妙高山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『市島』を参照していただくようお願いいたします。

2004. 5.15.  土曜日  晴れ時々曇り  気温ふつう
春日町と市島町の境界に位置する妙高山。あまり人気がないのかWEBでもレポートは 多くありませんし、私自身もそんなに遠い山でもないのになかなか 訪れることができませんでした。地形図を見ると西方向に稜線上を点線ルートが延びています。 どんな道が確かめてみたいのと、うまく利用すれば簡単な周回コースで歩けるかもしれません。

日ヶ奥渓谷にあるキャンプ場に駐車する。管理をしている村のおじさん達の車が数台あるだけで お客の車は一台もない。駐車料金300円を払うのはちょっともったいない気もするが 車上荒らしに会うことを思えば安いものである。9時20分スタート。

駐車場の奥にある林道を歩く。入り口には鎖ゲートがあり一般車は進入できない。 大きな看板があり妙高山(神池寺)まで2.5kmとある。極々普通の林道である。 歩き始めてすぐに『赤尾線入口』という分岐があった。ひょっとしたらこれで下ってくるかも。

林道沿いに山の神の祠があった。鳥居の左には階段があって、どうやらそれはキャンプ場 へ続く遊歩道のようだ。さらに『白龍雌滝』の看板もあるのでさっそく見学してみる。 階段の途中にある踊り場からは滝の中段にある大きな釜が見える。水はその中を ぐるぐると渦巻いていて、どれほどの深さがあるのか知れません。
白龍雌滝白龍雄滝

釜の奥に真っ暗な窪みがある。「もし石仏があるのならあの奥かなあ・・・・」と、想像しながら 凝視してみると・・・。な、なんとほんとにあるではありませんか!! 真っ赤に彩色された炎の光背を持った不動明王です。(デジカメで最大に望遠で撮影して確認。 写真の*印の所です)石仏ハンターやまあそならではの快挙です。しかしどうやって安置したので しょうか?謎です。 さすがに駐車場のおじさん達は知っているようでこの踊り場からお祀りすると言ってました。

階段を下りきるとスノコ状に板を敷き詰めた吊り橋がある。ここからみる雌滝はアングル的に面白くありません。 釜もまったく見えませんし、その奥にある滝の落ちる様もよくありません。 釜までよじ登ればいいかもしれませんが右手を怪我しているので今日はよしましょう。 (笹倉さんのレポートにはよじ登って撮している写真があります)

林道に戻りしばらくすると今度は雄滝がありました。こちらは垂直な岩盤を落ちている滝です。 雌滝も雄滝も今日は水量が豊富でなかなか豪快な感じでした。 この辺りからタニウツギ、ガクウツギなどが目につき始める。 林道は明るく、終始ゆるやかな傾斜で登っています。『岩妻入口 神楽道』という 分岐に来ました。これは上部で林道赤尾線と繋がっているようです。

『かんかけ入口』、『ナバ谷入口』と二つの分岐を経てちょっと薄暗くなった林道を行くと終点の 広場に着く。『小峠 南ヶ谷入口』と標識がある。ここから1分ほど細くなった山道を行くと 小峠となる。10時07分。
小峠にて。正面は神池寺へ続く初めは結構な急斜面

東方向には二本の道がある。山腹を巻くようにある神池寺に行くメジャールート。 その左の谷に下っているのは塚原へ向かうちょっとヤブっぽいルート。 北にある道はタキガナル(この山名には疑問点あり)を経て天ヶ岳へ向かっているのでしょう。 南にはテープのマーキングがたくさんある。神池寺へ向かおうかとも思ったが 今回はこの南へ向かう市島・春日の境界尾根を上り詰めて頂上へ行ってみます。

けっこうな急斜面ですが道的には問題なく登っていけます。目の前に大岩が出現。 登り切って裏手を見ると赤ペンキで『25』と書かれています。これをきっかけに 次々と大岩が現れ始めました。そしてそれらからはある程度の展望もあります。 上にある岩ほど展望はあるので最後のCa.500mピークに着くまで写真は がまんしたほうが時間のロスが少ないようです。
中には卵が入っています展望岩でセルフ

足元に不思議な木の葉が落ちています。拾い上げてみるとくるくると巻かれた 葉巻状のものでした。そのへんを注意深く見るといくつか転がっています。 ある種の昆虫は葉っぱをこのように丸めて、その中に卵を産み付けるらしい。 孵った幼虫はそのベッドだった葉っぱを食べて大きくなるのです。

