高星山〜足尾滝

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『長谷』、『生野』を参照していただくようお願いいたします。

2004.10.11.  月曜日  曇り  気温ふつう
高星山は私にとって大のお気に入りの山のひとつです。 登りのルートも変化があっておもしろいし、途中にはいくつかの展望のある岩塔もあり、 その頂点とも言える天狗岩もすごい!!そして山頂もそこそこの展望があるにもかかわらず、 すぐ近くの段が峰と違いハイカーもいなくてくつろげます。 残念ながら今年はアセビのシーズンに登れませんでしたが、ここが初めてというM氏を 案内がてらに私も久しぶりに登ります。

加古川では天気がよかったのに生野に近づくにつれて雲行きは怪しい。 登り口の生野学園に来てみると第一岩塔もガスにかくれてまったく見えません。 他の山へ移動も考えましたが天気の回復を期待してそのまま準備を進める。9時35分。

生野学園の心遣いでハイカー用の駐車場所が出来ている。『ゴミはお持ち帰り下さい』という手製の看板が 目印です。さらにグランドと中学校舎棟の分岐部分には『高星山登山口』の標識もある!! いつもの私のルートだとダイレクトに天狗岩への尾根をよじ登るのだが、この新ルートがどんなものか 興味が湧く。「よっしゃ〜!M氏、これで登ろか!!」

その登山道は新たに造ったものではなく、昔からあるソマ人の仕事道だった。 従ってなんら問題なく楽に進めます。植林の斜面をジグザグに高度を上げていきます。 目印には黄色の幅広テープやら赤白のテープ、さらには手製の木製看板、赤い矢印看板など・・・・。 これでは迷いようがない。
しっかりとしたソマ道天高く、蛙肥ゆる・・・

何も考えずに登っていく。天狗岩への尾根に乗っかるかと予想していたのだが、 それに反して北へ山腹を巻くようなルートになる。一瞬、どうしようかと迷ったが、 「まあ、どこに行くのか突き詰めてみようか・・・」と、それに従う。

植林の斜面には所々にでかい岩がなにげに転がっている。それをきっかけに 次々と奇岩が現れる。谷の斜面ではサッカーボールを二回りほど大きくしたような岩が ゴロゴロと埋め尽くしている。当然だがこの辺りには植林はない。「これって、岩塊流かな?」 「単なる岩とちゃうん?」この辺が素人の悲しさか、ぜんぜんわからん。

             
丸太の階段などもある岩塊流の斜面を横切る

その素人でもはっきりとわかるこれぞ岩塊流ってのに出会う。とにかくとてつもない量の岩が 谷斜面全体を覆っている。それらはすべて苔に覆われている。これらは氷河時代の名残と聞くが どんな自然の力が及んで出来たのだろう??

ずいぶんと北へ回り込んだような気がする。周囲は植林帯のために自分の位置がわかりにくい。 しかし、登り口の道標では天狗岩と書かれていたのでいずれはその付近に行くはずと思っていると、 いきなり尾根に乗っかった。10時10分。最初はどこに飛び出たのかわからなかったが、 どうやら天狗岩の一段下らしかった。地図を見返すがどのへんを歩いてきたか二人とも 皆目わかりません。

しかし、ここからは慣れた道です。天狗岩はいつも正面から登っていましたが、今日は岩盤も 濡れていて危険度大!!。右手を見ると以前は無かった巻き道があるのを発見。 そいつで裏手まで回り込んで、裏から簡単に??よじ登りました。 ここまで標識はしっかりしていますが、肝心の天狗岩とは書かれていません。 巻き道が出来たせいで、初めての人は登らずに素通りしてしまうかも・・・・。
天狗岩にてうっすらとガスのある尾根

大展望!!と、言いたいところですが、この高度ではまだガスが取り切れていません。 時々達磨が峰やその下のゴルフ場が見え隠れしています。 ガスの流れをジーッと見ていると、なんだか浮遊感でめまいがして岩から落ちそうになります。

ここから一登りすれば、そこからはゆるゆるとしたダルな雑木尾根に大変身。 M氏も今までとあまりに雰囲気が違うので驚いている。台風の為に倒木が 多く、それらを迂回しながら広い尾根を進んでいく。 アセビは低木なのでその被害もないようだ。この尾根がアセビだけになるのは間近??

迷いそうになる枝尾根を無視してまっすぐ進み、右ドッグレッグ先が高星山頂上です。 その手前から左に下ると生野町、大河内町の境界だが、なんとそこにも標識があった。 『町界尾根・天狗岩・高星山』とそれぞれに矢印がある。本来なら見つけるのにちょっと 苦労する町界もこれではあっけない。
我々が到着するペースに合わせて頂上のガスも晴れていた
高星山頂上(標高1016.4m、三等三角点)には計算通りジャスト12時着(どんな計算かは秘密・・・)。 生野学園が付けたのか、木がたわむほどのばかでかい山頂プレートがある。 タイミング良くガスもなくなっていていつもの南方向の展望がばっちりだった。 太田池の水面にただようガスがなんとも風情がある。 いつものように食事とコーヒー、ついでに無線も楽しんでいよいよ下山だ。12時50分。
雑木と小川の流れる町界を下る

