はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『但馬新井』を参照していただくようお願いいたします。 2004. 3.13. 土曜日 晴れ 気温あったかい
多々良木ダムの北にあるこのピークが前から気になっていましたが、山名が判ったのをきっかけに登る計画を立てました。
白岩山というと神埼郡猪篠のそれと間違われそうなので頭に多々良木と入れています。
とりあえず登るなら雪が無く、ハンターが無く、ヒルが無く・・・となると今が旬だと思います。
地形図にはありませんが頂上の直下に送電線鉄塔があるのでその巡視路を利用すれば案外簡単に登れるかもしれません。
それを期待して山の北側の川上集落に車を進めます。
ここから見る白岩山は特徴のない凡庸な山容です。送電線は一直線に山頂近くまで延びています。その 巡視路に取り付くには目の前の耕作地を横切らないといけませんが、車を止めるところもないし、 なんか気乗りがしません。そこで反対側の多々良木ダム湖からはどうだろうかと思い登り口変更です。 青倉神社への舗装路の参道の登っていくと途中からダムへ降りる林道があるのでそれで山越えです。 路面の凍結もなく順調にダム湖に到着。発電所のトンネル前を過ぎると具合の良さそうな駐車場があった。 そこに車を止めるがここまでの林道の途中には巡視路の入り口らしきものも見あたらなかった。 どっから取り付こかとふと横手を見ると具合の良さそうな 鉄製の階段が斜面に設置されていた。「こいつや〜!」と勝手に決め込んで、ここから登ることにする。 9時25分。
階段の上から良い道があると期待していたのにそんなものは全くない。何のための階段なのか・・・? たぶん山腹には土砂が崩れないようにスチールネットが張られているがそれの点検用の階段か? とりあえず巡視路ではないのは確実です。 今さら降りるのも癪なので薄い踏み跡をたどってよじ登っていく。道と言えるようなものではないが、 人が通り抜けるだけの空間があるので簡単に登っていける。より広い尾根と合流するとさらに 登りやすくなった。 所々で展望があるのでいちいち立ち止まってカメラを出す。そのためペースは超のろい。 やがて送電線鉄塔にたどり着く。10時15分。鉄塔の柱には『奥多々良木出石線 二』とある。 すごい展望に驚きつつ、あわててカメラを取り出す。それまで途中で撮ってきたものは すべてボツだなあと思いながらシャッターを切る。 このアングルで生野の山々を見ることはなかったのですごく新鮮だ。 真西から南、北東へかけて220度以上の展望だ。真後ろを見ると次の鉄塔3が 直線距離でわずか100mほどの所に見える。次はどんな展望か楽しみだ。 |
![]() |
bQ鉄塔は約220度の展望がある。(右へスクロールしてください) |
---|
![]() |
bR鉄塔もなかなか侮れない展望だぞ |
---|
プラ階段を登っていくとすぐに鉄塔3になる。ここは南方向はもちろんだが、北方向にも開けていた。
白岩山の頂上はすぐそこに見えるが、大きく下って登り返しがあるので、見た目以上に距離があり気は抜けません。
白岩山からは青倉山へ向かって伸びている稜線がある。そしてその稜線越しに朝来山を確認。
前半コースで好展望を堪能してしまいました。(^o^)
頂上へはいったん50mほどの急下りがあってそこからあらためて登り返すようになっている。その辺りは 細い尾根で右側に鹿避けネットもあり雑木をすり抜けながら進むようになる。 登り返すと、おぉ!!ここには展望の岩場があります!!
|
![]() |
きゃー!!こっちもすごいぞ |
---|
ここは鉄塔よりさらに高度感が増している。山も見え、さらにダム湖の湖面も見えているのがそう感じさせるのかも
しれない。肉眼ではフトウガの右下のとんがりさんも見える。この山域には雪はないが1000mを越える
フトウガから段が峰にかけては白い物もある。この岩場は絶好の昼飯ポイントだがまだ11時だ。
一旦三角点の頂上まで行って帰ってここで昼食にしようとするかな。
岩場エリアを抜けアップダウンのない尾根を歩くこと10分で三角点のある頂上に着く。標高608.3m、 三等三角点。植林かなにかで暗い頂上を想像していたのにまったく予想外に明るい頂上だった。 周辺の木々をばっさりと切り倒しているからだ。 (標高から言うと頂上手前の尾根の方が610mを越えているのでここより高い)
三角点の横には見慣れた白いプラ杭が地面に突き刺さっている。それを見て驚いた。 『国土交通省国土地理院』と書かれています。従来ならば『建設省国土地理院』だったはず。 ということは最近になって再調査されたのか??その為の伐採だったのかと想像する。 先ほどの岩場へ引き返して食事をするつもりでしたが明るいここで食べましょう。 単独行でのおやくそくは食後にオカリナと無線。十分に楽しみました。そして、ここの展望はといえば青倉山がバッチリです。 中腹にある青倉神社も手に取るように見えます。三角点の横にある松によじ登ると伊由峠の向こうに 床の尾のピークも見えています。 いよいよ下山です。どこから下ろうかと地形図を見直す。三角点のちょっと北から東西へ延びる 稜線上には点線のルートが描かれている。まずこれがあるかどうかを確認してみよう。 行ってみると確かに左右に道がありました。右に下れば鉄塔があり、そこから川上集落へ下る 巡視路があるはずです。左にちょこっと下るとそこには・・・・。
伐採斜面が広がっていました。つまり北方面が丸見え状態です。前半の鉄塔からここまで いろんな方向に展望が得られて展望マニアにはこたえられない山と言えます。 隠れた名山をまたまた発見したと一人ほくそ笑みます。 ここまできたついでですからこの西尾根を下っていきましょう。 伐採された尾根は歩きやすいように見えるが、おきまりのトゲトゲ植物が生えているので なかなか進めません。南斜面の雑木の中にあるけもの道を歩く方が楽でした。 さらに行くと尾根の上にはしっかりとした道の残骸が残っています。つまりU字に 凹んだ溝状の道が尾根上にあったのですが、現在は雑木が生えていて通行が 出来ないようになっているということです。それだけ山に入る人がいなくなったという ことでしょう。
どんどんと下っていき点線分岐の所までやってきました。尾根道は正面のピーク北側を 巻くようにさらに続いているようです。どこまで行くのか楽しみなルートですが ここで下山します。地形図にある谷道は予想通りありません。しかし楽に下っていけます。 林道が見えてきました。こうあっさりと降りられるのが判っていたらもっと尾根を西に 行けばよかったと後悔。林道は150mほどで終了しダムへの舗装路に出ました。 13時15分。ダム湖の周回道路からみた白岩山は岩壁を頂いた名前にふさわしいピークでした。 今日登りに使った取り付きはけっして良いルートとは言えません。しかし一度登ってしまえば 周囲の状況がつかめますので、次回を想定して4ルートほど考えています。 今回の多々良木 白岩山の地図は こちら(約130k) でごらんください。 |