天滝〜杉ヶ沢高原

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『氷ノ山』、『戸倉峠』を参照いただくようお願いいたします。

2004. 8. 1.  日曜日  曇り後雨  気温暑い
このあいだの頭巾山ではないが、MTBも乗れて、滝などがある涼しいところはないかいな〜?? と、探してみたら、我が兵庫県にもあるじゃ〜ありませんか!!県下随一の滝と言えば 大屋町にある天滝。 きっとここは涼しいでしょうし、その上の杉ヶ沢という高原がMTBでも遊べそうです。 久しぶりにヤブもない超お気楽な山行きが楽しめそう。 台風の余波がちょっと心配でしたがまあそれも大丈夫でしょう・・・・。

『レストハウス天滝』には10時15分着。ここにある駐車場に車を止める。 ここは関宮町に抜ける『天谷尾ノ谷線』という舗装林道の起点でもある。 天滝から杉ヶ沢高原に登った後はこの林道で駐車場へ戻ってくる計画だった。 ところが林道の入口にはこの先で落石・崖崩れのため車両通行止の看板がある。 たぶん大げさな表示だろうとたかをくくって無視することに決める。

MTBで遊ぶ場合は靴は特殊なものを履きます。そこには金属のプレートがあり、それで ペダルと靴とが固定されるものである。それのおかげでペダリングのロスは少なくなるが 岩場とか水のある所を歩く場合は滑りやすい。そこで今回は普通のスニーカーを履くことにする。 舗装路を10分ほど登るとログハウスの休憩所見えてきたがやはり足元に違和感がありペダルに 力が伝わりにくく感じる。

ログハウスの裏手には駐車場もある。 数台の乗用車が止められていたが、天気が良ければすぐに満杯になってしまうでしょう。 一般のハイカーならここに止めるのがベストだが、我々はピストンではなく周回するので 下の駐車場の方が具合がよいのです。
乗れる所もある鼓滝

ここからいよいよ遊歩道となる。最終にある天滝までのはいくつもの小滝が連続するそうな。 まずは『しのびの滝』がある。小振りでかわいい滝だ。次は・・・『岩間の滝』だが、 「どこに滝があるんや?」とわざわざ川まで降りるM氏。確かに見てもどこにあるのかわからないよ〜ん。 川に降りてわかったが思ったより水がきれいでない。よく考えるとこの滝の源は杉ヶ沢高原だが そこには広大なだいこん畑が広がっている。ということはだいこんに散布した水が集まって天滝になっているんか??

全部の滝の写真を撮ろうともくろんでいるので遅々として進みません。『糸滝』 『連理の滝』『久遠の滝』を過ぎてある休憩所には『天狗岩』の看板がある。 見上げると確かに大岩があるがこれと天狗がどう結びつくのか不明です。

『夫婦滝』(これって必ずどこでもある名前や)『鼓ケ滝』で写真を撮っていると アベックに抜かれる。アベックは滝を眺めることもなくさっさと通り過ぎていった。 帰りにゆっくり見るんかなあ・・・。う・ら・や・ま・し・い・っ。 「しまださん!このアングルで写真撮ってや!」と滝の前に架かる橋の上で脳天気に ポーズを取るM氏。う・と・ま・し・い・っ・・・。

最後の登りをクリアーすると建物が見えてきました。トイレの奥にあるのはログハウス風の滝見台。 滝見台と言いながらここからは滝はほとんど見えません。正規ルートとは思えませんが 川を渡った向こう岸から滝を見るとまた違った趣があるようです。
向こう岸から見るとこいつを登ると権現

滝を目前にしていつまでもうろうろしていると今度は家族連れが登ってきました。 子供が我々を見るときっと異様にうつるでしょうからさっさと鉄製の階段を上って権現社に行きましょう。 権現社の前にある案内板には落差98mとあった。さすがにすごい落差である。 風もきついためか飛沫もここまで飛んできている。心なしか飛沫にはちょっとだいこんの臭いが・・・。
権現社から見るさらに近寄って見る

この滝には滝壺と言えるようなものはないがわりと近くに近づける。そこには毎日TVの 番組である『ちちんぷいぷい』のプレートがあった。それには今年の4月9日に来たようになっている。 この日に来ていたらTV初出演になっていたかも。 M氏ははしゃいで滝の根本に近づいている。そんなに近づいたら滑り落ちるで〜。 それとも滝に打たれて人生を見つめ直すか・・・・。

ここから杉ヶ沢高原への遊歩道がある。周囲は雑木の林ですこぶる緑がきれいだ。 ところがお腹が減って足が上がりません。私の腹時計は正確なようで時計は11時50分だった。 滝の落ち口へ向かうような道があればそちらへも行ってみたかったが滝からはどんどんと 離れながら高度を上げていく。 傾斜がゆるやかになってその先には分岐があってさきほどのアベックが食事をしていた。
緑がきれいです俵石を見る

