思われる親子が二組。この人達は降りても怒られないんでしょうね。

我々は自然の家とのトラブルを避けるために北へ下る。 予想通り頂上から北方向にも踏み跡はあります。すぐにそれは二手に別れます。 左の道は下りつつ山腹をぐるっと回り込んで自然の家の敷地に降り立つのでこれはバツ!! 正面の道を行きましょう。これもこの先で二手に別れます。どちらもOKのようですけど 左手の方が手早く下界の県道に降りられそうです。 右に左に薄い踏み跡をたどって下ると民家の裏手に出てきました。 右手に自転車置き場があるのでそこから抜け出ます。14時12分。

これで終了ではありません。県道をテクテク歩いてこんどは東播工業高校の手前から 神吉山へ登ります。目印は地蔵堂と墓地。左右に道はありますがどちらを選んでも 山頂に到着できます。山頂と言ってもそこはわずか標高61mという超低山。 日露戦争の記念碑がありますが、どうやらここも古墳だったらしい。
黒岩山から平荘湖下りればゴールです

神吉山の後は行者山(標高98m)、そして黒岩山(四等三角点、標高132.8m)と続きます。 カメラのメモリーも無くなってきたので写真もそこそこに。レポートもつい 早足になってほとんど手抜き状態ですまんのう・・・!!昔のレポートの 神吉山〜鞍馬山・天坊山 を参照してください。

ここの山名は黒岩山となっていますが、麓にある毘沙門天のお社では鞍馬山となっています。 まあ、そういうややこしいことはまたの機会として、いよいよゴールです。 いろんな方向から眺めた平荘湖もここからの眺めが最後になりました。 ウエルネスの駐車場もよく見えていますが超満杯になっています。 えらい人気スポットになったものだと思ったらどうやらピアノの発表会があったようです。 15時10分着。

今回の平荘湖周回の地図は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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