数曽寺山塊

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『比延』を参照していただくようお願いいたします。

2004.12.26.  日曜日  晴れ後曇り  気温寒い
季節はようやく冬型の様相を呈してきました。生野以北ではしぐれているでしょうから、 それより南の山で遊ばねばなりません。展望の良い岩尾根を歩くのも楽しいし、寒くなったらそこに寝そべって トカゲのようにひなたぼっこするのはどうでしょう?

でかんしょ街道を社町から篠山方面に走るとき、三草山手前左を見るとそれはみごとな 岩山地帯があります。少しでも山歩きをする人で、高御位山やら小野アルプスの経験者なら まちがいなく気になる山域です。はたして登山道はあるのでしょうか?登って見える展望は どうなんでしょうか?実は4年前にここを歩いているのですが、今回は岩山大好きのM氏を お供にしての再訪です。

数曽寺谷の入口付近を車でうろつきましたが、駐車出来るような場所がありません。 しかたなく山口公民館に止めることにします。もちろん正面にある民家を訪れて 許可はもらいました。そこのおじさんに聞いたところ、やはり数曽寺というお寺が この付近のどこかにあったらしく、それが谷の名前の由来らしい。さらに谷の右奥にある 450.0mの三角点ピークは大坂山と言っていました。

この山名は5年前にも確認済みでしたが、別の人からも同じ名前を聞くことが出来て 間違いないことに確信が持てました。ここ近年大坂山には登っていませんが、 聞くところによると山頂には『数曽寺山』と書かれたプレートがぶら下がっているそうです。 たしかにそういう名前でもおかしくない山ですが、ここはやはり地元の呼び名を優先して 欲しいものです。9時25分スタート。

谷の入口から左の舗装路を上っていくと別荘地内に入っていきます。尾根の入口は別荘地最上部にある 小豆色の建物です。概して別荘地は迷路のような道が多いですが、ここは案外あっさりと最上部へ到着。
この家を目指して別荘地を歩く矢印ルートで登り始めます

門の前でうろついているM氏は怪しい人物そのものです。警察に通報されないうちに横手からブッシュへ踏み込んでいきます。 ちゃんと踏み跡があってすぐに岩尾根歩きが始まります。このお宅は別荘地最上部に位置するため 庭からちょっと上がるだけで大展望が楽しめるという寸法です。そこには椅子とテーブルが 置かれていて季節の良い頃には展望を楽しみながらお茶ができるってことかな。 富豪はいいなあ〜。
最初の小ピークから振り返ると・・・(逆光でごめん)

さすがに遮るものがないだけに登るにつれて大展望が楽しめます。 逆光なのと霞が悪さをして肝心の南方向はただただまぶしいだけ・・・。 山腹にはたくさんの別荘が建ち並んでいて、南仏プロバンスって行ったこと無いけど こんな風なところではないでしょうかね。金持ちはいいなあ〜。
二つ目のピークが目前です。左に大きな枝尾根。
最初の小ピーク(186m)を越えると目の前には二つ目のCa.240mピークがある。 この山塊は基本的には岩の固まりですが、うっすらとある砂地には背の低い松や 灌木が生えている。M氏の立っている所は自転車でも走れるようなカバの背状の 尾根だが、左右は一気に切れ落ちている。 この時点ではまだ快晴で、まさにひなたぼっこ状態。登りでは汗も出てきます。
後ろにあるのが最初のピーク。
カバの背を行きます。
二つ目のピークから振り返る。
右に見えているのは廻谷にある池
二つ目のピーク手前から振り返ると相変わらずもやっていますが、展望はさらに良くなっています。 空気が澄んでいれば高御位山、雄岡山、雌岡山もばっちりのはず・・・。 標高は情けないぐらいに低いのに、それを感じさせないほど高度感があります。 二つ目のピークで上着を脱ぎ捨てて汗をぬぐいます。以前はなかったように記憶してますが そこには石を積み上げたケルンがありました。
三つ目のピークが見える頃には周囲の山々も頭を覗かせてきます。
左はゼブラ尾根。右は滝跡のある枝尾根。
そして行く手には三つ目のピーク(298m)が現れます。 まるでデジャヴを見ているように先ほどの二つ目のピークとそっくり!! 左には同じように大きな岩の枝尾根が張り出しています。しかし今度のは まるでシマウマの背中のようなゼブラ模様があるのが特徴的。右からの 枝尾根とも合流しますが、その右枝尾根の岩盤には黒い筋が一本あります。 「あれって、雨の後に出来る滝の跡なんやで」と、さも見たことのあるように M氏に説明する。

「あの尾根も歩いたら面白そうやなあ・・・」とM氏。 確かに三つ目のピークから東の枝尾根で下山して周回できれば、お手軽且つ 面白いルートになりそうです。というのも三つ目ピークから北はシダの藪が 現れるので、楽しいところはここまでというのが正直なところなのです。
キレットを慎重に降りる

普通の人なら敬遠するようなシダ深い尾根も、M氏と私には遊歩道みたいなもの。 三つ目ピークを下ったところには2mほどの段差があるキレットがある。あれほど広かった尾根が ここでは幅が数十センチしかなく、左右は鋭く切れ落ちている。ずり落ちるように降りる私を尻目にM氏は ジャンプして安全地帯に着地。幅が数十センチしかないので着地を誤ると左右どちらかに 滑落です。(そのほうが世のためだったかも・・・・)

