シビレ山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『淡河』を参照いただくようお願いいたします。

2004. 1.18.  日曜日  晴れ  気温ふつう
本来ならこの土日は『北摂ラリー』で楽しんでいるはずだったのですが、いろんな事情により 今年は不参加となってしまいました。しかしいつものように日曜日は休みですからM氏と MTBで遊びますよ〜。今日は久しぶりに丹生山系縦走路を走ってみます。

シビレ山は丹生山系縦走路からちょこっとだけ外れているのでいつも素通りしていました。 そこで最初の目的地はまずこのピークです。M氏の提案で登り口は淡河の『勝雄不動滝』からとします。 ネタ本によるとこの不動滝からの登りが激登りだそうで、はたしてMTBは担げるのでしょうか??

平成になって新しくなった『おさげたはし』で淡河川を渡り地形図の示す方向へ車を進める。 白い文字で『勝雄不動明王』と染め抜かれた赤い幟を目印にすれば大丈夫。終点には 4〜5台ほど駐車が可能なスペースがある。ここで準備を済ませて不動滝へレッツゴー。 9時25分。

駐車場からみそぎ場までの参道はMTBでも乗って上れる。出だし好調だ。そこから担いで進んでいくと 右手に分岐がある。マーキングのテープには『シビレ山へのゆるやかルート』と書かれているではありませんか。 「滝直下からの激登りルートはキャンセルして、ここから登りましょうよ、M氏」ということで MTBデポして滝を見学するため細く急な階段を登っていく。

地元のおじいさんが滝の前の広場でなにやら作業をしている。 不動滝は高さ15mほど、すだれの様に水が落ちているが、いかんせん水量が少ない。 写真を撮るが単なる岩盤を写しているようで雰囲気が出ない。ああだこうだとうるさい二人を 尻目におじいさんがやっていたのは護摩焚きの準備だった。登山道のことを聞くと、やはりここからの 登り道はそうとうに急らしい。ということでゆるやかルートで登りましょう。
奥が不動滝。護摩の準備をしている展望抜群の砂尾根に出た

看板に偽り無し!!ほんとにゆるやかな登りでした。炭焼き窯跡があったので仕事道だったのでしょう。 なぜガイド本に載っていないのか不思議です。尾根に出て一段上がるとそこは一面の砂!砂!砂!! どう表現したらいいでしょうね、砂漠とは違うし、砂丘?砂山?大きな砂場かぁ?背の低い松が多く 北方向の展望は抜群です。 虚空蔵、松尾、白髪、西光寺、篠ヶ峰、マタニ山、千が峰(市原峠への林道もくっきり)、笠形山、 明神山・・・・。
シビレ山ピークを確認MTBでその辺を走り回る

誰のものかはわかりませんがMTBのタイヤ痕もあります。もちろんハイカーのそれもありますが それを辿っていくと先端から不動滝への下り道もわかりました。これはちょっと下るのも登るのも 大変そうな所です。自分たちが登ってきたゆるやかルートならMTBに乗ったまま下るのも 可能ですが、目印もないのでどこが入り口かまったく判りません。

とりあえず見えている砂尾根を隅々までMTBで走り回る。でもちょっとでもバランスを崩すと とんでもない事になるのでスリル満点である。老い先知れているM氏は命が惜しくないのか 崖の先端まで行って喜んでいる。いつまでもここで遊んでいられないので シビレ山へ行きましょう。あら、もう10時45分やんか!!
砂の攣り尾根を行く

登りにもかかわらずけっこう乗車ができるのがうれしい。細い砂の攣り尾根はもし踏み外すと冗談ではなく 滑落する。なにせ掴むものは無いし、砂に乗ってMTBもろとも谷底まで一気です。砂尾根も終わりになり このまま尾根を登っていくのかと思っていたら、左方向に下っていくではありませんか。 どうやら谷に一旦降りてそれを遡っていくらしい。(この谷は不動滝の源流です)

谷の終点付近から左に斜面を少し登れば鞍部となる。標識には『くるし坂のたわ』と書かれていた。 それほど苦しくはなかったが・・・。ここは変則の分岐路になっている。正面は丹生山(たぶん 山腹を巻いているのだと思う)、右手尾根はシビレ山、 右手山腹を巻く道は志染町戸田へ下っている。どの道も興味のあるが今日はとりあえずシビレに向かう。 虎ロープが張ってあるほどいきなりの急登りとなる。一応巡視路なので幅も路面もしっかりしている。 フーフー言いながら尾根に出る。尾根には道があり右に進んでみる。

地形図を見るとシビレ山は三つのピークでなっていて、西から鉄塔のあるピーク、 465mの標高点、そして古代祭祀跡ピークの三つである。鉄塔ピークは展望があってつくはら湖、 山陽自動車道、そして南にはシビレと対峙する様にシブレ山のピークが見える。鉄塔からはさらに巡視路が 西に続いているようだった。
シビレ鉄塔ピークから見る

東に戻って465mの標高点には朽ちかけた小さな標識でシビレ山と表示してあった。地形図上では ここがシビレ山となっているみたいです。そして三つ目のピークには兵庫登山会の大きな看板がある。 それには『古代祭祀跡・・・』と書かれている。見ると、そこには大きな苔むした岩がゴロゴロと 転がっているのだが、これが祭祀跡なのでしょうか?なにかの古文書に記述でもあるのかなあ・・・。 人工的なものは何一つなさそうなので単にそう名付けただけかもしれません・・・。