やがてCa.500mピークにやってきました。ちょうど休憩にはもってこいの岩です。 妙高山では展望は皆無なのでここでしっかりと楽しみましょう。
東方向を見ます

東方向を見るとちょっと前に歩いた日内城趾から歩いた林道の茶色い道筋も見えています。 (写真には写っていませんが別の岩からは三岳、小金ヶ岳なども見えます) 西方向も面白いアングルですがモヤで遠望はあまりありません。

一旦下ってそこから一登りで頂上です。ここまでは迷いようのない境界の道だったのですが、 ここからはちょっと判りにくいです。正確に境界上ではなくちょっと右寄りの谷のような 所に道があります。そこから右寄りに上り詰めるとダイレクトに頂上です。
妙高山頂上点線の道を行く

三角点よりまず目に飛び込んでくるのは祠と石灯籠です。11時ジャスト。 二等三角点、標高564.8m。 石灯籠には年号はありませんが『妙高山権現神前』、『春日部庄神池寺』と彫られています。 現在神池寺は市島町になっていますが、古くは春日部庄呼ばれていたのですね。 灯籠には権現とありますが、祠にある石仏は宝珠を持った地蔵菩薩の座像でした。

もっと時間が掛かると思っていたのにお昼までに登ってしまいました。展望もなく 風も強くなってきた頂上ではお昼を食べるのはよしにして周回路の探索に向かいましょう。 西を見ると稜線上にきっちりと切り開きがあり問題なく歩けます。 すこし下ると地形図にある点線のルートと合流しました。 さすがに地図に載るだけあってしっかりとした路面です。なぜいままでこれが紹介されなかったのか 不思議です。

難を言えば使われなくなって年月が経っているので、左右から枝の張りが多いのと、倒木が若干あるぐらい でしょうか。整備すればMTBでも楽しめる極楽の道に変身しそう。そのままどんどんと進んでいきます。 やがて454P手前の分岐にやってきます。目印は地面にある『80』とナンバーの彫られた赤いコン柱。

ここで点線ルートと別れて北西方向に向かう。地形図を見ると454を含めてゆるやかなピークを 二つ越えることになる。その最初のピーク454から次の鞍部までは今まで通りの 歩きよい道だった。ところがここからの登り返しからヤブっぽくなる。 鞍部から右に下っていくのが楽かもしれません。

実はコンパスを車に忘れてしまっているので、この辺から不安になってくる。 細い尾根ならそれを辿れば問題ないが、ヤブで倒木、しかも周囲は広く暗い。 ここで目隠しして三回ほどグルグルと回って目隠しを取るともう方向はわからない。 仕方なく奥の手の体内コンパスを作動させる。その信じる方向へ歩いていくと うっすらとした踏み跡を発見。「これ、これ!これやがな」

それは山腹を西向きに巻いている点線のルート(神楽道と呼ばれている)そのものです。 さっそくそれを利用してほぼ東向けに逆戻りするように進んでいきます。 途中にいくつかの炭焼き窯跡があることから、昔からのソマ道なのでしょう。 山腹は植林になったり雑木になったりしています。やがて徐々に下っていき 別途地図のG地点に到着しました。12時20分。
神楽道(ダブルトラック)遊歩道のくぐり岩

周囲は竹が生えていたり、平坦なところもあったりするので小屋程度の建物があったのかも しれません。林道赤尾線へ行っていると思われる細い道も確認しましたが、このまま神楽道を 進んでみます。今まではシングルトラックだったのに、ここからはダブルトラックになっています。 左手が鹿避けネットになり、その設置の為に林道化されたようです。 その後は使用していないためか路面はガレて車での通行は困難です。

地図のC地点に戻ってきました。単独の男性が一人、話しかけてみるとバードウオッチングに 来ているという。「姿は見えないけど、○○の鳥がさえずっているでしょ!」と言う。 さらに「録音しようと思ったが水の音が大きくてだめなんです」 いろんな趣味の人がいるもんです。

雄滝を過ぎ山の神の祠から再度雌滝へ降りる。ここでようやく昼食とする。 滝のマイナスイオンをおかずにおいしくいただく。そしてキャンプ場への遊歩道を利用して駐車場へ戻ります。 プチ釣り橋をいくつか渡り、行者などの石仏数体を眺めながら川を下っていくこの道は 滝見の散歩には面白い道です。 駐車場のおじさんたちに挨拶して車に戻る。13時20分。

今回の妙高山の地図は こちら(約120k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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