さらにヤブっぽくなった稜線を上り詰めると四つ目のピーク(Ca.325m)に着。10時50分。 立木の登らなくては満足な展望が得られないのがちょっと残念。北方向には送電線鉄塔が すぐ近くに見えています。あそこまで行けば落ち着いて座れる場所もあるでしょう。
165鉄塔も実は大展望数曽寺谷を見下ろすやまあそ

ここからはアップダウンもなくまもなく四等三角点に到着する。標高299.1m、点名『上三草』。 ピークらしいピークではなく、ただ三角点が設置されているだけのポイントです。 その先にはさきほど見えていた高圧鉄塔がある。その『播磨線165』には11時30分。 ここも展望は良い。前半コースで北に見えていた大坂山も真東正面にそびえています。 その南肩にある送電線鉄塔のむこうの山の頂にはなにやら建物が・・・・。 どうやらゴルフ場のようだが山頂付近にあんな人工物が見えると奇異な感じは否めない。

予定通りにここで昼食を済ませます。あれだけポカポカの晴天だったのに上空は黒雲と 冷たい風が吹き始めています。風を除けながらコンロでアルミ鍋のみそ煮込みうどんをグツグツ・・・、 その中に網で焼いたお餅を二つ放り込みました。手間暇かけているあいだにM氏はもう 食後のコーヒーを飲んでいます。ちょうどOAPさんも雪彦の頂上でお昼の時間らしくて 今年最後の無線交信を楽しみます。

さて、ここからどういうコースを取りましょうか?巡視路を東方向に下ると社町と西脇市を結ぶ 峠に降り立ちます。逆に西に行くと廻谷へ一旦下ってから町界尾根へ登り返します。 我々はその巡視路コースをパスして町界尾根を忠実にたどってみることにする。 (詳しくは地図参照してね)12時15分スタート。

しばらく巡視路を東に向かうが、さすがに道の状態は良い。 いままでのウラジロと倒木の尾根とはえらいちがいです。このまま下ってしまえば 峠に降り立ってしまいますが、途中から左に境界尾根(目印あり)に入り込みます。 最近人の手が入っているようで思ったより歩きやすい稜線でした。

320Pを越えて次のピークで思案する。このまま稜線を辿ってウエストワンズゴルフ場の 縁を撫でるように西に進んでいくか、あるいはここから北へ下っていくか。 実はそこを下ると金城山との鞍部に着くことになる。地形図にも点線が その鞍部を横切っているし一度訪れてみたい所だったので、予定を変更してこちらへ下ってみる。
謎の鞍部へ激下りだ〜その鞍部には明確な道が・・・

ここも最近誰かが通過したらしくそれらしい痕跡がある。しかし、とんでもない激下りです。 等高線を見てもとてもこんなところに道があるとは予想すらできない所です。 鞍部に下ったらそこから金城山へピストンしたかったのですが、 途中から見る金城山への道程はけっこうな距離がありそうです。 M氏からの提案で鞍部から素直に帰路に着くことにする。

鞍部の手前にはちょっとしたテラス状の地形があるのですが、そこには なにか史跡があったと聞いたことがある。地形図の点線も鞍部を通らずに このテラスを横切っています。実際目の当たりにしてもそれらしい形跡はありませんでした。

鞍部は周囲を木立に囲まれている静かな峠でした。13時10分着。 正面には新しく整備された金城山への登山道があります。 西にもきれいな下り道がありますが、最終にある金城池にはゴルフの練習場があるので そこまで道があるのかは不明です。我々は西に下って行きます。ここも思ったよりも良い道で MTBがあればそれなりに遊べそう・・・。
じ、自転車が欲しい!!矢でも檻でも持ってこ〜い!!

あきらかに昔はよく利用された峠でした。そこから下っていき、すうそじ川の流れる谷の分岐に到着。 古い道標の杭が転がっている。それには白いペンキの上に赤い文字で『さくらんぼ74』と書かれている。 ちょうど30年前のものです。近くには西脇の教育委員会の道標の残骸も見たことがあるので、 その頃にはハイキング道としてにぎわっていたのでしょう。

我々が車を置いたのが数曽寺谷の入口。そして現在いる谷に流れている川はすうそじ川。 ちがう谷なのに同じ数曽寺の名前が使われています。 この周辺のどこかにその名前のお寺が在ったと言いますが どこにあったのでしょう。社町に抜ける峠(たぶん数曽寺峠、あるいは大坂と呼ばれていたと思う)を 抜けて広い谷を右に左にと方向を変えながら下っていきます。

広い谷なのでこのどこかにお寺があったのかもしれません。やがて堰堤横を抜けて別荘地に近づいて来ました。 木立の中に大きな鉄の檻が見えます。猪かなにかの罠のようです。こういうのを見ると 二人とも黙って素通りは出来ません。お約束のパフォーマンスで今日の山行きを締めくくります。 前半は100%お勧めの岩山歩きです。登ってみてね!!14時35分駐車場着。

今回の数曽寺山塊の地図は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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