おいそうに食べる横をすり抜けて直進せずに分岐を右に取る。そちらには『俵石』と表示があった。 いままで乗れなかったがここからは下り気味に山腹を巻く道になる。右側がちょっと切れ落ちているが それが見えないかのようにM氏は下っていく。遅れまいぞと私も続く。 やがて左手の斜面に俵を積み上げたような岩の連続する所に来た。奥へ行くと さらに大規模な俵石斜面に出くわす。これがすべてほんとに米俵だったらなあ・・・。

標識に従って階段を上っていくと今までの急斜面がうそのような平坦地に出る。 しかも目を見張るような雑木の森であった。ここは杉ヶ沢高原の端っこのようです。 もしとんでもなく広いので在ればいつまでもMTBで走っていたくなるそんな場所です。 なんでも縄文人も暮らしていたらしい。 うっすらとある踏み跡の向こうを見るとログハウスの休憩舎が小さく見えていた。 そちらへ向かってMTBを転がす。
森を走る三人のやまあそログハウスの休憩舎

12時25分ログハウス着。ようやく昼飯にありつける。ところがこのログハウスは あきらかに設計ミスか、あるいはなんでもええから建ててしまえ方式で出来た代物だった。 ドアもなく風通しの良い造りにはなっているが中は真っ暗でとてもそこに座って 安らげるような所ではない。当然、外で座って森を眺めながら食事をする。

ログハウスの横手には未舗装の林道が始まっている。これを辿れば0.8kでだいこん畑に行けるようです。 途中でハイカーの一団と出会う。彼らはアベック分岐から直進してこの林道に出合い ログハウスに向かうようだ。ハイカーなら逆も含めこの周回で滝に帰るのが一般的。 我々はあくまでもだいこん畑を目指す。このまま林道で行くのかと思ったが左にシングルトラックが あったのでそいつを走ってみる。
草原の向こうに電柱と道路が・・・

草が背丈ほどの高さに生い茂り、足元の見えない道を無理矢理MTBでかき分けるように 進んでいく。これが面白い。二人でギャーギャー叫びながら草原に出る。 この辺でも草の背丈は膝上ぐらいある。草原の向こうには 電柱と道路を走る自動車が見えた。どうやらあちらが畑地に向かう道路らしい。 あの幻想的な古代の森から一気に現実に引き戻された感じになる。

ここにも標識があり右に『便所』となっている。面白そうなので行ってみると、 ログハウスからの林道と合流した地点に確かに便所がありました。 なんだか薄気味悪くて使いにくそう・・・。そのままその林道で畑地に通じる舗装路まで出ました。 13時25分。 そこには石碑があり『拓魂 この古里びとたちは きびしい 自然の掟をこえて 台地の恵みを  轟大根に結晶させた』とある。

たしかこの辺りに三角点があったはず・・・、と地形図を見るとすぐそこのようです。 さっそく探索に乗り出します。舗装路を少し走ると左手にこんもりとした古墳のような畑地があります。 どうやらあれのよう。ぐるぐると螺旋をえがくように頂上に着くとそこも猫の額ほどの大根畑でした。 高さが1mで3m四方のコンクリート貯水タンクが真ん中にあるが三角点は見あたらない。
だいこん畑に三角点

畑地の周囲にもないし・・・。ふと、畑を見ると一カ所だけ耕されてなく草が生えている所がある。 M氏が草をかき分けてみると、ありました!!三等三角点、点名『轟野』、標高796.1m。 「こんなところにあるやん!!」二人で大笑い。こいつを見つけるのはオリエンテーリングのようで面白いぞ。 そしてこの畑地だけポツンと飛び出しているので晴れていれば360度の展望があります。 三角点探しに夢中になっていましたが、気が付くと周囲は本降りの雨です。 これでは展望どころではありません。

「急いで帰ろう!!」舗装の林道で下山です。一旦関宮町の轟方面に下り、出合いから一変 登り返しになる。すでに雨で全身濡れねずみなので暑くはない。やがて峠の十字路に着く。 天滝のレストハウスに行くには通行止め看板の立っている正面の下り。左の林道は相地轟林道で 水芭蕉のある加保坂へ行く。右にある林道は梅ヶ久保林道といって、後でわかったがこいつは あの林道のトイレ近くへ出るそうだ。これで下っていれば楽勝でここに来れたのに・・・。

通行止めを無視して下っていく。小さな崖崩れがあったがこれが看板のものではなさそう。 路面には途切れることなく小さな落石がある。雨のためにスピードは上げられない。 しかも強烈な風でハンドルを取られて谷の方向へ押されそうになる。
崖崩れを乗り越える

そしてとんでもない崖崩れに遭遇する。道幅を超えて折り返してあるその下の道さえも瓦礫で埋め尽くされている。 これは通行止めになるはずです。 乗り越えなければ駐車場に帰ることは出来ないが、雨で濡れた岩の上を歩くのはそれだけでも 危ないのにMTBを担いでいて風にあおられるとバランスがとれません。 上を見るとこれ以上落ちてきそうな岩はなかったのでちょっと安心で足元に集中する。

14時15分、レストハウスの駐車場に戻る。お気楽なツーリングのはずが『雨中ダイハードおまけに パンツまでぐっしょりツーリング』になってしまいました。

今回の天滝〜杉ヶ沢高原の地図は こちら(約150k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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