まずはB地点から生野町と大河内町の境界尾根を下っていく。左手に谷の源頭があり、川がまさに 生まれ出ようとしているのが見える。そこから始まっている谷がなんともそそられて、 無性にそこを歩きたくなる。その谷を歩いてしまうと境界からはずれてしまうのではと危惧するが、 地形図を見るとその先で合流しているので心配なさそうだ。

いつのまにか流れはそこそこの水量で流れている。我々はそれに沿ってガスの漂う植林の中をゆるやかに 下っていく。そして不思議な風景の場所に出る。そこは茶色く枯れたシダ、緑のアセビ、灰色の巨岩、 白く流れるガス・・・・。ここが大柿さんが言っていた空中庭園か??13時10分。
空中庭園だ〜

まるでキノコように角の丸まった巨岩がにょきにょきとはえている。M氏がいうには これも岩塊流ではないかということだ。いくつかの流れがここに集まって、その先から 一気に急斜面を流れ落ちているようだ。町界もDのピークを経て、そこから 激下りで生野学園方向へ下っている。
迷いの植林帯を行く

ここから我々はルートを右へ大きく振る。実は当初から決めていたのですが、下山路は大河内町の足尾滝へ 降りてみようと計画していたのです。地形図を見ると恐ろしく複雑な地形をしているので、 極力わかりやすりルートを考えた。それは898.6mの点名『足尾』で現在地を確認して方向を 見定めようというものです。

至る所に小さな流れがあり、それを渡りながらも方向だけはきっちりキープ。 点名『足尾』(四等三角点)には難なく到着。が、そこからがなかなか手強い。 全域が暗い植林帯ばかりでどの方向を見ても、少し歩いても同じような所が連続する。 「こっち方向で間違いないはず・・・・」小さな流れを横切ると明るい斜面に出た。

枯れた笹斜面を登るとそこがEピークだった。14時。振り返ると点名『足尾』がある。正面には 八幡山、入炭山の向こうには笠形山、飯森山などもある。下を見ると 鉄塔『大河内線 bT』とその向こうにホテルモンテローザがあった。 ということは向こうからもこの笹ピークが見えるはず。この周辺は足尾山と呼ばれているので 下界からはこの特徴あるピークがそれに思えるだろう。
Eピーク(足尾山)から鉄塔5へ下っていく

鹿避けネットに沿って行く。最初は何ともなかったがすぐに激下りになる。 つまずかないように気をつける。鉄塔がすぐ正面に見える頃、巡視路に出会った。 回り込んで鉄塔の真下に着。周囲を探したが4に行く巡視路も6へ行く巡視路もない!! (巡視路と出会った付近にあったかも・・・・)

なんか立ち往生のような雰囲気になってしまった。 戻るのもめんどくさいのでこの鉄塔から滝へ目指すことになった。二人で鉄塔の別々の足場から 下を覗いてみるがまったく踏み跡もない様子だった。とりあえず滝に近い方の足場から 転がり落ちるように斜面をたどります。鉄塔から滝も見えていたし、滝の音を目指せば大丈夫でしょう。
ぎゃ〜!!

変なところを下っていき滝の断崖でも出てしまったらとんでもないことになってしまいます。 滝の音はだんだんと大きくなるし、それにつれて不安も大きくなりますが、 この辺と決めつけて斜面を下ると、ラッキーなことに遊歩道に降り立ちました。 滝からわずか数十mの地点です。気が付くと身体はドロドロや〜。15時。

空中庭園からこの足尾滝までのルートはアドベンチャーとは言いながらも、我々でも たどれたのですから行ってみようと思われる人もあるやもしれません。 そんな方にお願いですが、どうかマーキングのテープだけが付けないでください。 それは、その後に行かれる人達の道探しの楽しみを奪うことになるからです。 私もそんな残念な思いを何度もしてきましたから・・・。 (それ以前にテープはゴミだと自覚してください)
どうよ!!この迫力

初めて見る足尾滝は想像以上の迫力でした。地形図の等高線を見ても落差は50mはあるでしょう。 しかも源頭付近からわずかな距離でこの水量!! どこからこれだけわき出してくるのでしょうか?M氏も私もちょっと興奮気味で シャッターを押します。立ち去るのが惜しいほどでしたが時間が圧しています。 (『兵庫の滝』という本には情けなくなるような少ない水量の写真でしたが、タイミングが良いと これくらいの迫力で楽しめます)

遊歩道をたどって舗装の林道に出ました。林道はさらに上にも延びています。 鉄塔5や鉄塔6への巡視路はたぶんこの林道の終点へ向かう途中にあるのかもしれません。 その巡視路をたどっていけば下界に降りることなく生野学園へ戻れるでしょう。 しかし巡視路が途切れることなく続いている保証もないし、山の中では暗くなるのが早いです。 ここは涙を飲んで下界の舗装路を歩いて戻ることにしましょう。

F地点で15時15分。ゲートのある林道入口には15時40分。 なんとゲート付近の道路からも足尾滝は見えるのでした!おどろき!! そこからテクテクと舗装路を歩き、生野学園には16時55分でした。 今回一番疲れたのはこの舗装路歩きです〜!!

今回の高星山〜足尾滝の地図は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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