ここから少し下がると丹生山縦走路に出会う。いつもは東から西に縦走しているが、今日は東に向かって 逆走する。512.8mの三角点ピーク(四等三角点)に向かって道が付いている。昔はこのピークをパスする様な 巻き道がメインの縦走路だった。さっそく登ってみると木が刈り込まれて座れるスペースもある。 大きな看板があり『朝日山』と山名も書かれていた。頃合いだったのでここで昼食にする。11時40分。
朝日山から下る帝釈山でおじさんと話し込むM氏

朝日山からワンピーク越えると右手にコウモリ谷分岐、さらに進むと左手に分岐。これははじめにあった 『くるし坂のたわ』からの道でしょう。この縦走路にはめずらしくハイカーの姿もなく快適に走っていける。 また分岐があった。ここには『従寺六丁』と彫られた石の道標がある。左(北方向)は淡河へ向かっているが 乗って下れそうだが横目で見ながらパスする。

この辺りから縦走路の記憶もよみがえってきたのでレポートもスピードアップしましょう。丹生山も縦走路から外れているのでパス。537ピークを越えた鞍部で一休み。ここから帝釈山までは稜線上ではなく、山腹をゆるやかに登っているので 乗車率は高い。二組のハイカーとすれ違ってちょっとガレた登りが終わると久しぶりの帝釈山だった。 二等三角点、標高585.9m、13時。小さな祠が三つあるのは昔通り。南方向の展望が良くなっているように思える。 M氏が六甲の縦走路にあるピークを順に名前を言っていくが、さすがにこの時間になるとモヤがひどい。
岩谷峠までは乗れる所多し谷道の前半は道なし!!

帝釈山の直下は急下りで足元に気を遣うが、その後は乗車率は高くハイスピードで駆け抜けられる所もある。 いくつか分岐もあるが地図にも載ってないし、一般ハイカーが迷い込まない様に木ぎれが置かれている。 シブレからの縦走路でもいくつもの脇道があったが、この山域のエキスパートならどこへ行っているのか 知ってるんでしょうね・・・。 どうも、本道より脇道に興味が湧くのは自分の人生が脇道への寄り道ばかりだからだろうか?

岩谷峠には13時45分。舗装路をちょっと登ると『吉川・・・環境センター・・・』という道路標識が 頭上高くにある。そこのガードレールをすり抜けると松の木に札がぶら下がっていた。 目をこらして見るがそうとうに古くて何が書かれているのかまったくわからない。ともかく ここが谷(浦川渓谷という名前だと思う)への入り口であることは間違いない。

最初は尾根の急下り。MTBがギリギリ通過できるスラロームコースでこれは面白かった。 谷底には細い川が流れていてここにもかまぼこ板の古い標識がある。これには『稚児が墓山・・・帝釈山・・・』 などの文字が読みとれる。ということはここは昔の登山ルートだったらしい。

確かに昔はコースだったのでしょうが、今では踏み跡も不明瞭でましてやMTBを担いで行くのは難行です。 何度も川を渡り、しまいには川の中を歩かないと進めない所もありました。しかし大きく石組みのある 跡もあったりしてなにかしらの人のいた気配も感じられる。あまりの悪路にM氏がそろそろ毒づき始めた頃、 西からの大きな谷と合流する。14時40分。峠からほぼ1時間たっていた。
坑口前でお茶するM氏水路の横を走ります

上を見上げると送電線がある。地形図にある送電線と谷の合流している付近だ。大きく黒い穴があるのは 古い坑口跡(鷹尾鉱山跡?)なのでしょうか?覗いてみたが埋め戻されていた。西からの谷にある道は丹生山系 縦走路にあった石標分岐からのものでしょう。あそこから下るとここに来るのかあ・・・。 (新川雅一氏の著書『関西MTBツーリングブック』のコースにもなってます)

ここから下流の道は劇的に良くなる。一旦川を渡って流れの右手を走ることになるが、このまま行ってはいけません。 どんどん道は登り始めて最終的には峠からの舗装路と合流してしまう(と思う・・・)。 ガレの登り手前左に巡視路の火の用心マークがある。それにしたがって左に折れる。ちょっと広い河原には 廃小屋がある。そのまま川を渡って流れの左手に上がるとそこにもきれいなシングルトラックがある。 これで最後まで下っていきます。 (05年現在では、右岸に渡る必要はなく左岸だけを通って里まで下れます)

下流に行くのだから下るのが当たり前なのですが、流れから離れて徐々に山腹を登っていきます。ある程度 登ったらそこから一気に麓の集落までダウンヒル。右手が切れ落ちているのでスピードを 出し過ぎないように。右手に滝の音らしいものも聞こえるが見えないまま走り抜けてしまう。(巴滝??)

貯水池に出たらそこからはゆるやかな水路のクルージングとなる。最後は電気柵のドアを出て淡河の 集落となります。あとは舗装路を走って駐車ポイントまで戻るのだが、ふと目に付いた赤い鳥居に 近寄ってみると、そこは淡河城跡だった。15時30分。小さな本丸跡だったが周囲には堀もしっかりと 残っている。残念だが時間がないので再びMTBにまたがり、駐車ポイントには15時45分だった。

今回のシビレ山の地図は こちら(約170k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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